2008年03月03日

バブルへGO!! タイムマシンはドラム式

面白かった。
ピタッとハマればそれなりの爽快感が
得られるコメディ。よく言われることだと思うが
バックトゥーザフューチャー(BTF)を
ホイチョイプロダクションらしく、あえて
ベタベタに日本版リメイクしたモノ。

あらすぢ
バブルは、崩壊して初めてバブルとわかる
2007年3月、800兆円の借金を抱え破綻の危機に瀕した
日本経済。財務官僚の下川路功は諸悪の根元を、
1990年に大蔵省から通達された総量規制の行政指導を
きっかけとするバブル崩壊にあると考え、タイムマシン
で歴史を遡りバブル崩壊を阻止しようと計画する。

彼は偶然から洗濯機型タイムマシンを発明した昔の
恋人・田中真理子を1990年3月の東京に送り込むが
ほどなくして彼女は消息を絶った。
死亡として処理された真理子の葬儀の席で、下川路は
彼女の娘・真弓と出会う。

事実を知った真弓は母を捜すため1990年の東京に
タイムトラベルするが、そこには2007年の感覚から
すると想像を絶するようなバブル文化に浮かれる人々
がいた…。

果たして真弓は17年前の下川路と協力してバブル
崩壊を阻止し、母と再会することができるのだろうか?

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・・この映画も、相方がTSUTAYAでレンタル
してきたものを一緒に観劇することになったもの。
なんせフジテレビとホイチョイプロダクションが
組んでいる映画となれば
「彼女が水着に着替えたら」とか
「私をスキーに連れてって」など
「レインボーブリッジ」すら封鎖しかねない。
ああ、そのテの映画ね?とPON的には
速攻スルーしまう傾向にあるものばかり。

期せずして観たら、当たりだったというタイプ。
であるが、見る世代を選ぶ映画でもある。
日本人で30代〜40代
(90年代狂乱文化を知っている人のみ)が、
なんの準備もなくいきなり見ると笑えるし
奇妙な爽快感が待っている。
当時、よほどの世捨て人だった方でもない限りね。

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「そんなバカな」とツッコミながらも「素直に」
笑い飛ばそう。それが正しい鑑賞法。BTF同様。

こういったタイムトラベルモノには、
あの時点に戻ってやりなおすことができたらと願う
いつまでも過去を悔む人物が出てくるが、
この映画では「日本国家」そのものそれにあたる。

まず、書いておきたいのは「広末涼子」さんを見直したこと!
ヒロスエ演じる主人公は、ある意味日本経済のツケを
無意識に払わされている、キャバクラ嬢のフリーター。
ヒロスエのはじけた「コメディエンヌ」ぶりには
「惚れた」と言っていい。
子持ちでありながらあの「スク水着」は反則である。

しかも胸には「MOF」の文字が!細かすぎ。
(Ministry of Finance・・大蔵省)
MOFの文字は「ノーパンしゃぶしゃぶ」接待で
有名になったMOF(もふ)担でおなじみ。

そして我らが「阿部ちゃん」こと阿部寛氏。
彼の演じる「下川路(しもかわじ)」が
非常にいい味出している。東大卒の知力に加え、
戦闘力まで完備しているのはどうかと思うけど。

(ヒ)「そうだ、昔の下川路に会えばいいんだ!」
(下)「だめだ・・」
(ヒ)「なんで?もう下川路は大蔵省にいるんでしょ?
    だったら・・」
(下)「過去の俺は・・・キケンだッ」

突然、目の前に現れた「ヒロスエ」。
当初は若干おかしなことを言うけど
ナンパの対象くらいにしか見ていなかった
下川路だったが、だんだんヒロスエの
話すことを信じはじめる。

下川路の「未来の公定歩合は?」との質問に
(ヒ)「知らない。だけど私の時代の下川路は
    ひどい社会だと言ってた」
(下)「未来の日本は、国民にとって幸せな国
    ではないんだな?」
(ヒ)「うん。あたしの時代の下川路は・・そう言ってた」

公定歩合」が何であるかもわからないフリーターを
日本経済を変えるためのエージェントにしてしまうのも
どうかと思うが、めちゃめちゃでも一応理屈は押し通して
いるのでオッケー。

物語と共に「あること」も明らかになるが
阿部ちゃんのヒロスエに対する豹変ぶりもまたいい。
(下)「真弓!君は貞操がなさすぎるぞ!」

当時の彼らはバブルで浮かれてはいるが
そのメンタリティはオヤジそのもの。
今の若者(2000年代の)よりも、実は
はるかに昔の日本人に近かったこともわかる。

バブル世代代表として「森口博子」さんがいい。
特に、バブル時代で酸い甘いを味わいつくした上で
現代での銀座のママさんぶり。それはそのまま彼女の
芸能界での道筋をなぞっているような気もしなくもない。
「飯島直子」さん「飯島愛」さんもお約束ながらグッド。
とくに「飯島愛」さんなんか、演技してないからね。
そこの存在しているだけし。
バブル青田がいないけど、まあ彼女がバブルネタで
弾けたのは、ずっと後からの話だから、絡めにくいか。

しかし、おおいに笑った後にどことなくうすら寒く感じる。
ストレートに面白かった、で終わっていいのか?と。
ふと思うのは、主人公たちの行動動機である、
日本経済が800兆円の借金を抱え破綻の危機に
瀕している・・という設定が「現実世界」において
ほぼ事実であるということだ。しかも1日当たり
900億円の利子がかさみつづけて。

「おもしろうて やがて恐ろし この映画」

日本経済復活の会



監督 馬場康夫 製作:亀山千広
原作:ホイチョイ・プロダクションズ
脚本:君塚良一
制作:フジテレビ、東宝、小学館、関西テレビ、電通
特別協賛:HITACHI 配給:東宝 製作国 日本
2007年2月10日公開

出演者
下川路功:阿部寛
田中真弓:広末涼子

小木茂光、森口博子、伊武雅刀 薬師丸ひろ子、
劇団ひとり、飯島愛、飯島直子、
八木亜希子、ラモス瑠偉、露木茂、松山香織、
鷲尾いさ子、今井美樹、小野ヤスシ

女性からパンチを受けたら
ニヤリ笑って「キクねぇ〜」と余裕ぶろう!

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posted by PON at 21:00| ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 映画(ハ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする