2009年10月22日

アジア・アフリカ対策

「アジア・アフリカ対策」

目をよくしばたたせる知事が
「150億もかけてたのにオリンピック誘致に
 失敗したのは、東京がまずかったのではなく
 ブラジルが、かなり思い切ったことを
 アフリカ諸国に約束したからだ・・云々」
と発言した。
ワザワザいわなくてもいいのにな。
あの人も。まったく。

軍事力や経済力が、先進国に及ばなくても
国連やオリンピック開催地選挙のような時
アメリカもアフリカの小国も一票は一票。
これって、これから大きな意味を持ちそう。

ブラジルがした思い切った約束って
具体的には伝わってこないけれど
まあなんとなく想像はつく。
国家でも人間でも金には弱い。

日本がかくも親米国になったのには
やっぱり戦後のアメリカ文化の洗礼が
あったからだと思う。
パパは何でも知っていて、3C+庭付き
マイホームは当たり前。
ポパイ、ベティちゃん、スーパーマンが
活躍する夢の国にはネズミーランドがあり
頑張ればハンバーガーにコーラに
かぶりつくことができる。

自国文化を少しずつ流入させることで
その国に対する抵抗感を少しずつ排除する。

計算した上でかどうかはわからないが
(おそらく計算している)アメリカは
この手法で日本を親米にした。

かなり前にNHKの特集で見たのだが、
中国はこの20年ほど前から、貧しくって
放送インフラを持てないできた、大洋の
諸島国家をはじめ、アフリカ諸国などに
無償で放送ネットワークのインフラを次々と
設置している。
もともとレジャーなどほとんど無い国ばかり。
設置された国の人々は毎日毎日TVから
中国で作られた中国文化の番組を意識せずに
見続けることになる。

「憧れの国中華人民共和国」という気持ちは
途上国の子供たちの間で、既に共通認識になり
つつあるようだ。

途上国ではそんな環境で育った子供たち
(無論大人たちも)がどんどん成人している。
そしてこれからその国の重要人物になってゆく。
そんな育ち方をした彼らが中国に対して感謝こそ
すれ否定的な感情を持つはずがない。

しかも中国の報道は基本的に自由がない。
いくらでもコントロールされた中国産のニュースが
これまた途上国に流される。

今回、中国はオリンピック候補地に立候補
しなかったけど国家の多数決で何かを決定する際、
こういった積み重ねが、モロに出てくる。
アフリカ諸国からすれば
「こんな時だけ、ニッポンなるちょんまげ国家が
 ファーイーストからお願いにこられても・・」
となる。
怖いな〜。中国の世界戦略。

日本もNHK子会社の国際放送会社のような
ところが頑張ってはいるようだけれど、海外在住の
日本人向けに日本語放送を流したり、日系移民の
多い南米向けに紅白歌合戦をリアルタイムで
配信したりと、その程度。

そんな日本にもアドバンテージがなくはない。
ご存知の通り、中国のコンテンツを生み出す力、
クオリティー面では、まだまだ日本に及ばない。
コレばかりは、自分がスキだから作るものであって
国家(共産党)に命令されて作るモノではないからだ。

いわゆるジャパニメーション(←相変わらずハズい言葉)
世界のAKIBA文化である。

歌舞伎だって浮世絵だって世界にウケようとして
創めた訳じゃない。
文化(コンテンツ)って強制でもなく、評価されたい
からでもなく、スキだから作る、そうやって
生まれたモノだけが世界に評価される。

けどまあ、いくらドラえもんやクレヨンしんちゃんが
日本産だとアピールしたとしても、中国が日本から
正式に認可を経て放送されたとしても
中国産の放送システムを通して番組を観る
途上国の人々にはあんまり関係ないと思う。
一緒くたに、中国さいこー!になるんだろうな。

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posted by PON at 21:00| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 徒然 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする