2006年03月26日

「獣たちの夜」押井守

久々に「小説」のご紹介を。
こんな風に書くとPONがまるで
まったく本を読まない男のようですが
この際、はっきり申しましょう。
ジャンルは偏っておりますが
自分は結構、読書家です。
通勤に片道1時間30分かかっていますので
帰路に「本・雑誌」の類は必需品なのです。
え?朝はどうかって?
無論、寝ているに決まっていますでしょう!

さて、この「獣たちの夜」ですが

「攻殻機動隊」「イノセンス」
「うる星やつら2」「映画パトレイバー」等々

往年のアニメファンが泣いて喜ぶ作品群を
次々に監督した「押井守」氏の小説なのです。

<あらすぢ>
1969年、学生運動華やかなりし頃の日本。
親に反発する気持だけでデモに参加した
高校生「零」は、機動隊に追われて逃げ込んだ
路地裏で恐るべき殺戮現場を目撃する。
犯人はまだあどけないセーラー服姿の
女子高生だった。次の瞬間、彼女は
鈍く光る長刀を零に向かって振りあげた!

まあ、この女子高生が何者なのかとか
なんで殺したのかとか、誰を殺したのかとか
それは読めば分かります。
正直PONもその辺はあんまり
期待していませんでした。

この作品にめちゃめちゃ惹かれたのは
劇中に出てくる怪しげな刑事
「後藤田」の存在。
押井カントク作品を御覧のかたならば
お分かりですね?
そうです。どこから読んでもこの「後藤田」
あの「パトレイバー」に出てくるレイバー隊の
「後藤隊長」
そのものなのです。

この小説世界は「パトレイバー」とはまったく
連結していない世界で時代も合いませんが、
あの後藤隊長が
レイバー隊に飛ばされる前は「公安」にいたこともある
というウラ設定もあるくらいですし。
読んでいるうちに、後藤隊長ならば
こんなことしていてもおかしくないかも?
なんて気がしてきます。
なんと言っても「押井」カントクは
自分の言いたいことを全部
「後藤田」に言わせてしまってますし。

いやあ、「押井カントク節」全開ですよ。
そう、わかるヒトにだけわかる説明するならば
「後藤隊長」と「うる星のメガネ」と「篠原遊馬」と
「栗山千明」が喧々諤々
ってカンジ。

あと、押井カントクが自ら経験したものと
思われます1960年代の
学生運動の薀蓄も学べます。
昔のヒトは熱かったんだなあ。
どうでもいい知識も増えます。
思えば、「押井守」ってカントクは
もともと引き出しを
一個しか持っていない
のかもしれません。

「後藤田」刑事。
敵なのか?味方なのか?果たして・・。

現在は「角川ホラー文庫」に収録されてます。
ブック×フで100円なんて時も。

押井守 著
角川ホラー文庫
H−88−01
定価600円(税別)
ISBN4−04−366601−2



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書き写すのも一苦労(押井節)
posted by PON at 16:47| ☀| Comment(6) | TrackBack(0) | 読書(ホラー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする