2010年11月06日

バベッドの晩餐会

「バベッドの晩餐会」

妻がセレクトした映画を横から観賞。
毎度ながらまったくノーマーク。
妻が独身時代に大感動した「ごはんの映画」
だという。さてさて・・。

あらすぢ
時代は19世紀、重苦しい雲と海を背景にした
ユトランド(デンマーク)の寒村が舞台。
マーチーネとフィリパは美しい姉妹だったが、
牧師である父に仕える道を選び、清廉な人生を
過ごしながら年老いていた。
やがて姉妹のもとにフランスから亡命してきた
女性バベットが転がり込み、家政婦として
働くようになる。牧師の死後、村人の信仰心が
衰えを見せていたため、姉妹は父の生誕100年を
記念したささやかな晩餐会を催して村人を
招待することを思いつくが、バベットは晩餐の
企画を一任して欲しいと願い出る。
バベットにはある秘密があった・・。

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いつもはネタバレをすることで
あーだこーだとラチもないことを述べる
当ブログですが、この映画につきましては
ネタバレしないことにします。

久々に、「家宝」とまではいかないけれど、
存在を大切にしたい映画だと思いましたんで。

ユトランドの村人の重苦しく寒々とした心を
徐々にとろけさせていったものとは
彼らの言う「信仰」とは真逆に位置する、
現世という堕落の象徴、「ゼータク」キワミ
「晩餐会」の料理でした。(←これくらいは
ネタバレではないですよね)

また、そのステキな晩餐会を開催可能にしたモノとは
これまた「信仰心」でも「神の奇跡」でもなくって
結局は姉妹が、亡き父に言われて捨て去るよう努めた
「人とのつながり」だったわけで、何でもかんでも
「堕落」だ「神の意思に反する」とかで片付けるのは
どーなの?と思ってしまうわけです。

牧師である厳格な父は「美しい我が娘」たちに
神に仕える道を選ばせ「美しい娘」たちは
「美しかった娘」たちとなってしまったわけですが
果たしてそれでいいの父上?と、キリスト教を
それほど知っているわけではない自分には
ちょっと疑問符なところもありました。

ここの宗教(デンマークはプロテスタント)って
ヤツは、この腐りきった、どうしようもない
現世に見切りをつけ、さあ来世に期待しましょう、
ジゴクに落ちないためにも、今を清貧に生きましょう・・
という教えなんだけど
少しくらいは現世に「楽しみ」を見出しても
罰はあたらないと思うんだけどなあ。

信仰心すべてを否定するわけではありませんぜ。
フランスから亡命してきた素姓不詳な女性、バベットを
困惑しながらも受け入れたのは、牧師の父が残した
姉妹の優しさと、なにより慈愛の心であると思うし。

「ごはん」はヒトを幸せにする。
現世だってこれでどうして捨てたモンでもない。
観るとちょっとほっとする映画・・
そんなトコロで、ここはシメておきます。



とりあえず「ウミガメのスープ」とやらを
ムショウに飲んでみたくなりました。
(現在、ウミガメがワシントン条約による保護対象で
 あるため、なかなか「ウミガメのスープ」は
 お目にかかれなくなっている様子。新橋の
 高級フランス料理店(アピシウス)で一杯、3600円
 くらいだったようです・・うーーん)

はれるや!

バベッドの晩餐会.jpg

バベットの晩餐会
Babettes gastebud
監督・脚本 ガブリエル・アクセル
出演者 ステファーヌ・オードラン
音楽 ペア・ノアゴー
公開 1987年8月28日
上映時間 102分
製作国 デンマーク
言語 デンマーク語
スウェーデン語
フランス語

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(ハ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする