「大怪獣バラン」
バランは初観劇。いいねえ。
いくらTSUTAYAがあったって、
いくら怪獣映画を観る人間だからって
わざわざ借りに行かないよなぁ。
有難う!BS・CS時代。
「1958年」の作品っすよ。
ついこの間まで38式歩兵銃「命」だった人たちが
米軍のお下がり兵器を普通に操ってますから。
さすがにシロクロ映画なんで
我が家の同居男性(5歳)も
怪獣登場シーン以外は、
居間からいなくなってしまいましたから。
陸・海・空を制覇する大怪獣バランの脅威!
ってことだが取り急ぎ、ゴジラは宇宙も制覇
してます。参考までに。
【ヒロインの友達、見習い博士がバランを見て】
「あれは中生代の怪獣バラノポーダ・バランで
あることは間違いない」
・・根底から間違ってるよっ<
あらすぢ>
東北地方、北上川上流の秘境でシベリア地方に
しかいないはずのアカボシウスバシロチョウが発見された。
ただちに杉本生物研究所の所員2人が調査に向かったが、
原因不明の怪死を遂げる。
杉本博士の助手の魚崎、犠牲になった所員の妹で
記者の由利子、カメラマンの堀口の3人は真相を解明
すべく現地へ向かい、外部から隔絶された排他的で
独自の神をあがめている岩屋村の人々と出会う。
突如・・
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冒頭はロケット発射シーンから。
宇宙にも進出
できる科学力をもった人類だけど
実は足元にも「未知」の世界はあるんだよと。
選ばれた場所は、東北のさる未開の村。
1958年、上野発の国鉄蒸気機関車で駅へ。
そこからボンネットバスで行ける所まで。
さらにそっから村の神主
(黒ズミを顔に塗ればそのまま今度は
モスラにスライド出演可能!
当時の田舎(東北)を舐めてますな)
の止めるのも聞かず、ハイキングハイキング
やっほーやっほーで数時間。
そんな谷あいの秘境にヤツはいたのだ。
いや、そもそもは未発見の蝶がいるってんで
新聞記者の彼女とフィールドワークに来た
博士(見習い)=ケンジさんだったが、
さらにトンでもないものを見つけてしまう。
婆羅陀魏山神(バラダギ様)のお怒りじゃ!おお、これが東洋の神秘!
残念なのは
二の腕が非常に人間ぽい。
ほら言わんこっちゃない!守り神「バラダギ様」が
お怒りになった!早く来てこっちへ!
村人と神主は、勇み足すぎた都会の人たちを
一生懸命、誘導してくれんだが、そんな柵
閉じたって助からんって。
PON的にはケンジさんの目がヌメっとした感が
あって、すっげー違和感。
あれはバランのぬめりを上回ると思う。
東京の杉本博士(生物学専門)も解説する。
あれは1億8千〜6千万年前の怪獣に
間違いないと。新聞記者たちのために
揃えたらしい歴史年表には
「白亜紀、アンモン貝」あるけど何ですかそれ?
(追記:アンモナイトのことをアンモン貝って
記述もするんですね)
かなりこの博士に不信感。
「あやつが街に出てきたら大変ですぞ」
そらそうだが。
自衛隊にまかせてくれたまえ!ってんで
バランの住む湖に毒をばら撒く作戦開始。
すげい。足尾銅山とかそんなレベルじゃねえ。
環境汚染って言葉すらない時代なのだ。
自衛隊が張り切ったおかげで
当時の最新兵器106ミリ無反動砲の
発射手順はよーくわかりました。
で、バランをやっつけるくらいの毒を
ばら撒いたハズなのに・・
30分でキクはずなのに・・状況に変化なし。
浮いてきた魚も10に満たず。
おかしいですナ?
(量を間違えたんじゃないの?)
だからさ〜、寝た子を起こすなってことですよ。
で、
バランが再出撃。
東宝名物ポンポン砲も横倒しで炎上。
あれ?バランは人間に興味があったんだね。
主人公ふたりはバランに追い詰められ洞窟へ。
バランが洞窟入り口でギャーギャー騒ぐ。
さぞかしウルサイだろうなあとは思うが
バランは口から放射能火炎やらプラズマ火炎やら
無粋な芸は持たないので安心。
でも洞窟の中は相当ケモノくさかったことでしょう。
杉本博士が発案する。
「ひょっとしたら、光に反応するかもしれん。
君、照明弾をあの山の方に撃てないだろうか?
バランの気を逸らせるかもしれない・・」
「わかりましたッ、照明弾!」
すると下っ端の自衛隊員がガゼン張り切ります。
遠くにいるらしい重火器連隊に向けて命令です。
「しょーめーだぁーーん!!
はっしゃあ!!」ええ?伝令でかよ?
その大声じゃあ、バランは君の方に注意がいってしまうって。
(ここ注意。布石なのです、いや伝令の隊員の方じゃなく・・)
なんだかんだあって、バランは
住み慣れたこの山奥の谷が
すっかり嫌になってしまったみたいです。
俺飛べるんだもんね〜。
ムササビとかモモンガのように皮膜を広げ
遠くへ飛び去ってしまいました。
なぜかジェット機のような効果音とともに。
多分、福島か岩手の沖合いあたりに
身を潜めることにしたバランだったが
P2Vネプチューン(米国製対潜哨戒機)が
とびまわり、自衛隊は追及の手を緩めない。
時代だなあ。海上自衛隊も貧弱で。
出撃したのは掃海艇一隻。
艇長を演ずるモスラに出てくる悪人だし。
張り切ってるんだけどさ、しょせん掃海艇だもの。
このときばかりは、帝国海軍の大和が
残っていたらなァ・・なんて恨みブシのひとつも
出よういうもの。
んで、掃海要綱による爆雷一斉攻撃⇒失敗。
対策会議が紛糾します。
待ってました「平田昭彦博士」「僕が開発した爆薬はダイナマイトの20倍あります。
穴を掘って埋めることで爆発力を増やすものなので
ただ爆発させても効力は見込めませんよ」
あくまでノンキで他人事な杉本博士「バランの正体が判らない以上、成功するかなんて
保証できません」
どこかの国の原発事故の時の博士連中みたいだ。
「可能性はゼロではないと言ったのは
事実上ゼロだという意味だ」
みたいな、相変わらず禅問答はトクイ分野。
こんなとき、だれもお前に責任なんか求めていないよ。
専門家だからこそ、心象だけでもいいから
聞いているだけだというのに。
結局、「
それでもいいです。やってみましょう」と
所属不明のお偉方っぽい爺さんが決断。
あのときのバカ総理とはエライ違い。
ずりずりとハイズリながら羽田空港に上陸するバラン。
進行ルート上に平田爆薬を満載したトラックを放置。
バランが上を通りかかったタイミングで爆破スイッチON。
さすがにおなかが痛くなったようだが、さすが大怪獣。健在。
怒髪天のバランはさらに大暴れ。
誰もが絶望の中、杉本博士が
とんちを働かす。
・・そして海中爆発とともに、巨大な肉片が
降り注いだりしないあたりが円谷作品だなあ。
神秘の怪獣は最後まで神秘であって
死ぬ姿を見せなかったのである。
この映画も観たことなかったんで
いい機会でした。バランの咆哮はゴジラに
音楽も伊福部氏の流用。
昔見た、SF大百科のスチールを映画の
そこかしこに確認できてよかったです。
日本の田舎を秘境にしてしまう映画といえば
これとあと「
獣人雪男」があるけど
あっちは大人の事情により再映禁止らしいんで
まあいいや。
6/22 11:00PM
日本映画専門チャンネル 東宝特撮劇場
See you Next at 「
宇宙大戦争」
監督 本多猪四郎(本編)
円谷英二(特撮)
脚本 関沢新一
原作 黒沼健
製作 田中友幸
出演者 野村浩三
園田あゆみ
千田是也
平田昭彦
村上冬樹
松尾文人
音楽 伊福部昭
撮影 小泉一(本編)
荒木秀三郎(特撮)
有川貞昌(特撮)
配給 東宝
公開 1958年10月14日
上映時間 82分 製作国 日本
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posted by PON at 21:15| 神奈川 ☁|
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