(第三部)でたまか」鷹見一幸作 角川書店
当ブログの上得意様でいらっさいます
北斗氏が貸与してくれた「ラノベ」
(ライトノベル)「でたまか」シリーズで
あります。
その第三部、
「アウトニア王国人類戦記録 でたまか」を
ようやくご紹介できます。もうとっくに読んで
いたんですが、なかなか記事が追い付かず、
こんなに遅くなってしまいました。
「データは明らかだ…。絶対に人類は
ザナックスに勝てない。全滅する―!」
改めて、簡単にご紹介しておきますか。
辺境の小国、アウトニア王国をめぐる物語。
でたまかシリーズは一応、三部作でして
「アウトニア王国奮戦記(第一部)」
・・主人公が所属する巨大な帝国、それに
匹敵する宗教国家が対峙する人類世界。
両者はまだ全面戦争には至らず、国境で
小競り合いを繰り返す。主人公マイドは
帝国軍士官学校卒の聡明だが木訥な青年。
士官学校時代の同期である貴族のボンボンの
嫌がらせで赴任したアウトニア王国で奮戦する
物語。
「アウトニア王国再興録(第二部)」
・・名前のとおり、一時は帝国の横暴に潰された
アウトニア王国をマイドとその仲間たちが
復興させるまでの物語(紹介済み )
そして今回
「アウトニア王国人類戦記録(第三部)」
黄昏落日篇、霜降暗夜篇、漆黒無明篇
群青黎明篇、長嶺来光篇から成ります。
・・人類社会での騒動がようやく一息ついたころ
これまで探査が及ばずにいた、暗黒宇宙より
異種生命体ザナックスが襲来する。ここにおいて
題名の通り、アウトニアはもとより人類全体の
物語となる。
異種生命体ザナックスとは
トップをねらえ!の宇宙怪獣と
スターシップトルゥーパーズのバグズと
宇宙戦争(トムクルーズ版)の宇宙人
これらを全部合わせたような侵略者。
まったく、人類と意思の疎通が図れない。
彼らは唯、生きるために繁殖を目的とし、
そのために「地球型惑星」を一族のエサとする
のみで行動する。
小説中にも書いてあるが、彼らにとって
人類とは、畑仕事中に出くわした「みみず」
程度の存在であり、たとえば畑を開墾する際に
みみずにいちいち挨拶する農民がいるか?という
コトである。殺るか、殺られるかでしない。
また、人類が敵と戦うには、当然宇宙船を作って、
訓練して、兵隊を育てて、といったプロセスが必要だが
彼らは有機的な宇宙船そのものを「生み出す」ことが
出来る。生産性は圧倒的に人類に不利。
こんな中、マイドをはじめとする人類陣営は
どうやって戦うか?というのが最大の見せ場。
最終決戦の途中までは結構盛り上がる。
が、敵の巣(要塞)へ特攻をかけるにあたり
仲間が強制的に主人公を退艦させるのはどうだろう??
ここで泣けとでも言うのだろうか。
しかもその後日談なんかアウトランダーズみたいだ。
全編を通しての総括としてはそこそこ面白かった。
しかし二度読みたいかというと限りなくNoに近い。
なんかこの合間にも「エピソード集」として
「拾遺録」シリーズがあるようだが、
この作者は、たくさん出した「登場人物」設定を
残念ながら活かしきれていないし、読んでる自分も
思い入れが足りないため、キャラを再展開して
掘り起こされ、エピソード集で取り上げられた
としても・・正直「誰だそれは?」なのである。
やはり文章力は大事だ。設定だけ見ると、この話は
もう少し面白く成り得たのにねえ。残念至極。
借りておいてなんですが・・ごめんなさい。
>北斗様
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ラベル:アウトニア王国人類戦記録 でたまか