2009年08月14日

「その日のまえに」重松清

「その日のまえに」 重松清、文春文庫収蔵。

上司よりもらった本。重松氏の作品では以前に
「流星ワゴン」を読みましたけども、
平凡な人間達が、それぞれの淡々とした日常の
積み重ねの中で、未来を思う余裕もなく、
過去を振り返るヒマもないまま、今日を生きてゆく。

そんな「永遠」の中、不意に「生と死」に直面した
とき、ヒトは何を考え、どう思うか?そんな小説。
古今東西、数多の宗教ではウンザリするほど
論じられていることなんですけど、答えは
未だ出ていないようです。オフィシャルとしては。

「昨日まで、いた
 今日からは、もういない。」


「われら、死への道のり半ばに―」

あらすぢ
出版社 / 著者からの内容紹介
僕たちは「その日」に向かって生きてきた
男女が出会い、夫婦になり、家族をつくって、
幸せな一生なのか。消えゆく命の前で、妻を静かに
見送る父と子。感動の重松ワールド

内容(「BOOK」データベースより)
昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。
それを不意に断ち切る、愛するひとの死―。
生と死と、幸せの意味を見つめる最新連作短編集。

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映画化、ドラマ化はしやすい。あざとい、といえば
あざといお涙モノではあるが、心静かに、読書したい
時にはオススメかもしれない。

この小説を読んでまず最初に思い出したのは
昔、なんかで見たTVドラマ。食堂を営む仲良し夫婦の
おかみさんが交通事故死?だか、とにかく突然死亡して
しまった。旦那役はたしか、武田鉄矢氏だったと思う。

ホワイトボードには、「キャベツ何個とか、
○○屋へ注文TEL」
といった、妻の字が残っていることに気がついた
鉄矢オヤジは、妻の生活の残りにすがり、泣きじゃくった
まま、いつまでも現実を見ない父親の姿に、ひとり息子は、
そのボードの文字を消してしまうのだ。

「おまえはなんて事をしてくれたんだッ!!」
と金八ばりに怒髪天になる鉄矢オヤジにむかって

「こんなものいつまでも大事にしていたって
 お母さんは戻ってこないんだぞ!」
と息子は返し、オヤジはハッとする。

たしか、そんな感じ。ウチは実家が自営業だったんで
親父やお袋のメモがホワイトボードに書きなぐってある
のを見るにつけ、なるほど、彼らが死んだらこれが
遺言になるのか?と縁起でもない感心をした覚えが
あります。

まあ、いいです。

「先生は「ヒステリア・シベリアナ」って言葉
 知ってますか?なんかあいつが若い頃に読んだ
 小説に出てたって」


村上春樹の「国境の南、太陽の西」に出てきた
「ヒステリア・シベリアナ」という言葉が、この作品
にも出てきました。おそらくは村上作品の方が、先に
世に出ているのでしょうが。
なんか、こんなリンクを発見すると嬉しいですね。



一見、短編集ですが、すべては、最後にむかって
集約してゆきます。そのリンクを見つけるのも
またこの小説の楽しみ方。安心して読み進めて下さい。



号泣というほどでないにしろ、読後には、今の自分の
当たり前の生活を改めて大事にしてみよう、と思う
かも知れませんよ、一日くらい。

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posted by PON at 21:00| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(他) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする