2010年05月17日

「進撃の巨人」 諫山創

「進撃の巨人」

進撃の巨人(1) (少年マガジンKC)
諫山創(いさやまはじめ)著

久々のマン喫で見かけてしまった漫画。
まずお断りするならば、野球漫画ではありません。
文字通り、進撃する巨人の話ですよ。

無数に歯の生えた、人体模型の出来損ないのような
巨人のドアップが表紙。単行本のそんなグロさに
つい目を止めてしまったのが、出会いだった。

きょじんぐん.jpg

あらすぢ
巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した
人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに
侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を
越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが
始まってしまう。

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この世界の人類は、巨大な壁を築き、
外に出られなくなったのと引き換えに
襲われることもなくなり、50年ほどの
平和を享受してきた。

巨人は素っ裸で、股間に生殖器がない。
言葉も話さず、知能はほとんどなく
道具を作ってなんとか壁を壊そうとしたり、
協力して人類を捕獲しようとかいった、
組織的な行動力はゼロ。
また、人間以外に関心はない様子で
人類以外の動物がいても振り向きもしない。

エサとして人類が大好きなようだが
エサがなくても生きてはゆけるようである
(少なくとも壁の内側の人類は
 エサになることなく、50年以上
 無事だったわけだから)

対する人類側も、近世ヨーロッパ程度の
文化レベルなので大砲はあるがミサイルや
ヒコーキの類はない。
そんな連中が、過去に巨人の襲撃が続く中で
いったいどうやって壁を築き上げたのか?とか
そもそも本当に生き残りの人類は外にいないのか?とか
っつーか「巨人」ってなんなのよ?
裸のモビルスーツみたいじゃん、勝てっこないじゃん!
とか、興味の種は尽きない。

時々戦闘の精鋭(プロ)を集めた外部遠征隊を組織、
壁の向こう側を探検しに行くが、きまって何も見つけられず
少数の生き残りが絶望とともに戻ってくるだけ。

何いっても、キルレシオは「巨人1に対し人類20人」
(コミック中の会話より)とのことなんで
人類が森などを利用して、立体的、組織的に
近接戦闘を仕掛けたとしても、巨人1頭を倒すのに
人類の犠牲が20人必要ってんだから。
まったくこまったモンだ。
自ずと、人類は壁の中だけでぬくぬくと生きる道を
選択するようになった。

コミックは、その巨大な壁をケリ壊す!
これまでの巨人を上回る大きさの
超巨人がいきなり出現するところから始まるのだ。

ビジュアルだが、名作漫画「寄生獣」のような・・
硬質な線。表紙は何度も描きなおしたんだろうから
まあ見られるんだけど、中の漫画は・・
うわなにこの下手くそな絵」と思った。
新人漫画家だとしてもお世辞にも上手いとは言えない。

特に、最初の見せ場である
超巨人が壁をケリ壊すシーン。
巨人の足が・・足がね、
足の裏なのか甲なのか、それもわかんないくらい。
細かいようだけど。

漫画家になる前「人体のデッサン」を全然
してこなかったんだなあって、よく判ります

下手だけど、オリジナルの世界観を作り上げてしまった
発想の勝利。
世界観の謎が解けてゆくにつれて面白くなくなりそうな
心配もあるが、ストーリーテラーとしての今後に期待。

紹介しているブログ1
 ↓
http://d.hatena.ne.jp/toldo13/20100204/p1

紹介しているブログ2
 ↓
http://blog.livedoor.jp/czg94d73hkvs/archives/51531565.html

巨人用の防壁に引きこもったままの人類とは
鎖国してたかつての日本や、現代日本の「引きこもり」
の精神世界とか、ひょっとして海外に対して
あまりアクティブでなくなってきた今の日本社会を
投影したりとか、色々と解釈はできるわけで
世界観に作者のメッセージ性も出てきそう。



ただ、個人的な暴言を吐くけど、作者のメッセージ
とかは「どうでもいい」ので、冒頭にずらずら書いたような
不条理な世界観に対する「答え」を随時用意してほしい。
しょせん、コミックはエンターテイメントなんで。

「さあ来い巨人!希望こそが人類の武器だ!」
 〜○○先生の次回作にご期待ください!〜

とかだけはホントにカンベンな。

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posted by PON at 21:00| ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする