古本屋の文庫100円コーナーなんかで
角川ホラー文庫の一冊として
大量に余っていると思います。
背表紙が黒なのでわかりやすいし。
作者は「小池真理子」さん。
どこぞで大臣やっている人とは別人です。
<あらすぢ>
都心の格安マンションを購入した3人家族。
部屋の窓を開けると寺と墓地が見えるという点を
気にしなければ、掘り出しものの物件。
主人公夫婦はもともと不倫関係で、
前妻を自殺に追いこんだ末に
結婚した過去あり。そんな彼らが
新生活のために越してきたころ、
なぜか周囲の住人はどんどん退居していく。
黴臭い地下階、エレベーターの不調、
不気味な気配。
そして地下で蠢くものが・・
「ひた・・ひたひたひた・・・」
怖いにゃ。
足元から寒さが上がってくる。
以下は多少ネタばれ・・
自分には「弟」夫婦がいるので
劇中の主人公の「弟夫婦」に
実の弟夫婦を勝手に重ね合わせまして、
彼らが大変なことになるシーンでは
「やめろ!行くんじゃない!!」と
どきどきしておりました。
弟夫婦よ。すまん。
問題の地下室は「エレベータ」でしか
出入りできないという設定で
少し、モノを知っている人からは
よく突っ込まれドコロではあるが
(当然、階段も併設されるべきで
あからさまに建築基準法に違反なんだとか)
安いマンションはなんか理由があると
思ったほうがよいなと
「ヒュー×ー」の「オジャマもん」を見ながら
別の意味で学びました。
理由のない
(少なくとも自分には
どうしてそうなったのかよくわからない)
ところから来る、
完璧な悪意、邪悪が
非常に怖いです。
理屈が通用しないんだもの。
ほとんど、通り魔。
<ネタバレ>
最後に出てくる、問題のマンションの
「再販売告知」チラシが
怖さに追い討ちをかけます。
主人公の家族はどうなったのか?
しかも主人公は最初
「大手住宅販売会社」から
このマンションを購入したのに
問題マンションを再販売しはじめた会社は
「弱小会社(しかも有限会社)」なのです。
値段も大幅に下がって。
危ないワケアリ物件は
すぐ手放す「大手会社」のずるさと
事情を知ってか、知らずか?
そんなモンでも商売の種にしてしまう
「弱小会社」の悲しさと怖さ。
ちなみに二社目以降は
「告知する義務がない」
らしいですよ?
(この辺りあんまり自信ない・・)
物品の対価よりも不当に「安さ」を求めると
そこには「リスク」が待っているってことで
まとめてよろしいでしょうか。
皆様。
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これもネタバレ