2007年06月03日

「お見合い」吉村達也

「角川ホラー文庫」の
遠慮がちな大行進は続きます。

電車に乗ってこんなジャンルの本を読んでいると
客がみんな自分を見ているようで。
そんな自分に、畳み掛けるように
遥かアルファケンタウリから
「そんなジャンルばっかり
 乱読して、てめーが一番
 ホラーなんじゃないのか?」

電波が届いてきます。ええ。
どうしましょ?(苦笑)

「お見合い」 吉村達也

<あらすぢ>
大好きな史也と結婚する前に、一度だけ
「お見合い」というものをしてみたい。
満たされた恋で幸せな毎日を送る
滝真由子にとって、それは余裕の気持ちが
産み出したほんの遊び心。
 恋人の史也も、笑って賛成してくれた。
そして真由子は、親戚からきた見合いの話に、
ふざけ半分で応じることにした。
だが、お見合い相手の男は真剣だった。
真由子の魅力に一目惚れをした彼は、
思いつめた表情でこう言った。
「私はガムテープ男です。
 一度くっついたら離れません」。

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うーーーん。
面白くなりそうな雰囲気は
漂っていたんだけど、作中で
とても頼りになりそうな
主人公(史也)の父親(理性と知性の塊)が
主人公のヘルプ要請によって
事態の収拾に立ち上がったときには
すでに残ページ数が2/3を
過ぎていたから。
「大丈夫なんかなこの先
 どう活躍するんだろ?」
と思っていたら、あらら??
話は結局、なるようになってしまって
作者もいいかげん物語を手放してしまった・・
そんな感じでした。

わざわざ正規の値段で購入してまで
読むほどのモンではないです。

文体は読み易かったけど
中身がどうも・・ってことで
「下の上」かな。

結婚を前にした「ビミョウな女心」
という奴は、比較的よく書かれていたと
思います。(あくまで男からの視点ですが)

ヒロインのデジャブ現象の謎は
かなり無理があった気がする。
それでもそんな真相を理詰めで
解き明かすことのできる、
主人公の親父には
もっと活躍してほしかった。
そうすれば結構面白い本に
なっていたと思う。

惜しい。



「他人のプライバシーを自分のそれと区別することの
 出来ない欠陥だらけの感情プログラム」

「プライドの高い人間に
 仲人口を頼んではいけない」

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posted by PON at 21:00| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(ホラー) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする