「ホリエカニコ」
堀江蟹子さんと書く様子。蟹子って名前も
珍しいが、ペンネームなのかもしれない。
もともと同人誌フィールドで活躍する作家。
「よくワカランけど大戦中の軍人の制服
(主にドイツ)ってカッコイイ!」と独自に
あの時代を調べ始めたものであるらしい。
ご本人のサークル
漫画本編はコミカルタッチなんで、実際の彼らが
持つ生々しさは若干薄れているものの、
表紙の決め絵はいかにも同人誌です(山本長官を除く)
<あらすぢ・・っつーか内容>
月刊アームズマガジンの人気連載コラム
(著:ホリエカニコ)がご好評にお応えして、
単行本化が決定いたしました。第二次世界大戦時の
著名人の知られざるエピソードがコミカルに、
時にシニカルに描かれており、歴史の本としても
非常に楽しめる内容となっております。
また、作品の持ち味を生かすためにコミックは
すべてフルカラーにて収録、連載時に掲載
しきれなかった追加エピソードも収録しています。
他にも、より深くコミックを楽しむために
歴史上の事件・事変等を紹介したコラム等、
読み物としても充実の内容でお贈りします。
また、より読みやすく、より楽しめる点を反映し、
B5変形(257ミリ×257ミリ)の大サイズの版型での
刊行となります。ミリタリーや歴史だけでなく、
人間模様を堪能できる1冊の登場です。
ご期待ください!
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【ドイツ軍編】
・ナチスが人類史上でも類を見ない外道だったことは
まあ否定しようがないけれども、このマンガでは
あまりその辺は深刻に捉えず、彼らも(かつては)
人間、その事蹟と落差を楽しんだ方が楽しめる。
アドルフ・ヒトラー
・ヒトラーが頭痛でめちゃくちゃ機嫌が悪い時期が
続き、側近が心配して調べたら重度の虫歯が判明。
虫歯を抜きたがらないヒトラー総統を説得すべく
副総統、将軍、総参謀長までが集合したつーから
まあ、要するにコドモですなあ。
ルドルフ・ヘス
・「無闇に濃い顔」というフレーズが笑える。
ヒトラー初期のオキニ。秀吉における秀次みたいな
もんかな。
ゲッペルス
・「プロパガンダ」(広報戦術)を芸術にまで
高めてしまったオトコ。なんのかんの言っても
ヒトラーに殉死したのはこの人だけ。
シュペーア
・建築家、後に軍需大臣。いい人、基本は軍人でなく
一般人。であるだけにヒトラーに気に入られた人。
ヘルマン・ゲーリング
・元お空の英雄、後年タダのデブ。空軍トップなのに
歩兵師団を作ってしまった人。陸軍なのに空母と
潜水艦を造ってしまった日本もヒトの事いえない。
ラインハルト・ハイドリヒ
・冷酷さで内外から恐れられ600万の
ユダヤ人虐殺を実行した人。マンガではコドモの
落書きのような顔で表現される。有能だったかも
知れないが、ナチの非道を顔色変えることなく
遂行できたという点では、まるで「自己」ってもの
がない、ほんと落書きのよう男だったのかもしれない。
SS再雇用時のセリフ「がんばるぞう」がお気に入り。
・後に暗殺される。ヒトラーは気に入っていたらしく
犯人がかくまわれたという「噂」がたっただけの
チェコの小村が、ナチに村ごと消去された。
文字通り跡形もなく。
クラウス・シェンク・フォン・シュタウフェンベルグ
・ヒトラー暗殺に命を燃やした軍人。最後は逮捕
されて絞首刑。
フリードリッヒ・パウルス
・スターリングラードに包囲され、ソ連軍の捕虜になった
第六軍司令官。作者のお気に入りらしく。
その転落ぶりは読んでいて寂しくなる。
ロンメル将軍
・砂漠の狐。政治そっちのけの戦バカという感。
ある意味「義経」ライク。
まだまだ他にもドイツ軍人は収録されています。
【旧日本軍編】
・わが国、旧日本軍でやす。
山本五十六
・連合艦隊司令長官。有能か無能か
評価が未だ分かれる軍人ですが、
愛すべき男であったことは間違いなかったよう。
南雲忠一
・ご存知、栄光の南雲機動部隊司令官にして
その機動部隊を消滅させてしまった人。
問題の「ミッドウエー海戦」にては、迫りくる
魚雷8本を、自らの操舵で全弾回避した程の
操舵力をもつ。けっきょく、生粋の戦闘屋で
あって司令官ではなかった。
森下信衛
・戦艦大和四代目艦長。レイテ海戦(同形艦武蔵
は沈没)にて、くわえタバコで大和を繰艦。
これまた全攻撃を回避した男。自分の乗った
フネは沈まないとうそぶく。
山口多聞
・惨敗のミッドウエーで一矢だけ報いた闘将。愛妻家。
戦艦大和で食べたメシは「うまいが盛が足りん!」と
自らが乗るフネで出す飯の盛り付け量は海軍イチを
誇ったらしい。コドモかw
大和ミュージアムで妻に向けた手紙と飛龍で掲げた
少将旗を見た。
栗林忠道
・硫黄島の司令官。中のヒトは今やハリウッド俳優
「渡辺謙」。それまで玉砕戦法(諦めが良いともいう)
だった日本軍の戦いを「ゲリラ戦」に変えてしまった
とんでもない男。絵手紙の天才。
バロン西
・馬術オリンピックメダリスト。硫黄島唯一の戦車部隊
隊長として戦う。愛馬のたてがみと共に。
その他、「2.26事件」要員
栗原安秀、中橋基明・・
このほかにも関連映画レビューまで掲載の親切編集。
「ヒトラー最後の12日間」・・また観たくなった。
「東京裁判」・・全4時間らしい。連合軍もすごいが
さすがの彼らもあきれたというロシア人の厚顔無恥ぶりが素敵。
「ワルキューレ」・・ヒトラー暗殺事件を追う映画。
歴史的な事実のあらましをテーマごとにまとめたコラム
「ナチ党の政権獲得」「ヒトラー暗殺」
「独ソ戦」「2.26事件」「戦艦大和」「沖縄戦」
コラムは文字ばっかりで、史実であるため
笑えるところは皆無だが、カウンターウェイトとして
必要だろうね。こういう本には。
コンシューマーゲームのAD大戦略オープニングで
「この悲劇が繰り返されないことを願って」
と一文入るのと同義である。
目くじらたてるアホゥは必ず存在するから。
いや、良いものを読ませていただきました。
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