2010年10月31日

バカな漫画

「バカな漫画」

「ストリートアート」とかいって
要するに街中の「スプレー落書」きを
主題にした漫画があったが
「月刊なんとか」とかでの連載で
しかもかなり短期間で打ち切られてた。
そりゃそうだろ。

新人漫画家に仕事を与えるにしても
もう少し考えろよ。編集者も。

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2010年10月30日

バカ大学生

「バカ大学生」

「「試験で「私の友達」をテーマに英作文を
 書かせたら「I Love You」とだけ書いてきた、
 まったく英語のできない学生がいた。他の能力が
 すぐれていたので英作文に目をつぶって採用したが
 その情報がネットで伝わったらしく、翌年から
 英文筆記に「I Love You」とだけ書く学生が急増」

「自己PRで「特技は逆立ちです!」と言って
 面接中ずっと逆立ちで受け答えをしていた
 学生がいた」

「面接後、男子学生が面接官の一人だった
 女性社員に近づき、熱心に話し込んでいた。
「熱心な学生だな」と思ってたら、口説いている
 だけだった」

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ネタだろ?ネタなんだろ?
そう言いたいが、一概に言い切れないみたい。

全部とは言わない。言わないけれど
就職できないと嘆く方の中には
確かに理由があるね、と言われてしまう人が
存在するのもまた確かだ。
これは「新卒、中途」問わずね。

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2010年10月29日

ゆるーい記事

「ゆるーい記事」

んでふるーい記事です。
腐っていたんで出撃。

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「タイヤねじ緩めナンパ?
 “お助けヒーロー”狙うも31歳運転手逮捕」
2008.4.14 13:38

 東名高速道路のタイヤ脱落事故が問題になる中
女性をナンパする目的で車輪のナットを緩めて
脱輪させたとして、トラック運転手が13日、
岐阜県警に器物損壊容疑で逮捕された。
「ヒーローになりたかった」と供述している。

 男は岐阜県可児市久々利の○○容疑者(31)
可児署の調べでは、2月2日未明、同市下恵土の
ファミリーレストラン駐車場に止めてあった
女性派遣社員(19)の乗用車左後輪のナット
4本を緩め、約500メートル走行後にタイヤが
外れ、女性の車に傷(修理代金9万6480円相当)
を付けた疑い。女性は助手席に同い年の女子
短大生を乗せていた。2人にけがはなかった。

 2人が立ち往生したところで、さっそうと
参上したのが○○容疑者。愛車のシボレーで尾行
していたのだ。降りて駆け寄り
「(タイヤを)取り付けてやる」と男らしく
申し出て素早く修理。
そして「直してやったんやで体で払え」と迫った。

 女性らはビックリして男友達に電話でSOS。
男友達が来た途端、○○容疑者が車で逃走したため、
同署に被害を届けて車種を伝えた。同署では
昨年6月から10代後半〜40代前半の女性の
同様の被害十数件を確認しており、これらの
情報から容疑者を割り出した。

 ○○容疑者は両親と妻の4人暮らし。13日に
自宅で家族の前で任意同行された。中肉中背で、
イケメンかどうかについては「いやー」と
捜査関係者は言葉を濁す。余罪とみられる十数件
では肉体を求めずナンパや食事を誘う程度。
調べに「女の子の気を引きたかった」と
供述しているが
「一緒に食事をしたのは1人だけ」(同署)
だった。

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どこの新聞記事だったかは忘れてしまったけど、
新聞記者さんの張り切った姿が浮かぶよう。
特に・・
「2人が立ち往生したところで、さっそう
 参上したのが若尾容疑者。愛車のシボレーで・・」
あたりから、なんか新聞記事というよりは
講壇でも聞いているようなノリノリ文体なのがマル。

「さっそうと参上」「男らしく」とか
「素早く」とか・・別に記事に書く
必要まるでないじゃん。面白いからいいけれど。

それにしてもこの犯人。逮捕から2年も経て
こんなネットの片隅で話が再燃するとは
よもや思うまい。
記事だけで判断する限りでは、それほど悪人にも
思えないので、取りあえず実名は伏せておきます。

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いよいよパトレイバーの時代が?
ラベル:パトレイバー
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2010年10月26日

「神の獣」 巴 啓祐

「神の獣」巴 啓祐

「神の獣」(かみのけもの)
講談社 アフタヌーンKCデラックス

この間、お部屋の掃除をしていたら
再発見しました。
世界の「AKIRA=大友」ライクの
絵柄ですが、中身は完全に怪獣まんがです。
SFとかバケモノが主題のマンガは
まあ無くはないけれど、巨大怪獣を
正面から取り上げたマンガって意外に少ない。
需要がないのかな。やっぱ。

kaminokemono.jpg

あらすぢ
東京湾に出現した新島から古代人が発掘
される。時を同じくして地底から退廃する
地球を掃除すべく巨大怪獣(OGRE=オーガと
名付けられる)が出現する、
ガメラとゴジラを足したようなデザインだが
古代人は一度はオーガを倒したことがあり
その記憶を元に現世人類はオーガを
ブラックホールに封じ込める策に出る・・

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結構な「どんでん返し」が待っているんで
ネタバレはしないでおきますね。

もし、某三色古本屋にて100円なんかで
売ってたら、その手(どの手?)の方でしたら
即買いをオススメします。

とにかくオーガの破壊シーンがすさまじい。
神は人類に悪意しかもっていないんだなって
納得してしまいそうな破壊活動。
ゴジラの比ではありません。
お約束の東京を完膚なきまで破壊します。

けど我らが人類側もやられっぱなしでは面白くない。
テクノロジーによって大怪獣オーガを解析。
オーガといえど、一応、物理法則の通用する
この世の存在であることをつかむ。
(地球を構成する岩石、マントルとかコアとか
 そんなヤツと構成比がソックリであるらしい。
 この辺に、オーガとは地球がホンキで怒って
 人類粛清のために使わした存在なのではないか?
 なんて空気が漂う)

とにかく理屈はさっぱりわからんけど、この世の
ものである以上、化学変化で何とかできるハズ・・
そう判断した、科学者+軍人連合軍(主力在日米軍)は
米軍最新鋭のヒコーキでかいじゅーの弱点攻撃に出るが・・。



とにかくドトーのラストがスゴイ。
8時だよ全員集合の前半コントが終了した際
ステージ変換で流れる曲、と共に
破壊が展開する。
(あくまでPONの脳内イメージですが)

幻魔大戦の幻魔一族なんか、あの破壊に比べると
ぜんぜん仕事していないと言われてしまうね。
それくらい破壊活動防止法の執行が待たれる。

それにしても地球よ、後出しジャンケンだろ。
それは。

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それでもラストが知りたい方は・・
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2010年10月25日

「セルラー」(小説版)

「セルラー」

セルラー (文庫) メディアファクトリー
Larry Cohen (原著) Chris Morgan (原著)
真田 おいる (翻訳)

電車の中で拾いました。
読んでみました。
すぐ読み終わりましたが・・

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
高校の科学教師ジェシカは突然、自宅に侵入した
見知らぬ男たちに拉致される。監禁された部屋には
粉々になった電話が一台。電話線を復旧させ、
やっと繋がった相手は全く知らない若者ライアン
だった。ジェシカと家族に命の危険が刻々と迫る…
果たして誘拐犯の正体は?そして彼らの真の狙いは。

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びっくり。読後感ゼロ。感想もなし。
ハリウッド製アクション映画のシナリオを
小説仕立てにしただけなんで。
まあ、メディアファクトリーの文庫なんて
そんなモンだし、拾いモンだしね。

そしてこれまたびっくり。
教師ジェシカを演じるキム・ベイシンガー様が
御年57歳
だよ。

なんか、映画の方はそれなりに楽しめるみたい。

【映画版「セルラー」】
出演:
キム・ベイシンガー
クリス・エバンス
ジェイソン・ステイサム
ウィリアム・H・メイシー

監督: デヴィッド・エリス
時間: 95 分

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みんなを電話にする会社
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2010年10月24日

「閉鎖病棟」帚木蓬生

「閉鎖病棟」帚木 蓬生

帚木 蓬生(ははきぎ ほうせい) 新潮文庫

なんか、題名からして、富士Q系のああいった
ホラー系、もしくはサイコ系とか、そんなあたりを
想像してしまったんだけれど。

ここでは本来の語義「閉鎖病棟」における物語。
決してお仕着せのお涙ちょうだいモノではなく
作者のあたたかな視線を通し、社会は
「精神患者」と、ひとくくりにして隔離して
終わってしまいがちだけれど、彼らにも彼らの
生活があり、決して許されることのない過去が
あるにしても、それぞれに理由があるのだという
あたりまえの描写が伝わってくる。

こういうの読んでしまうと、機知外による
機知外な事件が起こるたび、危険人物は
みな病院に閉じ込めておけばいい!という
暴論におもわず頷いてしまいがちな
・・そんな常日頃の自分に
自信が持てなくなってしまいます。
 
<あらすぢ>
九州地方のとある精神病棟。患者たちは、それぞれに
退院できない理由を抱えながらも、互いに助け合い、
日々の瑣末な出来事に希望を見出しながら、明るく
暮らそうとしていた。しかし、皆で回復をあたたかく
見守ってきた通院患者の女学生に起きたある事件が、
やがては殺人に発展してしまう。殺人を犯した者、
それを知っていた者、彼らが守ろうとしたものは
何だったのだろうか。

************************

【入院患者仲間にもそれぞれ過去があり・・】
「患者はもう、どんな人間にもなれない・・
 かつてはみんなは何かであったのだ。 
 それが病院に入れられたとたん、患者と言う
 別次元の人間になってしまう。
 そこではもう以前の職業も人柄も好みも、
 一切合財が問われない。骸骨と同じだ・・」

「どげな親でも子を思う気持ちは強か
 ばってん、子が親を思う気持ちは
 天から地までの段階があるけね・・」

【病院の主ともいえる秀丸さんはつぶやく】 
「刑務所の暮らしは、来る日も来る日も
 自分のしたことを考えないわけにはいかないように
 できとる。けどここ(病院)は違う。ここの
 暮らしは楽しいけんね。ある日どっとツケが来るんよ」

【主人公に届く手紙】
「病院は天国ではありません。チュウさん、病院は
 ついの棲家ではありません。いつかは自分の力で
 飛び立たなければならないのです」

それにしても秀丸さん・・カッコいいです。



日本が敗戦しようと、その前からもずっと人は
生活してきたわけで・・まさに総力戦であった
あの戦争は人々の生活に大小さまざまな影を
落としていたんだなぁ。

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2010年10月23日

「幽霊人命救助隊」高野和明

「幽霊人命救助隊」高野和明 著
(文春文庫)

救助成功!

作者である高野和明氏の作品では
以前に「グレイヴデッガー」なる小説を
読んだことがある。
ハードボイルド志向なのに
エンターテイメントなところがあり
(そんなバカな苦笑・・みたいに)
どっちつかずな小説だったと記憶している。
正直なところあんまり期待していなかったのだが・・

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
浪人生の高岡裕一は、奇妙な断崖の上で3人の
男女に出会った。老ヤクザ、気弱な中年男、
アンニュイな若い女。そこへ神が現れ、
天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を
救えと命令する。裕一たちは自殺した幽霊
だったのだ。地上に戻った彼らが繰り広げる
怒涛の救助作戦。傑作エンタテインメント、
遂に文庫化。

************************

いやあ、これは面白かった。
あらすぢにある通りエンターテイメント小説。
純文学が好きな方には向かないかもしれないが
そういった御仁は、むつかしい顔で
その手の小説を読んでいてください。

はじまりは、そんなバカな。

天国とも地獄とも思えない空間で
呆然とする彼らの前に神が降臨する。

「知恵と慈悲と狡猾さえたたえたその笑みは・・」

その登場の仕方があまりにトボけていて笑える。

神は、天国行きの条件に、自殺志願者100人の命を
救えと命令する。何故か?とかそういうギモンは・・

「神の言うことに間違いはないだろう。」
裕一は宗教にはつきものの教条主義に自らをおいた。

の一文であっさりと片付けられる。
そうだ。神が言うのだから仕方ない。

ひょんなことから「幽霊人命救助隊」を
結成することになった4名の幽霊。
・老ヤクザ
・気弱な中年男、
・アンニュイな若い女
・東大失敗受験生

それぞれが
戦前〜60年代(戦前生まれ)
戦後〜バブル前夜(団塊の世代)
新人類代表であり唯一女性の視点を持つ
そして現代の若者
といった各世代日本人代表であり
それぞれが持つ知恵と勇気と知識で
自殺志願者の救命に奔走、
現代ニッポン社会に生きるってホント幸せなの?
と問いかけ、ニッポンを総括してゆく話。

神から支給された装備品は・・
ハイパーレスキュー隊のような
オレンジ色の制服に身を包み、背中には
ご丁寧にRescureの文字。
携帯電話:救助数カウント機能つき
メガホン:彼らが大声で叫ぶとこの世の人の深層意識に
     訴えることができる
暗視ゴーグル:死にたがっている人間を
       見つけることができる     

彼らは幽霊であるが万能ではない。
空気のようなもんで、無機物は通り抜け不可。
生身の人間に憑依、意思を読み取る事はできるが
完全にコントロールする事もできない。
(それでも単純思考な子供や、鬱の人間などは
 比較的操りやすいらしく、そそのかすことは出来る)

いったん部屋に閉じ込められてしまうと
自力でドアを開けることもできないのだ。
そんなときは近所の小学生に憑依
ピンポンダッシュさせて家の人に開けさせたり・・

「人と人の結びつき」「心身の健康」「経済」などの
 試練で人の心は試されることになる
「それでもこの世を好きでいられますか?」と。

自殺を思いとどまらせるには
どうしたらいいか?作者なりの研究結果を
エンターテイメント小説として
発表してみた感じ。

鬱、リストラ、借金、いじめ、また鬱、鬱、借金・・

「気取った挙句に自殺を美化してしまうんだ
 単なる心の病気だってのによ?」

「この国は、なにかあれば死ねばいいという
 危うい風潮が出来上がってしまっている
 ―すべては反省されぬまま、自殺行為が
 正当化される赤穂浪士だって、もうちょっと
 殿様が辛抱づよければ死ななくて済んだ。
 けど生き残っていたら彼らは英雄になれない―
 たとえ歴史に名を残さなくとも、何があっても
 生き延びる人間の方が崇高
なはずなのに・・」

「人はただそこに居るだけで良いんです。」

自殺はワガママです。死んで楽になるのは当人だけ」

幽霊4名は、現代ニッポンの最前線で擦り切れ
自殺を考えるまでに追い詰められた人々を救ってゆく。

中には、コレまでの経験から言えば間違いなく
「鬱→自殺コース」直行しそうな状況におかれている
にもかかわらず、なぜか自殺などまったく考えない
人間も存在する。
そんな人間の思考回路も見もの。

彼らこそは、したたか(「強か」と書く)なのだ。

それくらいでよいのかもしれない。

「深刻に死ぬより、軽薄に生きましょう」
 
未来が定まっていない以上、すべての絶望は勘違いである

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2010年10月22日

「病葉(わくらば)流れて」白川道

「病葉(わくらば)流れて」 白川 道

「病葉(わくらば)流れて」幻冬社文庫
 白川 道(しらかわとおる)著

これまた上司から頂いた小説。
これを読んだばっかりに、上司は麻雀が
やりたくって仕方がないようですが
・・自分も読んでみましてよく解りました。

「absurde」(アプシュルド)〜カミュ
・・私は実存する

大和言葉っていうのか?日本語って
たおやかっつーか響きがいいな。
「わくらば」

・邂逅(わくらば・わくらわ)
 稀(まれ)にあること。偶々(たまたま)巧く
 巡り合わせること。偶然に。 
用例:万葉−八九二

和久良婆爾(ワクラバニ)人とはあるを

どうもこれは違う。・・関連はあるのかもしれないが
同音異義語かも。ここは漢字の通り
「病気」の「葉っぱ」なんだろう。
 ↓
 青葉の繁茂した中に、たまたま蝕まれて
 変色した葉を見ることがある。
 病みついた木の葉であり、朽葉であり、
 秋の落葉期を待たないで赤や黄色に
 変色している。こんな葉を
《病葉・わくらば》という。

・・ね、集団からはみ出たどこか普通ではない
はっぱのこと、それは小説で主人公がタビタビ指摘される

「あなたもこちら側の人間ね。今日つれてきた
 彼を親友だと思うなら、もう博打の世界に
 連れてきてはだめ。彼は世間の大多数とおなじ、
 昼のひなかで生きてゆけるタイプ」

ま、要はロクデナシ候補生ってことですよ。

あらすぢ
そして青春が終わり、明日なき放蕩が始まった。
競輪場のジャンが鳴り、麻雀牌の音がする。
血を騒がせるギャンブラーとの勝負に、
今日も日が暮れてゆく…。一時は株の世界で
巨額の資金を転がしたこともある著者の、
奇想天外な自伝的小説。

************************

麻雀必勝ノウハウというよりは、バクチを通した
人生哲学に終始。
私の記憶が正しければ・・のドサ健がなつかしい
阿佐田哲也の「麻雀漂流記」がありましたが
あの世界を楽しめる方なればこの小説もOK。
ポンとチーの区別もつかない方は
まったく読む必要はないです。

1945年に生まれた戦後第一世代の主人公
小説の時代は1963年。
>奇想天外な自伝的小説。
とあるけども、確かに奇想天外だ。
主人公はちっと恵まれすぎ。

たぶん、著者(以前は金融方面で稼いだことも
あるのだそう)の学生時代を、それなりに自伝した
モノと思われる。麻雀(やギャンブル全般)に
狂った勉強しない学生というところは事実だけど、
スグに誘ってくる女も、金がないと貸してくれる女も
ジブンを気に入ってくれるヤクザもそういるはずもなく
当時の生活を、かなり脚色してカッコよく
書いてみました・・そんな感じを受ける。

アトラクションのような身の安全を保証された、
ところで、社会のダークサイドを経験する主人公。

バクチを通して人生を知ってしまったと自認する
素晴らしい先輩方の懇切丁寧なレクチャーがあり
バクチでスッテンテンの男に即金で金を貸し
童貞を捨てたいと思うと、女性のほうから誘ってきて
夜の街で喧嘩すれば、仲間のおヤクザさんが
救ってくれる・・ありませんから。そんなの。

ついこの間(半年前)まで麻雀も知らない
受験生だったヤツが、会員制クラブでヤクザ相手に
高レート麻雀ってのは、何ぼなんでもあり得なさ杉。
であるからこそ、まあ読んでいて楽しいのであるが。
(主人公、ぜんぜん勝てないし)

小説内の魅力的な(一部そうでない人もいますが)
キャラが実在してたら・・

・主人公:18歳・・現在65歳

・永田:主人公に丁寧に麻雀と人生と解説するいい先輩。
    2浪3留らしいので当時27歳・・現在74歳

・テコ:美人喫茶とかいう喫茶のウェイトレス。
    主人公の筆卸し相手。主人公の3歳年上、
    1942年、現在68歳

・姫子:歌舞伎町の店のママ。主人公を気に入る。
    背中が菩薩な裏オトナ世界の指南役。
    空襲の焼け野原を見たとき小学生だったらしいので・・
    1934年生まれだとすると・・現在76歳  
・有坂:ヤクザ屋さん。ヤクザ相手にイカサマはダメです。
・ポン熊:ヒロポン中毒者

ヤクザやポン熊はとうにご臨終でしょう。
姫子あたりなんかこの小説の後、後の
ハツシバ社長、島耕作と懇ろになっていそう。

つい、そんな風に考えてしまう。
人に歴史ありとはいえ・・。
公営アパートで独り暮らしとか、古本屋の主人
とか、場末の飲み屋のママとか、そんな老後を
送っていそう。黙っていればその辺のジジババにしか
見えないが、皆そんな過去を背負っていたりね。

やくざを賛美するつもりもないけれど
筋さえ通せば、やっぱ頼りになるのは確かな様で。

【永田の博打指南】

「オレは麻雀のイカサマはルール外のことを
 やることだと思っている・・勝負事ってのは
 与えられた材料を最大限に使うことだ、牌が
 裏返っていたら覚えるのもいいし、積み込んだ
 っていい。でも牌を隠す、すり替えるって
 のはダメだ・・」 

「多面待ちが平気で単騎に負けるのが麻雀だ。
 確率論ではなくって、博打の時間とは
 瞬間的で一瞬の刹那的な時間なんだ。」

「いいか、初心者のうちは攻撃一本槍で行け。
 防御なんてものはカミソリのような攻撃力を
 身につけてからでいい・・」

「麻雀の神様は気紛れでな。技量の劣るヤツには
 「引き」という武器を与えた―
 人の捨て牌を喰えば、自分の引きは少しずつ落ちてゆく・・」

【姫子の大人への階段講座】

「大きな事をやろうとするときは理屈じゃないわ・・」

【お友達】

「女はいいが博打はダメって?」
「お国レベルになると滅ぼすのは女だが
 男をダメにする元凶の一番は博打なんだそうだ・・」

「博打なんて興味を持った人間だけがやればいい。
 けど俺が言いたいのは、意味が無いからといって
 博打を全否定するのはどうかと思うんだ。
 博打をやっていると人より早く年を取るという、
 どうしてだかわかるか?」

【おヤクザさん】

「坊主、気に入ったよ。博打事で仲間はできても
 友人はできないもんだ。そんなツラで近づいてくる
 やつがいたら一番警戒しな」

【ポン熊】

「キャキャキャ」
「ゼハハハハハハ・・」は黒ひげだった。

いい事も結構書いてありました。
「どんなに親しくっても、女とバクチは別。
 金は女から借りるな」とか。
「同じバクチ打ちから(麻雀で負けたのなら
 少なくともその負けた面子からは)
 金を借りてはいけない」
(バクチ打ちの仁義だとかなんとか)とか。

なんか「病葉(わくらば)」シリーズは
映像化したり、2やら3やらシリーズ化
したようだけども
・・自分はこの一冊読めばもういいや。

最後に、敬愛する漫画家「ジョージ秋山」氏
(浮浪雲の作者ですね)のひとことを。
「人生を学ぶとしたら先生からであって
 少なくとも「遊び」は先生ではありません。
 あれは友達です」

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2010年10月21日

『篤姫』と島津・徳川の五百年〜

『篤姫』と島津・徳川の五百年〜

「『篤姫』と島津・徳川の五百年〜
  日本でいちばん長く成功した二つの家の物語」
八幡 和郎・衣代(講談社文庫)

三色古本屋で100円だったんで
購入するも、即後悔した一品。

夫婦で書いたらしいヘンな本。
これはひどい本ですね。
あの当時の篤姫人気に便乗しただけ。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
幕末に島津斉彬の養女として、将軍家定に
嫁した天璋院篤姫。徳川と島津の雪解けのように
言われる縁組だったが江戸期の徳川島津関係は
関ヶ原の遺恨による敵対関係では、
決してなかった!?両家の創始から現代まで、
著者ならではの斬新な論で
数多くのエピソードを鋭く紐解いてゆく。
歴史ノンフィクション。

************************

学研の歴史本とか、山岡宗八文庫とか、PHP文庫
とか、とにかくそのあたりの書籍から孫引きして
一冊の本に仕立てただけの本。
そんで当時の「大河」では「篤姫」をやってたんで
最後に付け加えてみた、やったYO時流に乗ったじゃん!
・・そんな本。

「『篤姫』と島津・徳川の五百年〜
  日本でいちばん長く成功した二つの家の物語」

『篤姫』なんて表題はあってもなくっても一緒
その姿勢にすべては現れている。駄作。

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著作者夫婦プロフィール
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2010年10月20日

「アトムの最期」 手塚治虫

「アトムの最期」 手塚治虫

鉄腕アトムの番外編。
当時、小学校の図書室に存在していいマンガと
いえば「手塚治虫」関係か「はだしのゲン」
くらいなものだった。

あかね書房の「少年少女世界SF文学全集」を
ひととおり読み終わったしまったPONは
ガッコウに存在する「マンガ」という変り種に
手を出してみた。
「はだしのゲン」は別の意味で衝撃を受けたが
それはココではひとまず退けておく。

んで、「手塚治虫」全集。
とはいっても氏の作品「人間昆虫記」であるとか
「ばるぼら」「奇子」であるとか、いろんな意味で
アヤウイ、アヤウ過ぎるマンガは収録されておらず、
氏が食うために描きまくった子供向けマンガが
中心のマイルドな全集だったと思う。

1971年生まれのPONにとって、手塚治虫作品
よりも藤子不二雄先生作品のほうが「なじみ」深く
アトムにしたって、昔白黒でやってた作品でしょ?位の
認識しかなかった。

あらすぢ
ロボットが娯楽のために人間を育てる世界。
普通の家庭で育ったつもりが両親とも
ロボットだと知った主人公は
幼なじみのガールフレンドと共に逃走。
博物館に保管されてた伝説のロボット
アトムを人類の味方とするため復活させるが
背後に逃走した人間を捕獲する
保健所ロボット軍が迫っていた・・

************************

ネタバレです・・。

背後の空に、ロボット軍が迫る。
数にしてアトム1に対し敵軍100以上。
逃げ切れないと悟ったアトムは主人公に聞く。

ア「あの娘に対するキミの思いは変わらない?」
主「ああ」
ア「ほんとうに?」
主「もちろんさ!」
ア「わかった。だったら僕、行ってくる」

なんかそんな会話が続いて。
その実、主人公が一生守る存在として
連れ出してきた「幼なじみの女の子」すら
ロボットであることが判明する。

なお「こび」を売るようにすり寄る女の子を
手のひらを返すように突き放す主人公。
彼のアイデンティティが一気に崩壊する。

主「・・・!!!!!」
ア「なんだ、知っているものだと思ってた。
  一目見てわかったよ。僕もロボットだからね」
アトムも非常にドライ。

別に主人公に同情したからとか
正義の激情に駆られてとかでは全然なく・・
おのれの思考回路に「ただ人類の要求に従うべし」
というのが焼きついていたからなのでしょう。

アトムは空のかなたに展開する敵軍を見上げ
戦闘態勢に入るや、ジェットで単身突撃してゆく。

DBやワンピースあたりならば、バトルだけで
数話消費しそうなところだけれど
ロボット軍の中で小爆発がおきたような描写で
漫画はいきなり終了。
一応、アトムの生死は不明。

あの頃の漫画では、また長期連載モノにはつきものだが
大風呂敷を拡げた挙句の「やっぱあの話は無し!」
パラレルワールドというのも便利な言葉だ。

この話も正真正銘「手塚」氏が描いたものではあるが
正式なアトム最終話とは認定されていないらしい。

手塚漫画といえば夢と「ヒューマニズム」に溢れてる
と思いがちであるが、いやいや全然。
あの先生の内面はチカラいっぱいブラック
だったんだと思う。

手塚治虫漫画全集第251巻
手塚治虫恐怖短編集4「科学の暴虐編」


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手塚作品の代表作といえば「鉄腕アトム」
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2010年10月19日

「検察捜査」中嶋博行

最近、なにかとお騒がせな「検察」。

一般人が思っているよりはるかなレベルで
彼ら、検察のもつ「社会を牛耳っているのはオレらだ」
という度し難い「エリート意識」が
小説でありながら伝わってきます。

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「検察捜査」(講談社文庫) 中嶋 博行(著)

現役の弁護士が書いた小説。
「検察庁VS日弁連VS警察 あと 裁判所」

これらがみーんなナカよくって
虐められるのは市民ばかり・・だったとしたら
それはそれで困るけどね。

あらすぢ
横浜の閑静な高級住宅街で、大物弁護士・西垣文雄が
惨殺された。横浜地検の美人検察官・岩崎紀美子は、
捜査を進めるほど、事件の裏に大きな闇を感じる。
日弁連と検察庁、警察庁そして県警の確執…。
現役弁護士作家が法曹界のタブーを鋭くえぐった、
第40回江戸川乱歩賞受賞の傑作リーガル・サスペンス。
内容(「BOOK」データベースより)

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法曹界ってこういうところがあるんだなって
楽しみながらマメ知識を仕込むために読む
そんな本。

検察が提訴した案件は有罪率98%なんだとか。
そんな見るからに不自然なパーセンテージ。
これを維持するために、いくつの真実が
嘘で塗り固められ、組織の威信が優先されるのだろう。
かなりの無理があるにちがいないよ。
そんなシンプルなことも解らない、
この小説にでてくる検察のお偉方のような
コリ固まった「検察至上主義」が
非常にコワイかった。これがホントだったら・・。

・真実よりも有罪率98%維持(≒組織メンツ)を
 至上命題とし、日弁連や裁判所をバカにし続ける
 ゆがんだエリート意識をもつ検察。
・裁判官・検察・弁護士は「司法試験」を
 パスした者だけがなれるが、どの職に就くかは
 合格者の判断による。なかでも検察が一番人気がない。
 理由は常に人手不足で忙しい割りに儲からないから。

作者がやっぱ畑違いの人(作家が本業でない)ので
この女主人公にまるで魅力を感じませんがまあいいです。
二時間ドラマの原作にピッタリ。この女主人公を
女優の誰が演じても別にいいですよ。
(さすがに市原悦子と泉ピン子だけはないだろうが)

さもありなん、と読み進めたけれど
2度読みはないレベル。

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2010年10月18日

「漂白の牙」熊谷達也

以前、職場で「人食熊さんブーム」(←嫌なブーム)
が発生、「シャトゥーン ヒグマの森」や
吉村昭さんの「羆嵐」などがまわし読みされた。
おなじ「熊」つながりではないと思うが
次はコレだよ、そういって上司が貸してくれた本が

「漂白の牙」(集英社文庫) 熊谷達也(著)

あらすぢ
雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に
喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。現場付近では、
絶滅したはずのオオカミを目撃したという噂が流れる。
果たして「犯人」は生きのびたニホンオオカミなのか?
やがて、次次と血に飢えた謎の獣による犠牲者が…。
愛妻を殺された動物学者・城島の必死の追跡が始まる。
獣と人間の壮絶な闘いを描き、第19回新田次郎
文学賞を受賞した傑作冒険小説。

************************

「人間が獣によって喰われた。
 単に殺されただけでなく、喰われて獣の腹に
 収まってしまったという恐怖〜
 そこには耐え難いおぞましさがあった」

「シャトゥーン ヒグマの森」敵が「熊」だったが
こっちでは「オオカミ」。パワーでは熊さんに
劣るものの、スピード、そしてなにより「組織力」では
オオカミさんの方がダントツ。
いずれにせよ
「生きたまま動物に捕食される」なんて光景は
小説の世界だけに閉じ込めて置いてください。

「シャトゥーン ヒグマの森」を読んだときは
もうひとりの主人公(女主人公の兄・土佐昭)の
あまりにヘタレぶりが嫌だったところだったんで
この本の主人公「城島郁夫」氏のカッコよさと
いったらなかった。

その点、シャトゥーンの主人公が「フィールドワークを
主としながらも基本は大学の先生であり、
結局スーパーマンなぞではなく、単に
「ウンチク垂れのインテリ」に過ぎなかった」
というのは、まあリアルといえば
リアルなのかもしれない。

ちなみにこちらの主人公、城島氏は
孤児院育ちで元環境庁のスーパーレンジャー。
野生動物の追跡術にかけては世界第一級。
現場主義を貫き、退職後もWWFの依頼で
世界中を飛び回る。野性味の中にも優しさを
持ち合わせた男。

小説だからこそ、ツウカイな活躍を期待したいもの。
マスターキートンあたりが居てくれたらなあ(苦笑)

この小説で学んだこと。
犬系の動物に襲われることがあったら
オノレの喉元を防御せよ!です。

マスターキートン(正確にはキートンの親父さん)でも
本気になった犬に人間はかなわないけど
もしどうしても犬と戦わなければならなくなった時の
戦い方が描かれていた。
併せて参考にされたい。

「誰かが言った。「奥さんにとってせめてもの救いは
 苦痛を感じるまもなく亡くなられたことです−」
 しかしそれがまったくデタラメであることを彼は知っていた。
 〜捕食者としての動物に捕らえられ、殺される時に
 即死ということはありえない」



やっぱ一番可哀想だったのは主人公の奥さんです。
いろんな意味で。

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2010年10月17日

「迎え火の山」熊谷達也


「迎え火の山」(講談社文庫) 熊谷達也(著)

面白かった。
作者の熊谷達也氏は仙台在住で
東北地方を舞台にした小説を多数書いている。

東北を舞台にしたオオカミ小説(明日紹介予定)
「漂白の牙」が面白かったんで
今度はどんなもんだろうと読んでみたら・・

あらすぢ
祝≪第131回≫直木賞受賞!
生と死の臨界に迫る傑作伝奇ミステリー
史上初!山本周五郎賞と同時受賞
旧盆の十三夜、出羽三山の霊峰月山(がっさん)の
頂から麓に連なる迎え火。即身仏(ミイラ)取材で
帰省した工藤の友人正志は、古来の採燈祭
(さいとうさい)復活に奔走していた。
だが工藤の父親に続き、正志も闇の中で襲撃される。
もう1人の同級生由香は工藤に、鬼から村を
守ってきた一族だと明かし、
「祭を止めて。ソ乱鬼(そらんき)が降りてくる」
と告げた。

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なんか「七夕の国」(名作漫画「寄生獣」の作者の
次の作品)を思い出した。関係ないけど
あの作者の描く女性キャラってなんか魅力的だ。
最近ひそかにブーム?になっているらしい
「あひる口」を真っ先に取り入れたからじゃないかな。
それと必要性があれば脱ぎっぷりもいいし

それはそうと「迎え火の山」です。

さまざまな思いを抱えつつも
地方には地方の暮らし方があり・・

故郷の学校を卒業するや
都会に出ていっさい帰郷しない者

田舎と都会に愛憎半ばの気持ちを持ち
地元に就職してそのまま同化する者

ま、かるくネタバレすると、真相を突き止めるべく
奔走する主人公にこそ最大の理由っつーか事情が
隠されている、というパターンの小説です。

誰が味方なのか敵なのか。
最後まで見逃せない。
その辺の「話はこび」はさすがだと思った。

それと小説内で語られる「人の死」と「霊」に
関する解釈が独特でこれまた興味深い。

この世界では、人間も含めた動物が死んだとしても
死後の世界は存在せず、無。
さらに神もいなければ仏もいない。
でも「死霊」だけは存在するのだ。

「死霊」ってのは「この世に対する執着心」
というパワーが形となってしまうもの。
であるから人間にしか存在し得ない。

誰かが「死霊」になったとしても
生前の本体はきれいさっぱり消えてしまっており、
そのほとんどは、生前の行動パターンを
何も考えずにただ繰り返す。
いわば実体のないゾンビのようなもん。
それがうろつけば「幽霊」とりつけば「背後霊」。

背後霊なんか、別に責任感を持って
子孫を守ってやろう・・とか
そんな知性も理念もない。
たとえば、死んだばあちゃんが
孫をもう少し見ていたかったな・・と思う
そんな気持ち=「執着」が「霊」になって
背後に取り付くだけ。
死の直前に「孫」を守ってあげたいと考えた
その気持ちに忠実な死霊が
結果的に「背後霊」になるのだ。
(恨みを持った悪質な霊が背後霊とならぬために
 自分が取り付くという意味もあるようです)

んで、「この世への執着」でもっとも
粘着質で悪質なのは「恨み」の念とのこと。
積もり積もった「恨みの悪霊」
そんなものを生み出してしまう人間こそが
一番始末に悪い存在ということになる。

それがこの世界の「能力者」には
見えてしまうのだ。

昔は世界の各地にその「能力者」がいて
「悪霊」の封じ込めかたも心得ており、
なにより庶民レベルでも畏れ敬いつつ
儀式を行ってきたが、
近代化、合理化の波が席巻している
今となっては・・



最大の敵がなんか結構「あっさり」だったなのは
ちょっと拍子抜けでしたが。

一気に読んでしまいました。

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2010年10月16日

「沈黙の教室」折原 一

沈黙の教室(ハヤカワ文庫JA) 折原一 著

藤谷文子のオヤジが、元凄腕工作員でありながら
現在は学校の用務員。彼が学校を襲う日狂組と戦う・・とか
ガッコウが変形して潜水艦になって、自衛隊の指揮
勝手にを離れてNYに向う・・とかそんな話では
全然ありません。

教師も生徒も、正体不明の恐怖に支配された
田舎中学校のあるクラス。そこに関係してしまった
人間たちの現在過去未来の迷い道くねくね。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
青葉ヶ丘中学3年A組―悪魔のようなこのクラスを、
担任教師が名づけて「沈黙の教室」。何者かが
不気味な恐怖新聞を発行し、つぎつぎと粛清の対象を
指名していく。そして行なわれる残酷ないじめ。
やがて20年がたち、クラスの同窓会の告知が新聞に
載った時、報復を誓う者による大量殺人計画が
ひそやかに進行しはじめた!
めくるめく多重構造の謎と、じわじわと忍びよる
恐怖。日本推理作家協会賞長篇賞に
輝くサスペンス。

************************

「めくるめく多重構造の謎」??
改めて思うにめくるめく・・てなんだろ。
ページを次々と「めくりたくて」しょうがないとか
そういうことではないみたい。

目がくらめく・・・うれしくて、
 目がクラクラする
」そんな多重構造の謎

誰もがそれなりに裏でアヤシイ事やっているから
犯人というか黒幕に見えてしまって
ヤヤコシイことに。
謎が謎を呼んでしまうのだ。
ああ、それが「多重構造の謎」なのね。



ま、なんてのかな。
コドモは無邪気だとかいうけど
「思春期の子供」が一番コワイってことで。

・・女生徒も怖いかな。別の意味で。
一時の劣情に流されるなってことです。

「足を踏んだ方はすぐに忘れても
 踏まれた方はその痛みを忘れない」
ありがちですけどね。

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2010年10月15日

「クーデター」楡 周平


クーデター (宝島社文庫) 楡 周平(著)

「間違いや不正をうやむやなうちに
 終わらせてしまう社会ほど恐ろしいものは無い。
(中略)人々は無意識のうちに劇的な方法で
 歪みを正せる人間の出現を望むようになる・・
 ヒトラー、毛沢東・・独裁者とはまるで
 救世主が現れたかのように、はじめは熱狂的に
 迎えられるモンなんだ」

まあ、内容はこのセリフに集約されます。
シェーンコップ中将もさんざんヤン提督に
討論を持ちかけていましたしね。

この人の本は、
「フェイク」と「無限連鎖」を読んだ。
とても読みやすく、内容もPON好みであるので安心。
(「フェイク」はいまいちだったけども)

(コピー)「この国は一度潰すしかない・・・!!」
(俺)余計なお世話だっつーの。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
謎の重武装軍団が日本海沿岸の原発を狙う。
機動隊は殱滅され、住民は一斉に避難。
折しも日本海では米原潜の頭上でロシア船が
爆発炎上。航行不能となった
原潜を挾み「北」と米日韓はまさに一触即発。
その時東京で、米国大使館と警視庁に同時爆破
テロ。さらに衆参両院に仕掛けられる青酸爆弾…。
誰が、一体何のために!?
安逸を貪る「虚飾の花・日本」を襲う未曾有
の危機。
各メディア騒然の問題作。

************************

〜危機に際しての独特な嗅覚

「日本に戻るたびに感じる違和感。死は一瞬のうちに訪れ
 ちょっとした運命の気まぐれが死と生を分ける。一見
 日本と変わらない生活をしているように見える国の
 人々でさえ、危険の兆候に敏感で、対処法を心得ている」

いきなりネタバレしてしますとですね。

オウム真理教よりも行動力と計画性のある
宗教団体、龍陽教(若干センベイ団体も入っているかな)
教祖が、物欲半分、ホンキの世直し半分で
腐った日本をクーデターで維新しようとする話。
そんな時、偶然日本海で北朝鮮VS米軍の
一触即発状態が起きてしまったんで
こりゃ幸い。神は我らを味方していると
北朝鮮にすべてを押し付けるように
ノリノリで計画を実行する。

日本の危機管理はいつものごとく。
政治家は身の保身に走り、なにも決定的な行動は
起こせず、現場だけが酷い目にあう。

名ばかりのスローガンで遅々として進まない改革
自分以外の連中はおいしい思いをしているように見え
なんて息の詰まる世の中・・そう思ってしまうとき、
いつの時代も人々が求めるのはドラスティックな改革を
鮮やかに実行できる英雄。

〜国家のリスクマネージメント

人、あるいは国家の運命というものは、周到に計算された
ものではなく、単なる偶然が左右する。火種はいかに小さくとも
条件が整えばいつでも大爆発の引き金になるものなのだ。

「危機が想定されていない?
「そう、すべての軍事的危機は事前に回避されるものであり
 そういう事態に陥らないようにすることが前提の国だからだ。
 リーダーがいないのだよ。あの国にはな・・。(中略)
 政治の世界には絶望的なほど、すべてに責任を持って
 事の解決にあたる信念を持つ人間がいないのだよ」

〜今回も第14普通科連隊の皆さんが活躍

本作の1997年作 クーデター(楡 周平)でも  
1998年作 宣戦布告(麻生幾)でも
日本海側の原発で警察力を上回るテロが発生するので
必然、金沢に駐屯する彼らが出撃する。

能登半島に最も近い自衛隊を出撃させようとしたら
待たせる実弾が無かった・・・
「自衛隊は原則として弾丸の備蓄を持たないのです。
 盗まれて極左過激組織にでも使われたら取り返しが
 つかないことを恐れてです」
「ただの一発もか?」
「はい。旧ソ連の侵攻を想定した北海道以外は」
「それでは演習はどうするのだ?」
「工場は演習スケジュールに合わせて製造し、
 その日のうちにすべて撃ちつくすのです・・」
 誰がこんな馬鹿げたシステムを作り上げたかって?
 それはお前ら政治家だ!
 幕僚は喉まででかかった言葉を飲み込んだ。

〜テロ最初の犠牲者、高木巡査に敬礼

運転席で黒く炭化していゆく警察官の姿が見えた。
(中略)自分達が行ったのは間違いなく殺人行為で
すべては新世のためだ・・この狂った世を正すには
多少の犠牲はやむをえない・・

〜こんな名前のレストランが!

ザ・クーデター(京都のレストラン)
(THE QUDETA京都)
どうも京都は「クーデター」(≒維新)と
縁が深いから・・ということらしい。



説明的なセリフがちっと多かったかな。
たとえば同一組織内で上官と部下の会話。
「我々がおかれている状況」なんてことを
上司が部下に懇切丁寧に説明してたりするけど・・

読者が知らないのはいたしかないが
そんな情報も知らないで
その組織に所属しているのだとしたら
これは問題がありすぎ。

あ、日本の組織が腐っていてもはや行動不能に
陥っていることを、小説で再現したかったのかもしれない。
まあ読みごたえに繋がるからヨシとしよ。

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2010年10月14日

「感染」仙川 環


「感染」 (小学館文庫) 仙川 環 (著)

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
ウィルス研究医・仲沢葉月は、ある晩、未来を
嘱望されている外科医の夫・啓介と前妻との間の子が
誘拐されたという連絡を受ける。幼子は焼死体で
発見されるという最悪の事件となったにもかかわらず、
啓介は女からの呼び出しに出かけていったきり
音信不通。痛み戸惑う気持ちで夫の行方を捜すうち、
彼女は続発する幼児誘拐殺人事件の意外な共通点と、
医学界を揺るがす危険な策謀に辿り着く―。
医学ジャーナリストが描く、迫真の医療サスペンス!
第一回小学館文庫小説賞受賞作。

************************

うーーん。
一度読めばもういいかな。
医学ジャーナリストが小説に初チャレンジした作品。
なんつーか二時間ドラマみたいな感が。
登場人物が薄いし、女主人公にもまるっきり
思い入れがもてないし・・なにより
この主人公の旦那がもう、どうにもいただけない。
行動も、残した結果も。

しかもとってつけたような犯人。
(消去法で確実に見つけ出せる)
結局ナニがやりたかったのか
さっぱりわからない、海外帰りの女性研究員とか。

臓器移植とは、
「誰かが何とかしてくれているんだろーな」って
認識で終わらせがちだが、移植待ち患者に
ピッタリの臓器提供がそうそう発生するはずもなく。
そこには家族愛のためならばエゴといわれようと
かなりの犠牲を払ってでも!と思う身内も多いだろうし
であれば、そこにつけ込み、
オゾマシイことをたくらむ輩がいても
おかしくないやね。

異種間臓器移植
貧富の差による「臓器売買」
禁断の領域に手を出さなければ遭遇することも無かった「ウィルス」
そしてエゴイズムの原点である「親の子供への愛」

この小説はその辺の所を解りやすく書いたものです。
登場人物はオマケです。はい。



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ラベル:感染 仙川 環
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2010年10月13日

「震源」真保裕一

「震源」真保裕一

「震源」(講談社文庫) 真保裕一(著)

真保裕一氏は元アニメーター。
貧乏生活を語らせたら止まらないらしい。
代表作は青島刑事が雪山で大変な目にあった
「ホワイトアウト」。
あれで人気作家の仲間入りをしたようで・・
もう貧乏は脱出したのかな。

あらすぢ
地震計に浮かびあがった謀略の波形とは!
津波発生、データ消失と同僚の失踪の陰で密かに
進行するのは何か。気象庁地震火山研究官・江坂が
巻き込まれる国家的陰謀!

最初は九州各地を襲った不意打ちの津波だった。
福岡管区気象台地震津波火山監視センターでは、
人為的ミスによる失態で、津波予報が間に合わない
という不祥事が発生した。その渦中にいた江坂は、
やがて気象研究所へ異動となり、観測調査のため
再び九州の地を訪れる。そこで彼を待ち受けて
いたものは……。突然の観測延期、同僚の失踪。
そして地震データの消失……。水面下で密かに
蠢く国家的陰謀。震源を巡る驚愕の真相とは?

************************

巷では「小役人シリーズ」とか言うらしい。
真保裕一氏は、地味な「役人」を主人公にして
彼らを活躍させるのがシュミ?の様子。

今回の小役人は(←日々、地震予知に精励されている
気象庁地震火山研究官の方には失礼な響きですが・・)
福岡管区気象台地震津波火山監視センターの
地震火山研究官。

彼に良かれ悪しかれ影響を残した先輩が失踪。
それを追っかけるうちに、国家的陰謀が
浮かび上がってくる・・とあらすぢにも書いてありますが
いまいち、主人公が先輩を追っかける動機が弱い。

いくら自分の心に影響を残した、印象的な辞め方を
した先輩だからといえ、公的な出張の合い間に
そこまで追跡調査しないでしょうよ。ふつーは。

そこら辺は、作者もさすがに考えたらしく
話も佳境に入り、個人的な捜査能力では
物理的に限界になってきますと、主人公に
手を貸す存在として、雑誌の編集者たちが合流しますけれど。

主人公とは対照的に、国家中枢にて
いろいろ策をめぐらすエリート役人が出てくるんですけど
PONの中ではずっと「嶋田久作」さんでした。

最初から中盤にかけては、やや展開が
モタついているように感じましたが
結局、最後の最後までググっと
読者の関心ワシづかみの手腕はさすがだと思います。

主人公側がモタつく反面、
もう一人の主人公といってもいいと思う
「嶋田久作」氏側の行動描写が
スピーディーすぎで、人物も盛り込みすぎてしまい
若干消化不足かと。
読むならイッキに読んだほうがよいかと。
えーっとどこまで読んだんだっけ?的スタイルだと
結局「嶋田久作」が何をやりたかったのか
わからなくなるキケンが・・。
ジブンのことですけど。



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2010年10月12日

「蝿の王」田中 啓文

どうもPONです。長かった残暑がようやく終り
ようやく秋かと思えば通り越して
冬になりそうなイキオイですが
皆様、いかがお過ごしでしょうか?

さて秋といえば「食欲」と「読書」ですが
溜まっていた「読書感想文」を
リリースしようと思います。
一部、マンガも混じりますが
まあお気になさらず。

12日「蝿の王」 田中 啓文
13日「震源」真保裕一
14日「感染」仙川 環
15日「クーデター」楡 周平
16日「沈黙の教室」 折原一
17日「迎え火の山」熊谷達也
18日「漂白の牙」熊谷達也
19日「検察捜査」中嶋 博行
20日「アトムの最期」 手塚治虫
21日『篤姫』と島津・徳川の五百年〜
22日「病葉(わくらば)流れて」
23日「幽霊人命救助隊」高野和明
24日「閉鎖病棟」帚木 蓬生
25日「セルラー」(小説版)
26日「神の獣」 巴 啓祐

************************

「蝿の王」 (角川ホラー文庫) 田中 啓文 (著)

普通、小説「蝿の王」といえば
ウィリアム・ゴールディング作の方だと思います。
少年士官候補生たちが遭難して南の島へ。
まして思春期の「少年」ともなれば。
少年たちに派閥が生まれ、人間性を失い
どんどんカオスに突入してゆく様を描いた小説。

基本は十五少年漂流記なんだけど
人間ってあんな「よいこ」ちゃんじゃないよな?
作者の底意地の悪さが光る作品です。

作者は、読者のうちの何人かが映画化までされた
あの作品と間違えてくれないかしら・・と
「角川ホラー文庫」に収録される際に
「ベルゼルブ」→「蝿の王」改題した
とのことだけど・・
さすがに間違えねーだろ。それは。

あらすぢ
ある遺跡で無数の赤子の骨とひとつの壷が
発見された。その封印が解かれたとき、人類は
未曾有の危機を迎えた。
突如、東京では児童殺人が頻発する。そこには
必ず虫が大量発生するという怪現象が…。
その最中、ひとりの少女が身に覚えのない妊娠を
する。彼女の頭の中では、「自分の子を産み、
「ベルゼブブ」からこの世を救え」という声が
響きわたる。ベルゼブブとは?
前人未到の伝奇ホラーの扉が開かれる。
内容(「BOOK」データベースより)

************************

ネタバレでいきます。

まず、主人公はビッチな女子高生。そののカレシ
(キーパーソン)は芸能人であるという設定がちょっと謎。
それも人気アイドルグループではあるのだが
一番人気の無い存在であるらしい。
それでも腐っても芸能人。オンナには困らないハズなのに
これまた特別美人というわけでもないビッチの
マジ彼氏であるあたりが、なんとも謎。
(あんまりその設定が活かされていない)

「神」陣営と「魔」陣営が、いずれはアーマゲドン
で雌雄を決するなんてキリスト教には伝承があるけども
実はそこに「正邪」なんてものはなく、たまたま
今のところ、我々が「神」と呼ぶ陣営側が覇権を
握っているに過ぎない。
我々が「神」とよぶ陣営の「神」の使いは使徒「天使」だが
「魔」陣営にとっての使徒は「虫」だ。
人類は、覇権を握った側が、都合で作り出す
勢力維持のための便利な「コマ」に過ぎない。

だから、もしアーマゲドンで「魔」陣営が勝利すれば
神の「しもべ」である天使は、闇に隠れざるをえず
天使は虫に替わって、犬の落し物!の廻りを飛び回り
次の勝利の機会をうかがうのだ。

「虫は偉大だ。もし彼らが己のもつ能力を存分に使い
 地球の支配的地位に取って代わろうとしたら
 簡単に実現できるだろう。なぜそうならないか?
 それは虫がバカだからだ。
 バカのトップに神クラスの知的存在が
 就いたとしたら、どうなる?」

神は身勝手で、人類のコトなんかこれっぽちも
考えていない。彼が考えているコトは、自陣営の維持のみ。
神が主人公ビッチに与える試練は壮絶だ。
「神の子の嘆き」も少しは解ろうもの。

作者の田中啓文氏は、プレステのゲーム
「かまいたちの夜2」にシナリオライター
として参加していたらしい。
なるほど。通りで「ミミミ・・・」とか
美味しい果実が、実は「寄生虫」の卵で云々・・
の「底蟲村」の話とか、あのシュミの悪さ
通じるものがある。

また、この小説には、あるツインタワーの屋上で
団体が集会を開いていたが、悪魔の力をもって
一瞬のうちに建物が無くなり(文字通り跡形も無くなる)
人間たちがグシャグシャと地面に叩きつけられるという
シーンがあったらしい。
ツインタワーといえばそう、グラウンドゼロ。
書き上げてスグに「911」事件が起きてしまったため
惨劇の舞台をツインタワーから変更した。
併せて、読んでてウンザリする描写も、
幾分ソフトな表現に改めたらしい。これでもね。

作者もあとがきで「この作品を最初に書いていた
ころの自分は確かにどうかしていたと思う・・とまで
述べている。
とにかくエロ・グロ・汚いのオンパレード。
ドコまで気色悪い描写、胸糞悪いシチュエーションを
描写できるか、実験小説の面もあったのかもしれない。

登場人物の「メンチョーロー太子(たいし)」
(彼の壮絶な活躍は必見!)が、いいキャラであった。
初登場時の描写からして「顔は歩くキ×タマ」とか
書かれてしまっているし。

何故「顔がキ×タマ」なのかといえば
そんなこと(←見た目)を気にする余裕も無いほどに
人類を救おう(というか「神」陣営を守ろうと)と躍起になり
風呂も入らないことが祟って、全身皮膚病にでも
なってしまったからなのかも知れない。
(PON的ビジュアルイメージとしては手塚治虫氏の
 「火の鳥」にでてくる、鼻がブツブツの男
 あるいは映画「エレファントマン」)

さらに、物語終盤に超巨大な「蝿のコドモ」が一匹
途中で捕食した人間を体内で消化しつつ
新宿ビル群を練り歩く。まさにリアルモスラ。
馬鹿馬鹿しくもオゾマシイビジュアル
この小説は初めから自作品の映画化・ドラマ化なんか
とうに放棄していたことがうかがえます。



面白かったけれど、二度読みはしたくないし
ましてや人には勧めない。
なんかタンツボの中身見せつけられている様でね〜。
「蠅の王」、面目躍如といったところなんだけど。

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2010年10月11日

ただ目に付くままに・・

ただ目に付くままに。
写真アップで埋める記事であります。

これでは.JPG
モーニング連載の御大マンガより。
海江田士郎のコスプレかと。
これではもはや「萌える」とかそういう次元ではなく。

商魂.jpg
横浜の街中で。商魂たくましい。
なんかすげーなと思って。

めだまん.JPG
ドラッグストアにて。
子供がさすがに気味悪がってた。
ゲルゲ怪人だな。

わぎり.JPG
車の輪切り。じっくり眺めると結構面白い。
われわれが普通に乗っている車、
実は結構スキマがある。

JAPAN.JPG
JR系のそば屋より。最近ライターが変わったのか?
なんか以前よりにぎやかになった気がする。
わかんねーと思ったのは左上。
◎豆腐 ◎だし ◎駅そば
メイドインジャパン
いやや、国産ですよ、と言いたいのはワカランでも無い。
たぶんサッカーにカコつけて「ジャパン」と
いう言葉を使いたかったんでしょう。

PREGO.JPG
池袋でいつも気になってた看板。パチ屋のだが・・

「アンモナイト」
チューリップ全盛代
 ↓
「シーラカンス」
タバコ全盛期
 ↓
「イクチオステガ?」
ドル箱集積時代
 ↓
「ティラノサウルス」
禁煙・ドル箱絶滅
 ↓
「ヤマタノオロチ??」
現代〜EX融合〜
 or
「メカドラゴン」
現代〜サンシャイン新化〜

いずれにせよ、こんなトコで進化する
生物群には生気が無く(黒目が無いし)
なにより、人間(というか哺乳類)に
進化する兆しすらない。
経営者自身が、かくなる所で遊んでいては
ユーザーはいつまでたっても人間になんか
なれんってこと、判っているのかもしれない。

以上。

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2010年10月10日

スーパー大戦略(MD版)ユニット解説11

「スーパー大戦略(MD版)ユニット解説10」

スーパー大戦略(MD版)に登場した
兵器につきましてつらつらと述べます。
「スーパー大戦略」も「キャンペーン版
大戦略」の知識も一部混じっているかも。
資料性ゼロですんで。最後と書きながら・・
もう一回だけ。おまけ。【隠しユニット】

【お遊び(隠しユニット)】
スーパー大戦略(MD版)はご存知SEGAの
ハードなんで、隠しユニットもSEGAです。
出し方の詳細は「上上下下左右左右BA」では
なくって、その手の攻略サイトをご参照ください。

・・てかもしかして貴方の「大戦略(MD版)」は
まだバックアップ電池が有効なんですか??
いいなァ。

「F−14XX」
SEGAの体感ゲーム「アフターバーナー」
の主人公機。ゲームに準じ、とにかくアホな量
の燃料とおなじくアホな量のミサイルを装備。
鬼神のごとく大戦略の空を飛びまわります。
さすがに変形してロボットにはなりません。
F−14XX.gif

「ギャラクシーF.」
SEGAの体感ゲーム「ギャラクシーフォース」
の最新鋭戦闘機TRY-Z。ゲームは水平方向に
360度回転する専用の大型筐体。
当時の新宿では物珍しさで酔っ払いがプレイ。
その末路は語るまでもなく悲惨でした。
1ゲーム500円くらいしたんじゃないか。
大戦略では空飛ぶ派手なマキビシみたいな印象。
ギャラクシーフォース.jpg

「サンダーブレード」
サメ退治野郎ロイシャイダー主演
「ブルーサンダー」に影響を受けまくったらしい
SEGAの体感ゲーム「サンダーブレード」。

だから万能攻撃ヘリ。
自分はデザインのスマートさから
「サンダーブレード」よりも「エアーウルフ」
の方がイイなぁ。ドミニクもいたし。
(声はビュコック大将だし)
サンダーブレード.jpg

「シノビブタイ」
SEGAの横スクロール忍者ACTゲーム
「忍 -SHINOBI-」より「忍び部隊」
拳銃は最後の武器だ!って古いね俺も。
TAITOのニンジャウォリアーズのほうが好き。
たしか米陸軍のM1E1を破壊する面が
あったよね。あれも。

こっから先はPC8801の「スーパー大戦略」
および「キャンペーン版大戦略」から。
記憶が混乱してまして不正確な点はお詫びします。
ぺこり。
なんかFeture軍とかそんな隠し軍だった。
全般的に高い。お遊びユニット軍だから。

「SR−71」
ゲームでは最強の戦闘攻撃機。ゲームバランスとか
そういう次元ではモノを語りたくなくなる。
ご存知の通り実機は偵察機であり、ミサイル
どころか機銃すら積んでいない。
最高速「マッハ3」は敵ミサイルが追いつけず、
ゆえに非武装、ゆえに他国上空を侵犯自在
という理屈。全機引退済み。
sr-71.jpg

「REDFOX」
赤いきつね。対地能力が無いが純粋に戦闘機
としては最強ユニット。敵のいなくなった
空を飛ぶのみだが、意外に対空ミサイルには
弱いぞ。元ネタはクリントイーストウッド
主演のファイアーフォックスですね。

「ベル222UT+」
とにかく強い。ヘリの天敵、敵戦闘機を
返り討ちにしてしまう強さを持つ攻撃ヘリ。
欠点はなぜか対地兵器がロケット弾。
それでもヘタなATMよか充分強いけど。
エアーウルフ.jpg
これがエアーウルフ。

「ホバータンク」
名前の通り、ホバーなタンク。ニッコーとか
ラジコン界でブイブイいわせていた彼が
ついに参戦・・チト違う。出典は不明。
違和感を覚えるのは、ここまでのライン
ナップがトンでもなく「強い」連中なのに対し
陸の王者足りえるコイツだけはなぜか弱い事。
(感覚的にはT-72とドッコイ)
海を渡れるだけが取り得だが、この頃の
スーパー大戦略は海戦ができなかったので、
橋なしで渡海できるのが意味も無く嬉しかった。
ギャロップ.jpg
元ネタはこいつではないだろうがイメージで。

Kidd
スポーツカー。たぶん黒。いや、どの陣営で
あっても黒であってほしい。
仮にもミリタリーゲームでスポーツカー10台が
揃ってロケット砲を乱射する姿というのは
ビジュアル的にどうか・・。
兵員輸送車にもなったかどうか、そこまでは
覚えていない。正確には「KITT」ね。
kitt.jpg
これしかありえない(ロスのUS)

colonel
歩兵ユニット。colonelは大佐。価格が600と
くれば、もう指すところはひとつしかない。
歩兵なのに移動力は軽戦車並みで攻撃力は
戦車並み。なるほど世の軍首脳部は
最強を求めるあまり人を改造したくなりますわな。
「やめろショッカぁ ぶっ飛ばすぞうゥ」
ちなみにレオパルド2が価格600だったかな。

いずれにしても金がかかりすぎる陣容。
金欠なのはしょっちゅう。

はい。これで本当におしまい。
しかしながら・・自分で言うのもなんだが
これまで書いたことは、未だほとんど
頭に入っていたという事実。
ツマランものに頭の容量を使って
しまっているなあと痛感。
もうちょっと有益な青春時代を
過ごしても良かったのに・・とチト思わなくもない。

こんことをココで総括してもしかたないが
ま、若さをムダに費やすことぞ素晴らしき・・ってことで。

長のお付き合い、有難うございました。

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