2006年12月12日

「弟切草」長坂秀佳

「角川ホラー文庫」(KHB)
読破シリーズは続きます。

「弟切草」 長坂秀佳

<あらすぢ>
弟切草…その花言葉は『復讐』。
ゲームデザイナーの公平は、恋人
奈美とのドライブで山中、事故に遭う。
二人がやっとたどり着いたのは、
弟切草が咲き乱れる洋館だった。
「まるで俺が創ったゲームそのものだ!」
愕然とする公平。そして、それは惨劇の
幕開けだった…。
 PlayStation版話題のゲームを
乱歩賞作家の原作者がオリジナル小説化。

「あらすぢ」には
「惨劇の幕開けだった・・」
なんて思わせぶりに書いてありますが
結局、この作品に「惨劇」なんてあったのかな?
最終的にひどい目にあった
方々はほとんど「自業自得」だし。
仕方がないですけど。
ゲームの小説化作品ですから。

そもそも原作となったゲーム「弟切草」自体
「サウンドノベルゲーム」のさきがけとして

「話に理屈なんかないんだよ。
 とにかく主人公(プレイヤー)が
 怖がってくれて最後に無事に
 脱出できればいいの!
 俺らは「電子お化け屋敷」を
 作りたかったんだ
から」

というゲームデザイナーの開き直りが
聞こえてくるようなゲームだし。

作者の「長坂秀佳」氏もあとがきで
「ゲーム未プレイの読者」でも
「ゲームが大好き読者」でも
楽しめる小説を目指す!という
意気込みで書き始めたと
明らかにしているが

そのコンセプトこそ
ひとまず成功していると思うけど
そういう欲張りな作品に
結局付いて回ることになる汚名があって
要は「どっちつかず」な小説。

読ませるし、それなりに面白いが
怖くはないし、読後に何も残らない
不思議な小説




デキは「中の下」かな。
熱狂的な「オトギリ」マニアならあるいは。

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posted by PON at 21:00| ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | 読書(ホラー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする