本日はクリスマスイブ。
仏教で言えば潅仏会(かんぶつえ)前日。
一応、悲恋?モノを紹介します。
マスライです。
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「さよならの代わりに」貫井徳郎
幻冬舎文庫。上司にもらった文庫です。
相変わらずノー前知識で読書スタート。
凶と出るか吉と出るか。
そもそも自分の読んでいるモノのジャンルすら
判らないままの読書なんで、物語のオチが
宇宙人モノや、たとえ怪獣に殺されて終わろうとも
驚きません。そんなときは上司の本の好みに
改めてビックリするかもしれませんが。
「自分を情けなく思うようなことは
普通の人にとってどれくらいあるものなのだろうか。
ぼくはけっこうある。(中略)「駄目だなぁ」と
声に出したくなるほどだ。(中略)でも、図太いなと
自分でも感じるのは、決して自己嫌悪に
陥らない点だ―」
<あらすぢ>
劇団“うさぎの眼”の看板女優が、上演中に控え室で
殺害された。事件と前後して現れた、真犯人の存在を
ほのめかす謎の美少女。駆け出しの僕は、彼女と共に
事件の真相を追い始める。彼女に振り回され、時折
見せる曖昧な言動に戸惑いながらも、僕は、その不思議
な魅力に次第に惹きつけられていく。
しかし、彼女は、誰にも言えない秘密を隠していた―。
内容(「BOOK」データベースより)
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良作。
うーーん。なんだろう。サラリーマン向けの
ライトノベルみたいなモンだろうか。
要はタイムトラベルジャンルなんですが。
主人公の憬れ人、いつもドライな智美さんが語ります。
「タイムトラベルもののSFを読んでいると、
とりあえず株や競馬で稼いで、その時代での
活動資金を得るという場面がよく出てくるのよ。
でもあたしはいつも思っていたの(中略)
そんな風に都合よく結果を憶えているものかなって」
その辺は、主人公が一応の理屈を用意してくれています。
というか、作者は多数のタイムトラベルものに
接するうちに、このロジックを思いつき
それを小説にしたくって、一冊書き上げたようにも
見えます。
「彼の告白を自分は理解した。(中略)それはきっと
彼が本音を語っているからだろう。本当の裸の
感情だと、直感的に理解できるからであろう」
犯人がなんじゃそら?と思わなくもないけれど
まあ、犯人と追いつ追われつの、純粋なミステリー小説
ではないので、その辺はいいでしょう。別に。
あるプロダクションがあって、売り出したい女優なり
アイドルなりがいて、彼女を主役にできる
なにか手ごろな映画化素材はないかな?なんて
考えたら、この小説に飛びつきそうですね。
っつーか、もう既に映画化されていそうだ。
未調査だけど。
この小説程度のSF度であれば、TVドラマ化も可能。
未来を再現するのにそれほど金はかからなそうだし。
「時をかける少女」が好きな方であればどうぞ。
(そういえば、先日地上波で「時をかける少女」の
リメイクアニメ版がやっていたけれど、話は
ともかく、絵はキレイでした。前作の主人公が
タイムスリップ体験を忘れられないのか、ハイミスで
出演しているのが良かった)
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以下、ネタバレ