2007年06月29日

「陸奥爆沈」吉村昭

陸奥爆沈

「陸奥」とは太平洋戦争に至るまで
国民的戦艦として親しまれていた
「長門(ながと)」の姉妹艦。
昭和18年、日本の基地内にてナゾの
大爆沈を遂げてしまった不運な戦艦。

PONも以前、船の科学館にて
引き揚げられた「陸奥」の大砲身(一本だけ)を
触ってみた経験がありまして。
妙に気になったんで読んでみました。

<あらすぢ>
吉村昭氏が得意とする「記録文学」の名作。
名前の通り、「戦艦陸奥」の爆沈の原因までを
探っていくドキュメンタリー。

PONも爆沈したことは知っていたけど
ここまでは知らなかった。

おそらくこの小説のことは
かなり真実を突いているものと思われる。
興味深かったのは精強を誇り、
諸事、スマートを旨としていた
旧帝国海軍にもかくも多くの不祥事が
あったということ。
(陸奥以前にも軍艦なのに、戦う前に
 勝手に沈没してしまった軍艦が結構
 あるらしい)

「いくら精強を誇る組織とはいえ
 あれだけの人数がいれば
 そりゃあ多少おかしい奴もいるさ」


作中で、ある証言者がこぼしていたセリフが
心に残ります。

著者が最初は乗り気で無かったところが意外。
それと言うのも、これまで吉村氏が
好奇心の赴くままに書き上げていった
いくつかの記録文学だが、どうしても
世代的なものもあって戦争の話が多い。

それらが、戦後から今も続く「軍国バンザイ」風潮に
甚だ不本意ながら、荷担しているように
思えてならないからなのだそう。

作家稼業もいろいろ大変だ。

作者が最後にたどりついた「事実」は
「真実」だったのかどうか。

最後に・・(ネタバレ)
爆沈原因は「おばけのQ太郎」



※「吉村昭」氏は
2006年(平成18年)7月31日に
お亡くなりになったそうです。
ご冥福をお祈りします。

※この記事を書いたのはかなり前だったんですが
 自分で書いたくせに
 「爆沈原因は「おばけのQ太郎」」の意図が
 さっぱり判りません。何を書いたつもりなんだろうか?
 当時の自分??
 誰かご存知ないですかね。

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しかし・・
posted by PON at 21:00| ☔| Comment(2) | TrackBack(1) | 読書(歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする