「三丁目の夕日」が有名である。
その独特の作風(決してうまい絵ではない)は
どこかノスタルジックで作品と非常にマッチしている。
楳図かずお氏の漫画と並び
PONにとっての「トラウマ漫画」は
実は彼の作品なのである。
彼の本領はあのノスタルジック作品群ではなく
SF短編漫画であると言い切ってしまおう。
この際。
藤子F不二雄先生が亡くなってしまった
今となっては、先生が本当に書きたかった
SF(すこし・ふしぎ)短編漫画ジャンルの
覇者は西岸氏だと思う。
SF(すこし・ふしぎ)短編漫画のキモは
「普段は良い子がいきなり見せる不気味さ」
つまり、おおよそSFに向かなそうな
児童向け漫画の絵柄なのに、内容は結構ハード。
ビックコミックなどで活躍中の岡崎二郎氏も
(代表作「アフター0(ゼロ)」「国立博物館物語」)
多分、本人も自負している上での
「SF短編漫画」路線継承者なんだろうけれど
ストーリーテラーとして二人に後一歩及ばない。
毎度偉そうに言わせていただくが。
「蜃気郎」「地球最後の日」「ミステリアン」とか
双葉社だったかな。ひょっとしたら廃刊に
なってしまっているかも。
「蜃気郎」は主人公が怪盗。
アニメよりもリアルなルパンって感じ。
モンキーパンチ氏の原作ルパンには近い。
PONが一番好きなのは「猫」の話。
(題名は忘れましたすみません)
隠居のばあさんの昼寝友達の「ミケ」
(名前は忘れたので適当・・です)
普段はねずみ一匹取ってこない
「老いぼれ猫」扱いなのだが、
彼女にはウラの顔がある。
地球は人類が知らないうちにも
あらゆる外敵からの大小様々な侵略にさらされていて
古来より猫一族は人類に代わって
毎回迎撃しているというのだ。
(武器も持っているし、本来ならば人類と対等以上に
渡り合える能力を持っているのに、人類と争いが
起きることを予測しているので、シッポはあるが
決してシッポを出さない。)
戦闘では結構、死人(死猫)も出ているのだが
すべては「猫ネットワーク」が闇で片付ける。
「ミケ」は地域エリアの隊長で
時折ふらっと居なくなり
「迎撃」の指揮や実際に戦いに参加した後
何食わぬ顔でおばあさんの元へ戻ってくる。
おばあさんの昼寝に付き合うことも
「ミケ」の大事な任務だから。
今日も激戦をくぐり抜け帰還した「ミケ」に
おばあさんはつぶやくのだ。
「ちょっと姿が見えないと思ったら。
まったく猫は気ままでいいね」
それでいいのである。
「ミケ」と猫一族が求める平和とは
そんな程度でいいのだ。
絵が子供向けなのに話は「おどろおどろ」しく
全体に漂う70年代感が
「いい味」出しているんですよ。
BOOKOFFで見つけたら即ゲットを
お勧めします。
ヒジョーに長くなりました。
「猫の会議」を見たとき
「地球防衛会議」を行っているのかもしれないなと
思ったのはこのためであります。
西岸良平初期短編集レビュー
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