2011年12月10日

うる星やつら 「映画版」 その2

「うる星やつら 「映画版」 その2」

ロートルオタクの思い出話です。
「うる星やつら」。興味ない方は
スルーでおっけーです。どうぞっ。

・うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ
・うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエヴァー
・うる星やつら  完結編

【うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ】
前作「うる星やつら2」が異様に面白かったのと
「うる星やつら」の基本フォーマットさえ守れば
なんでも好きな表現が可能である、と
製作者側もファンも認識した頃の作品。
映画パート3ができるとなれば
そりゃ劇場に駆けつけますわ。
前作で押井監督がうる星を降板してしまったので
大丈夫かなぁとゆー一抹の不安のなかで鑑賞。

前作の「うる星2」が不思議な評判を受けた為
「文芸作品」風に不条理仕立てにすることが
うる星映画シリーズには必要・・と
製作者側がヘンに勘違いしてしまったきらいがある。 

「こんなアニメまんがにこだわっていないで
 さっさと現実世界に戻れよ!あんたら。
 ここ(アニメオタク界)は、そういつまでも
 いるところじゃないぞ」
・・というメッセージが根底に流れる作品。
エヴァンゲリオンでも語られたことだ。

話はイマイチだったけど
音楽はそこそこ良かったと思う。
主担当はミッキー吉野とタケカワユキヒデ。
ゴダイゴペアである。コダイコではない。

ステファニー(←誰?)が歌うOP曲
「ボーン・トゥ・ビー・フリー」と
「リメンバー・マイ・ラブ」が良かった。
OP曲がムリヤリ盛り上げ、
そしてED曲がムリヤリ感動に持っていった。

彩色がPOPでカラフル。なんかピンクなイメージ。
あたるがピンクのカバになってしまったからか?

【うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエヴァー】
あれ?「うる星」ってあんなだったっけぇ?
「うる星やつら3」を観て、なんかイマイチ感が
拭いきれなかった自分は、もう一回だけ、とばかりに
またまた劇場へ。

「3」も「4」も監督は「やまざきかずお」氏だったと思う。
彼は「押井守」監督がうる星に見切りをつけて
いなくなった後に、うる星アニメを引っ張った人なんだけど
この監督のヘンなライバル心みたいのが感じられた。

3にもいえることだけど、うる星映画は
「不可思議で、理不尽で、なんでもあり」であり
それがウケるならば・・オレならこう創るよ?みたいな。
んで、続けて失敗。

今度のテーマは「町が見る夢」。

リアルタイムPONが中学生くらいだったときの
作品だったと思いますが、厨房の自分ですら
呆れたシーンがありました。
解る方だけ伝わってくれればヨイのですが・・

ラムが失踪し、友引町が(いつも以上に)理不尽化する。
急遽、住人(登場人物)を高校の体育館に集め
面堂終太郎が得々と説明するにはですね〜。

うる星ワールドが非常識なのは、
非常識な存在(=宇宙人)である「ラム」が
いるからであって、このたび友引町が自我を
持ったため、邪魔(=常識的な生活をおくれない主因)
である「ラム」を排除したんだそうです。

この理屈わかります?
自分にはぜんぜん解りません。
なんで?とか「町が自我」?とか
当然のギモンが沸き起こりますが
そういうストーリーなんですから仕方ない・・と
無理に納得しました。ソコまでは。

けど、ラム以外の宇宙人やら妖怪やらは排除されずに
健在なんです。

当然、地球在住宇宙人の代表として「ランちゃん」が
ソボクすぎる疑問を終太郎にぶつけます・・
「あら、だったらランちゃんだって同じよ?」

終太郎に代わり壇上のサクラ先生が回答する。
うむ、より象徴的という意味で
 ラムなのであろうな・・


さくらさん、その言い訳は苦しすぎ。

とにかく暗くて重くて「青白い」イメージだけが残る映画。

音楽としては松永夏代子が歌うED「メランコリーの軌跡」
玉置浩二作曲。アンニュイな歌で好きでした。

【うる星やつら  完結編】
同時上映、めぞん一刻完結編の「ついで」に観たんで。
画も話も原作に忠実。特に語ることもなく。
EDの歌はアイドル路線。ソコはめぞん完結編と同様。
うーーん。最後の80年代。ま、そんだけ。

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2011年12月09日

うる星やつら 「映画版」 その1

「うる星やつら 「映画版」 その1」

このブログははじめてから早6年。
あーじゃねー、こうじゃねーと
高みから好き勝手述べさせてもらってますけども
実は結構避けてきた分野がありまして。

80年代アニメです。

自らが「オタク」であると完全認識されるのが嫌だから、
なんていうのは・・今更なんでどうでもいいのですが
書くとするなら、気合を入れて書きたいと
思うフシがあるようです。

ところが、このたび唐突に思い立ちまして
この辺の分野も、気合なぞ入れずに
いつもの通り書き散らすこととしました。
いわゆる「聖域なき改革って奴」ですな。
ぜんぜん違いますが。

で、「うる星やつら

自分はアニメ版の方が好きでした。
何にも知らないガキだったんで
このアニメから、様々な世界へ続く
「導線」をもらった気がする。
それこそ音楽、哲学、軍事、思想、落語、
演劇、寺沢修司など・・あくまで「導線」として。

「うる星やつら」なんて古くさいアニメ
知らない世代も増えてきているだろうな。
アニメの放映は1981〜86年くらい
だったかな。自分が好きだったのは
絵柄も話も安定した後半(150話以降)の
ほうでした。

音楽に関して言えば、有名な
「あんまりソワソワしないで〜」は
さすがに正面から聞くには恥ずかし過ぎて
今も昔もノウサンキューですが
アニメのBGMは、場面によって
明るいのから不気味系、POP(大騒動)
そしてローマンスにいたるまで多岐にわたり
デジタルシンセサイザーやシンフォニー
果ては大正琴による演奏なんかまでありました。

今でも時々、テレビバラエティーなんかで
唐突にうる星のBGMが使われることがありまして
昔ほどではありませんが、反応するPONです。

さて、テレビ版を語り始めると一話一話解説
できるくらいですが(すんませんウソです。
せめて全218話のうちの三分の一くらい)
長すぎですんで映画だけにします。
しかもダラダラ話。資料性ゼロ。

「うる星やつら  オンリー・ユー」
「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」
「うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ」
「うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエヴァー」
「うる星やつら  完結編」


映画版と申しましても以上のように5つほど存在。
オンリー・ユー以外はどれも映画館で観たくらい
ですから、やっぱうる星やつらが好きだったんですな。
しかしながら、IMEよ。
「うる星」を「売る性」と変換するのは
いいかげんやめていただきたい。
 
【うる星やつら オンリー・ユー】
PONがうる星の映画をはじめて観たのは
この次の「ビューティフル・ドリーマー」でありまして
その世界観に圧倒されたものです。
だったら劇場版第一作もさぞオモロイことだろう・・と。

多分TVの放送で観たんだと思うけれども、
現在に至るまで、あん時一回しか観た記憶が
無いんで、まあPONの中では第一作は
そんなもんなんだろーということで
その点はお察しください。

作者の高橋留美子氏はこの映画を気に入ったそう。
彼女こそが「うる星」世界創造神であり
その彼女が面白いというのですから
神がイメージするうる星に一番マッチして
いるんでしょう。
(犬夜叉以降の高橋作品は、まったく読んでいないけど
 実はあの人のギャグセンというか漫画のセンスは
 意外に低いと思ってます。
 自分としてはピークはめぞん一刻だと。)

【うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー】
今は無き地方映画館の最終上映回で
悪友(もちろん男性)と二人で観にいきました。
自分らが入館しなければ、映画館の人たちは
残業なしで帰れたと思われ、非常にアンウェルカムな
雰囲気で映画館入りしたことを覚えております。

今とは比べ物にならないくらい
夜が早かった当時のこと
(田舎町であることをさっぴいても
 観劇後に、駅への商店街で誰ともすれ違わなかった!)
夜のシーンが多かったこの作品とイメージが
被り、非常に思い出深い作品であります。

同時上映が「すかんぴんウォーク」
主役はこの映画で颯爽とデビューした
吉川晃司デスよ。広島から単身上京
なぜか泳いで東京湾に上陸するシーンがあったような。
ゴジラかあんたは。

さて、肝心の映画の話にはぜんぜん進めませんが
それはまた別の機会に譲るとしまして
「ビューティフル・ドリーマー」は音楽について
触れるだけにします。
サントラのCDを未だに持ってますが担当は「星勝」氏。
壮大なオーケストラ調の「メインテーマ」をはじめ
サクラさんと温泉が友引高校の変異について
語るシーンにかかるピアノ曲や、崩壊した友引町で
サバイバル生活をエンジョイしまくるときに流れる曲など。
挿入曲「ラメ色ドリーム」も早すぎた迷曲だ。

それとサントラには収録されていないけれど
お好み焼き屋「じぱんぐ」で流れるは
時代遅れの酒場」。
引きこもった教師「温泉マーク」の部屋で流れるのは
「ふたたびの」

たぶん、押井監督のシュミなんだろうな。
このうち「時代遅れの酒場」は
高倉健、加藤登紀子の名曲なんだけど
昔、あるカラオケのアニソン分野に
この「時代遅れの酒場」が分類わけされていたのを
発見。判っている人もいるんだなあと感心した覚えがある。
しかし実は一瞬使われていた
さっちゃんの「ふたたびの」は
このアニソンジャンルに入っていなかったんで
思い出したら入れてあげてください。関係者の方。

さて、長くなるので次に続けます。
・うる星やつら3 リメンバー・マイ・ラヴ
・うる星やつら4 ラム・ザ・フォーエヴァー
・うる星やつら  完結編

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2011年12月08日

三笠 健在

「三笠 健在」

京急のラッピング電車に

「時を超え三笠健在

と。かっけー。くぅ〜(ジョン川平口調)

三笠記念館は今も頑張ってますよ?
事業報告書(PDFなんで読みたくない人はスルーで)

連合艦隊旗艦 戦艦三笠
↓   ↓
http://www.z-flag.jp/suigun/mikasa/

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2011年12月07日

「転生」貫井徳郎

転生 (幻冬舎文庫)/貫井 徳郎

これはブックオフ100円で購入したもの。

著者名・・なんか聞いたことある
書名・・知らないけど厚みがあるし
    読みきりだし。
そんな程度で購入。これまでは結構
アタリが多かったのだが・・。
まずは読んでみる。すべてはそれから。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
自分に移植された心臓は、ドナーの記憶を
持っているのか?移植手術を受けた大学生の
和泉は、これまでとは違ってきた自分の趣味
や嗜好に戸惑う。
突然夢に現れた恵梨子という見知らぬ女性の
存在も気にかかりながら心惹かれてゆく。
やがて和泉は夢の記憶だけを頼りに、
タブーであるドナーの家族との接触を図り、
恐るべき近代医学の闇に直面する。

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うーーん。可もなく不可もなく。

作者が一生懸命勉強した、心臓移植業界のアレコレ。
噛み砕いて、本として吐き出したいが、
それだけだと小説にならないから、取りあえず
主人公やヒロインをつくり、協力者キャラをつくり
ミステリーも仕込み、小説に仕立て上げた作品。

心臓移植の医療現状について、
お役所仕様リーフレットなぞは、ムツカシい事も
あいまってまったく読む気がせず、でもちょっと位は
知っておいてもいいかな?・・というのであれば
まあこんなのもアリでしょう。

しかしながらミステリーもしくはホラーを
じっくり楽しみたい方には、期待はずれ。
小説としてみた場合、残念ながら、駄作だろう。

基本的に強大な「敵」もいないしね。

もっとも、心臓を交換して元気になったとはいえ
主人公は大手術を乗り越えたばかりの半病人。
しかも一介の大学生に過ぎないんで、
強大な敵が出てこられても困るけど。

気になるキーワードが。
ゴッドコミッティー

要するに、老若男女人種金持ち貧乏を問わず
あとは心臓移植しかない患者は
多数順番待ちをしていて、
一方で、移植可能な心臓がそうそうは現れず
そうなると「必要悪」として誰かが、
救える命の順番を決めなければならない。

例えばボンクラの若人と、老い先短いかもしれないが
彼にしかやれない研究があり、人類のためにも
まだ生きていただかないと困るような老科学者が
同時に「心臓移植待ち」だとしたら・・
いったいどちらに移植(=延命)したらいいのか?

その逆もある。金持ちだけどゲスな老人と
貧乏だけど前途ある若い患者・・
どちらに移植したらいいのか?

そんな判定はどだい人には無理。
できるとしたら神にしかいない。
であるから判定組織のことを
「ゴッド」コミッティーと呼称するらしい。

そういうヤミの組織(ヤミで非合法だけど国の管轄組織。
法律者とか医療の権威などの有識者で構成。
予算も実行力もそれなりにあり、報道を捻じ曲げる
事くらいは可能な力を持つ。モノがモノなんで存在は
極秘)が、自らの存在を隠すため、
折角救った患者(=主人公)の真実追求行動から
逃げようとする話なのだ。

最後に主人公はすべてを知ることになるのだが
知ってよかったのだろうか?
そもそも自分は、他の人をさしおいてまでして
生かされる人間だったのだろうか?
組織を追っかける(≒自分の心臓の出所を探る)内に
主人公は、そういう苦悩と直面することになる。



ほんとにそんな組織があるのかは謎。
小説内だけだと信じたいが。

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2011年12月06日

「夜を賭けて」梁 石日

夜を賭けて (幻冬舎文庫) [文庫]
梁 石日(ヤンソギル) (著)

上司いただきました文庫です。

夜を賭けて.jpg

あらすぢ
廃墟と化したアジア最大の兵器工場・大阪造兵廠跡
の闇の中で残骸を掘り出す鉄泥棒アパッチ族と
警官隊の果てしない攻防がつづく。
そしてアパッチ族は北朝鮮へ、大村収容所へ…。
戦後50年を総括する書き下ろし長編。
内容(「MARC」データベースより)

************************

また「アジアンテイスト」か・・

いい加減もうウンザリと
読む前から気が萎えていたんですが。

梁 石日さん。申し訳ありませんでした。

ハズかしながら、社会・歴史は少々得意と
自負していた自分が恥ずかしくなりました。

「アパッチ族」とは、戦後、大阪にいた
一部の在日をそう呼称していたらしい。
アパッチ野球軍なるアニメがあったけど
たぶんその語源だとおもうが。

さらには「大村強制収容所」のことや
在日への根強い差別。
その差別は、云われなきが半分
云われても仕方ないところも半分。
そうでもしないと生きてゆけなかったということも
あるし、時代に翻弄されたというか
とにかくやるせない。

日本語をこれだけ操ることの出来る作者、梁 石日氏。
ご本人からすれば、冗談じゃないといわれるかもしれないが
パソコンはおろか携帯でしか情報発信できない
若い日本人よりよほど日本人だといえる。
ま、日本人だから何だってんだ、だが。

物語前半は、戦後ドサクサ時代に繰り広げた
在日朝鮮人の良くも悪くもパワフルな生活を。
後半は一転してラブストーリーになります。

殺人以外はほぼひととおりやってしまった主人公が
朝鮮人をゴミ扱いする日本人刑事によって
ブタ箱に放り込まれた挙句
釈放と同時にこんどは「大村収容所」に
収容されます。

在日の人にとって恐れられていた「大村収容所」。
悪名くらいは聞いていたけど。
「大村収容所」とは長崎の大村にありまして
正式には「大村入国者収容所」というらしい。
日本で不法在留と認定された在日朝鮮人が
次々と収容されたところ。
ここに送られるのも、送られた後ドコに連れて
行かれるのかも、すべては当時の役所
(入国管理庁や警察など)の考えひとつ。
彼らも「戦後のドサクサ時代」なわけで
「人権?ああん?ナニそれ?」な意識。

そんな所にぶち込まれた主人公。
同じ収容者からの壮絶なイジメ(っつーかリンチ)
刑務官は見てみぬフリだし、その刑務官も
時には取調べという名の拷問を行う。

収容所自体、もともといい加減な法解釈で
設立運用されている組織なんで
収容者もいつ釈放されるのか明確でなく
役人の気分によっては北朝鮮に強制的に
送り返されてしまう可能性もあり・・。
(→そうなったら待つのは死)

そこで、前半は顔見せ程度だったヒロイン「初子」が
自分の気持ち(主人公Love)に気付き、
主人公を追って大村へ。
収容所に駆けつけることの出来る長崎の夜の街で
働きつつ、人権派弁護士や
家族が同じ境遇にあっている在日朝鮮人と協力して
慣れない釈放運動(デモ行進など)を展開する。
最後に初子が見たものは・・って話。




デモ活動にもノウハウがあるんですな。

一回目は警備員にボコボコされた挙句
自然消滅だったので、
二回目は強力な応援を呼ぶ。
なんと九州炭鉱で働く労働者の皆さん。
炭鉱で鍛えた屈強な男たちが
スクラム組んでジグザグデモ行進。
共産系組織が人員の融通をしてくれたものだが
小説でこれほど頼もしく思えた「左翼運動家」も
珍しいと思った。

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オチ
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2011年12月05日

「夜市」(よるいち)恒川 光太郎

「夜市」 恒川 光太郎 (著)

久々の角川ホラー文庫。
作品の収蔵先を間違えている気が。
文春や新潮文庫とは言わないけども
もう少し一般的なところからの出版だったら
目にする読者も増えたかも。

夜市.jpg

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から
「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて
出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を
売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。
夜市では望むものが何でも手に入る。小学生のころに
夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに
「野球の才能」を買ったのだという。野球部の
ヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、
弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。
そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたと
いうのだが―。第12回日本ホラー小説大賞受賞作。

************************

正直、薄いし短編2作だしで敬遠していたんですけど。
薄いのはともかく、短編と短編集ってキライなんです。
ようやく興に乗ってきた・・さてってところで
終わってしまうから。
折角、人物配置や世界観をマスターしたならば
少しでも長く、読んでいたいのですね、自分の場合。

第12回日本ホラー小説大賞受賞作。
大賞受賞は伊達じゃない。
確かに「ホラー」なのかも知れないけど
ホラー?嫌い!で敬遠するとソンするかも。
伝奇ファンタジーぽい文学作品。

以下は、伝わるヒトにだけ伝わればいいんだけど
TVアニメ、うる星やつらの後半作品群に
ちょっとフレーバーが似ている。
(かかしの三四郎さんとか、子キツネが絡む話)

あるいは、トトロや「千と千尋」の世界観。
神々とか夜の住人が闊歩する「異世界」ってやつは
人間ばかりが幅をきかす「現世」とは別に厳然と存在し
どこかにぽっかりと開いている入口が
迷い込んでくる人々を待っている。

行かなくてすむなら、行かないほうがいい。
知らないですむなら、知らないほうがいい世界。

それとこの作者の文章表現は素敵だ。
ふしぎな空気を帯びた叙景的な作品なんだけど
叙景的にしては使っている言葉が平易で読みやすい。

特にムツカシイ言葉を使いこなさなくっても
あれだけの空気感(セピアで無音で乾燥した)
が出せるのだな。言葉で身を立てようとする人たちって
やっぱ凄いわ〜。

文庫のための書き下ろし作品も同時収録。
風の古道(こどう)」
こちらも思いのほかイケル。っつーかむしろ
ボリューム的にもこっちのほうがメインディッシュ
のような。

「森の奥で 生まれた風が
 原っぱにひとり立つ 楡の木
 フワリ かすめ やって来た
 あれは 風のとおり道〜」(これはトトロですが)

作者は「永久放浪者」って言葉が好きみたい。
どちらの作品にも出てきます。



いずれにしても、この人の作品は
映画とかドラマ化したら魅力半減ですの。
(かえってアニメ化の方がいいかもしれない)

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2011年12月04日

「クローズド・ノート」雫井脩介

「クローズド・ノート」

クローズド・ノート(角川文庫)
雫井 脩介 (著)

某古本屋で100円。雫井 脩介氏の作品と
いえば「劇場型犯罪」ならぬ「劇場型捜査」を
描いた小説「犯人に告ぐ」を読んだんでチョイス。
本の厚みもそこそこあったし。読みやすかった
キオクもあり、ま、いいかなと思って。

あらすぢ
そのノートが開かれたとき、私の日常は
大きく変わりはじめる――。
『犯人に告ぐ』の俊英が贈る、切なく暖かい、
運命的なラブ・ストーリー。

堀井香恵は、文具店でのアルバイトと音楽
サークルの活動に勤しむ、ごく普通の大学生だ。
友人との関係も良好、アルバイトにもやりがいを
感じてはいるが、何か物足りない思いを抱えた
まま日々を過ごしている。そんななか、自室の
クローゼットで、前の住人が置き忘れたと
思しきノートを見つける。
興味本位でそのノートを手にする香恵。
閉じられたノートが開かれたとき、彼女の
平凡な日常は大きく変わりはじめるの
だった――。

************************

うーーむ。うむむ。
なんつーのか、予定調和でいっぱいの
泣かせますんで寄っといで的小説
・・つまりはラブファンタジー?
人によっては、その「泣かせる仕掛け」が
「Ξ」いや「ξ」チガウ・・くさい、
若しくは「あざとい」と感じるかもしれません。

それと万年筆について延々と述べるシーンがあるが
ちょっとクドい。おかげで万年筆欲しくなったけど。

今回、恋愛の対象になる、かけ出し芸術家の男。
こんな男がなぜモテる?と、フィクションで
あることをさておいても、と思うけど、まあいいか。

「女性は、男性が何か真摯に打ちこんでいれば
 惚れるというモンではなくって、気になる男性が
 何かに打ち込んでいるから、ますます気になる
 存在になるのだ」・・とか聞いたことある。

一見、朴念仁だが、それは芸術に打ちこむがゆえで
そんなアナタが素敵・・ってワケではなく、ベースが
元々カッコイイ男ってことなのだね。ふむ。

ラノベ感覚なラブストーリーで無理にでも泣きたい!
というなら読んでみて下さい。
私は二度読みしませんが。



それにしても「教育」ってヤツぁ、本気でやったら
アレほどワリに合わない仕事も無い。

<追記>
なんか映画化したらしい。さすが角川G。

文庫: 444ページ
出版社: 角川グループパブリッシング (2008/6/25)
ISBN-10: 9784043886012
ISBN-13: 978-4043886012
ASIN: 4043886012
発売日: 2008/6/25

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2011年12月03日

「レフトハンド」中井 拓志

レフトハンド (角川ホラー文庫)
中井 拓志 (著)

この人の作品では同じ角川ホラー文庫の
サイコホラー「アリス」を読んだ事がある。
あれも分量がむやみに多いうえ、登場キャラも
感情移入しにくいヤツラが多く、最後のほうは
ウンザリしたキオクがあるんだけど、さて。

あらすぢ
内容(「BOOK」データベースより)
製薬会社テルンジャパンの埼玉県研究所・三号棟で
ウィルス漏洩事件が発生した。漏れだしたのは
通称レフトハンド・ウィルス、LHVと呼ばれる
全く未知のウィルスで致死率は100%。
しかし、なぜ三号棟がこのウィルスを扱って
いたのかなど、確かなことはなにひとつわからない。
漏洩事故の直後、主任を務めていた
研究者・影山智博が三号棟を乗っ取った。
彼は研究活動の続行を要請、受け入れられなければ
ウィルスを外へ垂れ流すと脅かす…。
第4回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

************************

・・これ何の冗談?そんな小説。
読後感が悪いのに、作者は「海」でムリヤリまとめ
あとは巴投げで放り出したような
不思議な作品。
思い入れのできる登場人物がほとんどいないし。
とても人には勧められない。

ウィルスが発生する経緯や、彼らの生態が
細かく記されているのは面白かったけれども
副所長との余計なののしり合い、とか
大学時代の研究仲間で、事態に巻き込まれて
しまう女性研究員(城之内)に関する描写など
かしこに余計な描写があって、無闇に
長くなってしまったように思える。
そんな描写を読み進める間に感じるウンザリ感が
そのままこの世界観につながっており
・・それがこの作品の持ち味なのかもしれない。

以下、ネタバレ。

レフトハンドってご存知、左手ですけど
ウイルスに感染すると、左手だけ別の生き物
として本体から離脱。本人は死亡するという・・
えらく迷惑なウイルスが元凶。
何故左手?といわれても困りますが。

実験体にされた女の子に
なんとか同情できたのは救いだった。
それと最後のほうに出てくる、女王と化した女の子に
得体の知れない「肉」を献上しにやってくる
「働きアリ」ならぬ「働きレフトハンド」や、
宮殿を守る「ロイヤルガードレフトハンド」には
ちょっと同情心もわいてくる。

最後、レフトハンド軍団は筋肉の脳みそで
自衛隊相手に戦いを挑んだわけで
結局、焦土作戦を行なったのかな?
ラインハルトみたい。
そのワリには宮殿まで攻められてますが。
脳みそ筋肉だなやっぱ。



主人公格の男(津川)
カンブリア、カンブリアって連呼しすぎ。
人が死んでんだよ?たくさん、ねえブライトさん。
それでいいの?
うるさすぎ。カンブリア。

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2011年12月02日

「一九五二年 日航機「撃墜」事件」松本清張

「一九五二年 日航機「撃墜」事件」
松本清張 著 角川文庫

「もく星」号とか「天おう星」号とか
飛行機(というより運行便)に
名前がついていた時代。「JAL○○便」とかでは
なくって、とても「時代」を感じる。
改めて考えるに、鉄道では未だ?列車に愛称が
ついている(はやぶさ、のぞみ、みずほ・・)んで
乗り物に愛称がつくのは別におかしな話ではない。

天おう星はたぶん天王星。英語で言う
「ネプチューン」なわけで・・そのまま「天のう号」
としてしまうと、さるお方と混同されるので
無理を承知で「天おう星」としたんでしょうね。

ま、それはともかく。当時の私には非常に
衝撃的だった「御巣鷹山」
JAL123便日航機墜落事故の本

墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便
飯塚訓 著(講談社プラスアルファ文庫)と

墜落の夏―日航123便事故全記録
吉岡 忍 著(新潮文庫)

を読み、そこからオカルトマニアには
おなじみ「日航機撃墜説」へ派生
更にはこの小説の存在に行き着いたという次第。

あらすぢっつーか内容
内容(「BOOK」データベースより)
昭和27年、日航機「もく星」号は伊豆大島の
三原山に激突、全37名の命が奪われた。
その時、米人パイロットと米軍管制官の間に
どんな交信がなされたのか。全員救助の報が
絶望に変わる一夜の間に、米占領軍で何が
画策されたのか。犠牲者のひとり、ダイヤ
密売の美女は何者なのか。世を震撼させた
事件の謎にせまり、「40年目の真実」を
明らかにした、巨匠最後の渾身作。

************************

1952年4月9日に日航機「もく星」号が伊豆大島は
三原山に墜落したのは事実
もく星号墜落事故」なんだけど
これはあくまで小説。フィクション、虚構なので
氏がさも見てきたかのようなウソがつらつらと。

「もく星」号墜落事故にリアルタイムで
記憶しているニンゲンの方がよっぽど少数派な現在。
松本清張という名が一人歩きをはじめ、
なんか知らんが巨匠が書いた本なんだから
すべて実話なんだろ?
的雰囲気に
なりつつある気がする。

被害者のダイヤ密売の女性(宝石デザイナー
烏丸小路万里子)が果たして「美人」かってーと、
時代を差っぴいても・・それはさすがに
いいスギだろうよ、おい。とか
巨匠にむかって何たる言い草、俺。

岩手県雫石上空でも昭和46年、奇しくも
自分が生まれた年だが、自衛隊機が民間機と
空中衝突、乗客は全員死亡したが、パイロットは
脱出して無事という事件があった。
脱出したってことは、パイロットは生き残った
ワケで、その後、彼はどんな人生を送ったんだろうか。
なんかそっちのほうも気になるので
改めて調べてみようと思う。
調べるといっても、結局ネット。WIKIとか
その辺に落ち着いてしまうわけだが。

<追記>
その、ネットでちょこちょこ調べた所
全日空機雫石衝突事故」で
生き残った自衛隊のパイロット(教官と訓練生
教官は有罪、訓練生は無罪)にも、当然その後の
人生が有りまして。教官は自衛隊を退職して
20年位前に病死。訓練生も、やはり自衛隊には
いられず退職。しかしながら救命航空機の
パイロットとして別の組織で職務を全う
定年退職したとか。自衛隊と全日空のどちらに
非があったとしても、自らが関わったことで
大勢が死んだのは事実なわけですから
・・さぞかし辛かったでしょうね。

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2011年12月01日

行商専用列車

「行商専用列車」

女性専用車両の表記も
珍しくなくなったけど
先日出張で千葉、習志野方面へ出かけた。
普段はまったく縁のない「京成」線

平日9時 1号車は
行商専用列車」ですと看板が。

すげい。おもわず目がテン。

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