天下大乱篇
驚天動地篇
鷹見一幸作 角川文庫
北斗氏から借りた「ラノベ」第五弾。
B巻、C巻はまとめて記事にします。
<あらすぢ>
潤沢な資金を誇るはずであった、アウトニア残党
だったが帝国に資産を没収されてピンチに。
金ない、武器ない、志と士気だけはある主人公陣営。
ついに帝国の正規軍である第三軍宇宙艦隊の
攻撃が始まった・・。
だいぶ、文体がこなれてきて読みやすくなってきた。
ひょっとしてこの作者は「銀河英雄伝説」とか
「星界の紋章」とかがホントにも―大好きで、
宇宙艦隊戦こそを一番書きたかったのではあるまいか。
逆にいえば、キャラの描写ってのは本当に
難しいんだなあ・・とシロウトの自分でもそう思う。
B巻はC巻の戦闘開始のための準備期間であり
帝国、アウトニア残党それぞれの人の思いが
つづられている。これぞスペースオペラってのは
やっぱり艦隊戦なので、待ってました!
いったところ。
主人公マイドのお手並み拝見って感じです。
その点読者はいいねえ。無責任に高みの見物が
できるから。
B巻9章にて、帝国の陰謀により、ある重大な事件が
発生する。ある人物が戦争を止めようと、要するに
テロを起こすわけだが、その犯人は「アウトニア」
大学の学生で、純粋な「アウトニア」国民である点。
そして逮捕されるや、
「私は平和こそが正しいと信じる・・・正義の戦争より
不正義な平和の方がマシだ」
と堂々と公言、自己の正義をまったく疑わず
自分の行為が、帝国の片棒担ぎだとまったく
認識していない点がどうにも居たたまれない。
これは小説だから、犯人が明らかにトンチンカン
野郎だと、さすがの自分にもわかるが、実生活での
事件だったりしたら、ひょっとしたらこの犯人の
行動にも一理あるんじゃないか?とか考えてしまいそうな
自分もいる。
面白いところとしては
Cの第七章に、アウトニア残党軍に堅物の艦長(U)と
(「くれない信田」だかーかーらー違うよIME!
「紅の豚」だって)
「紅の豚」の女メカニック、フィオみたいな
女の子(ティー)がでてきて秘密兵器を
運用するとこ。
・・ちなみに、フィオを見ると
毎度「フィレオフィッシュ」が食べたくなるのは、
おそらく自分だけだと思うので
これ以上は言及しないでおく。
彼らが操る一撃必殺の兵器、超戦艦「ギガント」。
その正体はカネ余りの帝国が、予算消化と状況の
泥縄でつくったけれど運用しないで廃棄したゴミ船。
要塞攻略用主砲一門を作りかけのまま廃棄された
スクラップ艦だった。
要するに、ガンダムで言うところの
「ソーラ・レイ」みたいなもんかな。
ギガントが合わせた照準線が
「GER・DRB」と呼称されるんで
元ネタはもう間違いのないところだろう。
今回のアウトニア軍は、「戦いは数だよ、アニキ」って
ことで、宇宙中のスクラップが集まってくる、
パーツセンターのようなゴミ山の星へおもむき、
スクラップ軍船をリサイクル、数合わせをします。
まじめにリサイクルしたら金が足らんから、
元はゴミなんで、大抵の船は一発撃てば壊れてしまう
程度のシロモノ。その代り、後先考えない、全力の一発
だけ撃てるような船とした。
使い捨ての宇宙戦艦ヤマトですな。
船達のコードネームは「撃てルンです」。
これまたガンダムで言うところの、ボールに近い。
MSや戦闘機ならいざ知らず、仮にも宇宙船の
使い捨て集団ってのは初耳だ。
もっともボールのほうがマシかもしれない。
一応、撃っても壊れないと思う。あっちは。
10倍の敵を相手に「負けなかった」アウトニア軍。
その実績は、宇宙を動かすことになる。
ここに至り、キャラクターも出そろって来まして
だいぶ面白くなってまいりましたよ。
「アウトニア王国再興録」シリーズとしては
あと一巻、D巻で終了らしい。
・・ケルプワイン艦隊名物、エース集団
「かしまし娘カルテット」が、宇宙を駆けるときの愛機。
これは宇宙戦闘機に手と足のようなものをついていて、
UMBACで高機動を誇る戦闘機ってことらしいのだが。
それって、宇宙戦闘艇が主力の世界に
4人だけ「モビルスーツ」乗っているってことかしら?
カルテット娘には、あまり個々人の背景描写に
注力しないでほしい。これまで通り背景で
キャーキャー言っているだけでいいです。
そういう個人的背景が出て来始めると、Vガンダムに
おける「シュラク隊」のように成りかねないからね。
これは独り言でした。
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