かつ「特攻」というものを
具体的に知ったのはこの漫画からです。
泣いたなあ。小学生ながら。
全部立ち読みなのに。
よく黙認したな、地元の本屋のおばさん。
中山義竜 二飛曹
第七期乙種飛行予科練習生
<あらすぢ>
田舎の暴れん坊(本宮作品に共通)
中山義竜は、海軍予科練に合格する。
ひとく癖もふた癖もある、バカだが
パイロットの素養は高い連中は
けんか・ばくちはお手の物
予科練番外班に配属される。
ここは半年の一般教養
4年もみっちり飛行訓練(飛練)
なのだそうだ。
本来の予科練正規班は
2年半の一般教養&体育、2年の飛練
「番外班」そのものは
たぶん漫画オリジナル設定だと思うけど。
「番外班」が一人前の戦士になるまでは
しっかりと描写しておきながら
メインキャラの戦死は義竜の口から
思い出としてあっさり描写するのみ。
この辺がすごい。
ヒロイックでもなんでもない。
同期 北島(義竜の同郷・ケンカ仲間)
ラバウル上空で、米軍機に
袋叩きにあっていた義竜の身代わりに
なって戦死
同期 平岩(ヤクザのせがれ、ガタイのいい奴)
第七期乙種飛行予科練習生
珊瑚海海戦で被弾、空母に突撃して戦死
同期 絹城(オカマっぽいがセンスは一級)
ミッドウェーで母艦を失い
燃料切れで海中に突っ込み戦死
・・そして戦争も末期になると
あのお調子者の義竜でさえ
乱暴なところは変わらないが
数々の地獄を見てきた為か
悟りきった落ち着いた顔に変貌している。
「おれはな
重慶、初出撃以来
真珠湾、珊瑚海、ミッドウェー
そしてラバウル上空でいやってほど
敵機相手に戦ってきたんだ」
「おれのバカな頭でもやっとわかったぜ
この戦争がいかに
ばかばかしい
かがよ・・・・・」
そしてついに戦局の悪化は
ベテランパイロットの特別扱いを許さず
「特攻隊」へと駆り出すにことになる。
義竜からみれば「ヒヨッコ」の
即席特攻隊パイロット達と共に出撃する。
・故障と偽って故郷の空へ戻り
基地にも戻れず、地元の山に自爆した隊員
・自爆用250Kg爆弾を抱えた零戦は
離陸が非常に難しいのだが、力みすぎて操縦桿を
引き起こしすぎて失速、戦う前に
爆発炎上した隊員。
敵空母にまでたどり着いた義竜機だったが
仲間の突入を見届けた後、敵空母の上空で
アクロバットをやりだす。
「連続宙返り」「急降下」
「きりもみ」「超低空背面飛行」・・
ポカンとする米空母の乗組員。
「ナンダ?アノかみかぜハ?
曲芸飛行ヲヤッテルゾ!?」
「ひっひひ・・びっくりしてやがる」
「見たかアメ公 日本海軍のパイロットってのはなあ
これだけすげえウデをもっとんだぞ」
「それが爆弾積んでつっこむんだ」
「てめえらにゃ わかるめえ この悔しさをな」
義竜は絶叫する
「どいつもこいつもくたばりやがれっ」
「ばかやろう〜〜!!」
そして漫画は義竜の個人史から
歴史フィルムに移行、義竜機が
空母に突入する瞬間をバックに
「特攻」についての数字が淡々と流れる。
昭和19年10月から開始された特攻
戦死者数陸海軍合計3912名
命中244機
成功率16.5パーセント
海軍1325機
陸軍1178機
平均年齢21歳
戦果 撃沈49隻 損傷270隻・・
いやあ、「サラリーマン金太郎」なんか
読んでいる場合ではないですよ。
この漫画の影響を受けてから
いろんな戦記を読み漁ったけれど
あれ?この話聞いたことある?
というエピソードに結構ぶつかった。
漫画の中の番外班(主に義竜)は
実話の最大公約数キャラだったんだね。
やっぱ戦争はイクない。
気に入らないからといって
ミサイル撃ったり
背中蹴っ飛ばしてはいけないんだよ。
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