今回はコレ、講談社文庫
「マークスの山」です。
読んだ事のない方でも、題名くらいは
どこかで聞いたことがあるのでは
ないでしょうか?
<あらすぢ>
出版社/著者からの内容紹介
全面改稿!!第109回直木賞受賞作
警察小説の金字塔
21世紀、33歳の新生・合田雄一郎、登場
「俺は今日からマークスだ!
マークス!いい名前だろう!」――
精神に〈暗い山〉を抱える殺人者マークス。
南アルプスで播かれた犯罪の種子は
16年後発芽し、東京で連続殺人事件
として開花した。被害者たちにつながりは
あるのか?
姿なき殺人犯を警視庁捜査第1課第7係の
合田雄一郎刑事が追う。直木賞受賞作品。
合田雄一郎は音一つなく立ち上がった。
33歳6ヵ月。いったん仕事に入ると、
警察官僚職務執行法が服を着て歩いている
ような規律と忍耐の塊になる。長期研修で
所轄署と本庁を行ったり来たりしながら
捜査畑10年。捜査1課230名の中でもっとも
口数と雑音が少なく、もっとも硬い目線を
持った日陰の石の一つだった。
上記は、アマゾンの本紹介をそのまま
カット&ペーストしたものですが・・
ちょっと大げさではないだろうか?
>警察小説の金字塔
>21世紀、33歳の新生・合田雄一郎、登場
この惹句は果たしてどうだろう?
大体「新生」ってなんだ?
それを言うなら「新星」じゃないのか?
しっかりしろ!講談社の人。
(全面改稿?だから「新星」なのか?)
さてひとしきり毒づいたところで・・
この小説は「第109回直木賞」だそうです。
この小説に描かれている警察の捜査風景が
実際の取材に基づいた本物の「捜査」に
近いのだとしたら・・ほんと警察は救われない。
迷宮入りの事件が多いはずだよ。
警察の面子、威信(そんなの、もはや無いのに)
意地、セクショナリズム、秘密主義、
本庁VS地方警察、公安VS警察、
その筋からのもみ消し工作、そして同僚すら
何を考えているのか解からない連中ばかり・・。
あんな環境では、解決した事件のほうが
珍しいだろう。ほんと
ただ、やはり「直木賞」を取るだけのことは
あって、心理や情景描写は物凄い書き込み方。
単に「合田は苦悩した」という書き方で
済ませず、過去を引きずった彼の、切れ切れな
思いをダラダラと濃密に記述している。
すごい文章力だ。
中には、それがどうした?とか
結局何を表現したいのか皆目わからんまま
進んでしまうシーンもあって、その辺りが
「文学」に「エンターテイメント」を
求めてしまいがちな自分には、つらいところ
でもあったけども。
もう少し、暴力の具体的描写とセックスが
絡んでいたら、話的には「徳間文庫」か
「光文社文庫」に収蔵される作品だと思う。
映画化もしてましたね。
PONスコープでは中の下。
文学的表現・・というよりも
単に判りにくい描写が多かったのが
ちょっとマイナス点。
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