2011年10月30日

「震える岩」宮部みゆき

震える岩 霊験お初捕物控 (講談社文庫)
宮部 みゆき 著

耳袋(怪談話集)を編纂した根岸備前の守という
奉行(江戸時代に実在)がつぶやく。

「都合の悪いこと、見たくないもの
 聞きたくないことを不思議話のなかに
 押し込めて自分も世間も嘘を突き通す。
 人間ほど恐ろしいものはないのだよ」


あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
ふつうの人間にはない不思議な力を持つ
「姉妹屋」お初。南町奉行の根岸肥前守に
命じられた優男の古沢右京之介と、
深川で騒ぎとなった「死人憑き」を調べ始める。
謎を追うお初たちの前に百年前に起きた
赤穂浪士討ち入りが…。
「捕物帳」にニュー・ヒロイン誕生!
人気作家が贈る時代ミステリーの傑作長編。

江戸文化をさも見てきたかのように伝える
伝道師「杉浦 日向子」さんは
若くして亡くなってしまったけれど
いやいやここに健在。宮部の姉さん。

普通の「華のお江戸捕り物帳」でなくって
主人公にちゃきちゃきの女の子
ある霊感を持った「お初っちゃん」を
もってくるあたり、さすが宮部の姉さん。
一筋縄じゃいかねえ。以後しりいず化。

そしてヒロインの片腕っつーか相方として
与力見習の「右京之介」が今作から登場。
一見、頼りにならなそうな
ヒョロヒョロメガネの「右京之介」。
話の中でも、真っ先に、当のお初が
つぶやいてしまっているんだけども
「いやいや、鬼と呼ばれる与力の息子。
 実は武に優れて、敵をバッタバッタと
 切り捨てたり・・とか、類稀なる
 陰陽師能力を持っていて・・」とか
 無いんですねえ。これが。
実は算学者の卵で、誰もが気がつかないところに
目が行き、捜査の整理も巧み。なんで賢明でない
読者に成り代わり、物語を整理してくれます。
そう、まさに「水谷=右京=相棒」ですね。
あそこまでイヤミなヤツではないけど。

半分ネタバレ

赤穂浪士のふるさと、兵庫は花岳寺に
「義士出立の図」が現存している。
吉良邸の東口と西口をそれぞれ急襲した
義士47人が半々に描写されている。
討ち入り寸前は、ある意味ハレの舞台なはずで
皆、見得を切るかのように描写されているか
そうでなくとも顔くらいは正面を向いているハズ。
なのにたった一人だけ、後ろ向きで
描かれている義士がいる。

宮部氏はそれにインスピレーションを
受けて話を展開していったらしい。
すげいぜ。小説家ってヤツは。

でちょっとネット検索してみたら

史実とフィクションが巧みに
組み合わさって、そういうことも
歴史のウラには実はあったのかもなって
気にさせてくれます。
ホントうまいね〜。
よっ稀代のストーリーテラー、宮部先生。
安心して読んでください。



「うそってやつは、たいてい
 耳あたりのよいオチに落ちつく。
 つくり話ゆえにな」

(創作であるが故、想像のつくオチになりやすい)

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(ミステリ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする