(いつの間にかシリーズ化?)
今回はこれ、東野圭吾氏「時生」です。
〜明日だけが未来じゃない〜
<あらすぢ>
不治の病を患う息子に最期のときが
訪れつつあるとき、宮本拓実は妻に、
二十年以上前に出会った少年との想い出を
語りはじめる。どうしようもない若者
だった拓実は、「トキオ」と名乗る少年と
共に、謎を残して消えた恋人・千鶴の
行方を追った―。過去、現在、未来が
交錯するベストセラー作家の集大成作品。
内容(「BOOK」データベースより)
面白かった。ほぼ一気に読んでしまった。
(正確にいえば3通勤片道分程。
1通勤片道は1時間とお考えになれば
目安となるでしょう)
たぶん、数多の読書ブログで
語られることと思いますが
ひとことで言うならば
(以下ネタばれ)・・
日本版「バックトゥーザフューチャー」
なんですけどw。
ま、これだけネタばらししてしまえば
あとは推して知るべしって感じです。
人によってはその辺りに多少「あざとさ」を
感じる人もいるかもしれませんが、
読後の感動は損なわれるものではないです。
現代日本→1977年頃の日本なんで
当時の日本の世相(サブカル)と
そのギャップが楽しい。
「ピンクレディー」「キャンディーズ」
「インベーダーゲーム」「ハイセイコー」
「駅のある場所で待ち合わせしたのに
その人に会えなかったとき
あなたならどうします?」
「そりゃ、掲示板に書いておくとか」
「駅員を電話で呼び出すとか」
「違うんだな・・」
この父親の若い頃がどうにも
「フーテンの寅さん」のように描写されてまして
タダでさえヤング父親は「根性曲り」で
結局は正体不明の若者である「トキオ」と
何かというと衝突するのですが
「トキオ」と会ったとき、初対面なのに
懐かしさすら感じ、けんかに巻き込まれたら
自分をおいてでも、まず他人であるはずの
「トキオ」を守ろうとした自分を発見、
「トキオ」の言葉に一旦は心では反発しても
彼の眼を見たら、最後は結局彼の言うことを
聞いてしまう・・。
作者のご都合主義とは取りたくないですね。
ここは「親子の血の結びつき」の素晴らしさ
ということに、軍配を上げておきましょう。
「あのひとの若気の至りを見るのはつらい・・」
どうしようもない若者が
最後にはできた父親になる。
ちょっと出来すぎ?な気もしますが
ま、ファンタジーとしてそれもアリです。
PONスコープでは
面白さは上の下、
文体の読みやすさも上々です。
映画秘宝だったかなんかで、
最近の日本映画にはもう
「鈴木京香」と「浅田次郎」はいらない!
それからモチーフとして
「タイムスリップモノ」
「難病モノ」
「死者復活モノ」
これらは当面の間全面禁止だッ!!と
痛快な暴言を吐いてたけど
それはそれで一理あるかもしれない。
文庫: 544ページ
出版社: 講談社 (2005/8/12)
ISBN-10: 4062751666
ISBN-13: 978-4062751667
「でかいことがしたい
一発当てたい」
「そう言う台詞はね
本当の馬鹿しかいわないんだよ」
「何しろ手がかりが花やしきだけだもんな。
もうちょっとなにかヒントをくれりゃあ
いいのにさ。」
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