2012年05月03日

突入せよ!「あさま山荘」事件

「突入せよ!「あさま山荘」事件」

「あさま山荘」事件は、テレビ報道として
生中継でずーっと事件の推移が報道された
事件としても知られる。
みんながテレビに釘付けだったわけで
「警察は無能だ」とか「俺ならこうする」とか
「自衛隊の投入はまだか」とか
床屋談義レベルの思いつき意見具申電話が
全国の良識ある国民から、報道関係はもとより
警察のもとへ殺到した。
いつの時代もお調子者は多い。

中にはわざわざヒーローを気取り、山荘の
おかみさんの身代わりとして人質となるため
ある男性が新潟県から来て、犯人に射殺されたり。
(この困った人は、ヤク中だったことが判明)

とにかくいろいろあったのだ。この頃は。

ただ、この事件によってひとつだけ明らかに
なったことは、そもそもは純粋な気持ちから
日本社会に革命を起こそうとした若者の活動すべてが、
一般民の気持ちから決定的に乖離してしまったという事実。

もたいまさこが演じる犯人の母親がスピーカーで
呼びかける。
あんたのやっている事は犯罪とどこが違うの?
犯人がそれで投降する事はなかったが、まあ
結局はそういうことですね。

あらすぢ
1972年2月19日、あるニュースが日本中を駆け巡った。
それは連合赤軍が軽井沢の別荘地にある
「あさま山荘」に管理人の妻を人質に捕り立て
こもったのだ。後藤田警察庁長官(藤田まこと)の
命により、現場の指揮を取ることになった警察庁
警備局付監察官・佐々淳行(役所広司)は、
長野県警と共に雪と氷に閉ざされた現場で
人質救出の作戦を練る。しかし犯人グループは
ライフル銃で必死の抵抗を図るのだった…。

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とにかくたくさんの人が出てくる。
そして喚く、騒ぐ、時には死ぬ。
でも、それがとてもリアルに感じられた。

ナニいってんだか解かんない、なんてシーンもしばしば。

邦画なんで字幕スーパーもないし、セリフがよく
聞き取れないまま事態がどんどん推移する。

演技が下手な人が多いから、というのも
あるのかもしれないけれど、日常生活で
そうそう大声で会話する人間はいないし
ましてや、あんな混乱した戦場では
正確に聞き取れることや、事態や情報を的確に
把握できる・・ほうがおかしいわけで。
そんな非常時を表現しているんだとしたら
充分成功している。

役所さん演じる、主役であり原作者の佐々さんが、
若干、出来すぎというか、かっこよく描かれすぎな
気もするけど、それは置いておきましょう。

自分たち中央のエリートが、地元警察の顔を立て
穏便に事件処理を進めようとしているのに、
頑迷で面子にこだわり、文句だけは一人前な
田舎警察として長野県警が描かれている。
よくまあ、文句がでないなあ、とも思うが
当時の長野県警側のお偉いさんが寿命で
どんどん亡くなったこともあるのかも。

宇崎竜童もカッコよかった。
そこに存在してくれるだけでいいです。
実はこの映画の前に
「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」を
子供のために録画して一緒に観たばかり
だったので、ますます親近感が増しました。
(立花准将カッコいい。でも、潜水艇「さつま」の
 そもそも軍艦でないのにあの頑丈ぶりは神
 というか反則)

・・あー、あさま山荘の話でしたね。

警察庁長官「カミソリ後藤田」。これがまた
なかなかのクセモノで、往年の藤田まことが
うれしそうに?演じている。
部下に全幅の信頼を置いて・・といえば聞こえはいいが
両手両足を縛った上で、君ならできるとか言って
いつもムチャなことをやらせる、喰えない上司。

部下が、プロジェクトに失敗すれば
それは部下が無能だっただけ、ということ。
成功すれば、そんな部下を見出した存在として
脚光を浴びる。
さすが総理にこそならなかったものの
万事切れまくった(逆ギレじゃねえぜ)
政治家だけのことはある。人の使い方がすげい。

彼の大成の影には部下の屍累々
(社会的な死も含)だったんだろうな。

ちなみに、作者、佐々さんは、佐々成政の後裔だとか。
佐々といえば、織田家の黒幌衆(伝令番兼親衛隊)で
鉄砲の使い手だが、実は日本史上、
エポックメイキングな戦国武将としても一部で有名。

彼、当然のことながら近代的登山用具など無い
戦国時代に、冬の日本アルプス越えを成し遂げているのだ。
両人とも冬山に縁があるのかな。

映画の協賛企業に日清食品がでているが
これは、カップラーメンが爆発的にヒットした
きっかけはこの事件にあったから。

冬の軽井沢の寒さをしらない警察庁は
現場でがんばる警察官のために、
幕の内弁当を用意するもカチンコチンに凍って食べられず。
そこで発売したばかりのカップラーメンに目をつけ
現場で警察官に半額で販売(なんと販売!したらしい。
お湯はタダだったようだけど)

24時間でTV生中継していた事件現場で
なにやらカップヌードルなるものをすすっている
警察官がたくさん映っているのを
全国の視聴者があれはなんだ?となった様子。

1971年販売開始時の年間売り上げは6億が
翌年には68億だというんだから、いやまあなんというか。



ちなみに1971年といえば、自分ことPONが発生した
年だが、この1971年は、カップヌードル、
マクドナルド(日本)、そして自衛隊のF15イーグルが
初飛行したとディープな年なのであります。
これ豆ね。

こんなにいるよ。
古の東映オールスター映画って感じかな。

キャスト(役名)
役所広司 (佐々淳行)
宇崎竜童 (宇田川信一)
伊武雅刀 (野間本部長)
串田和美 (丸山参事官)
山路和弘 (石川警視正)
矢島健一 (大久保第九機動隊長)
豊原功補 (内田第二機動隊長)
原田遊人 (後田巡査)
遠藤憲一 (山野第二機動隊小隊長)
藤田まこと (後藤田長官)
天海祐希 (佐々幸子)
椎名桔平 (白竜組社長)
松岡俊介 (佐治警視)
池内万作 (東野通信技官)
篠井英介 (兵頭参事官)
街田しおん (里見品子)
篠原涼子 (小雀真理子)
松尾スズキ (小雀彰夫)
もたいまさこ (中野の母)
高橋和也 (ヤク中男)
武田真治 (大河内浩)
鈴木一真 (中野雅人)
田中哲司 (国松広報課長)
光岡湧太郎 (菊岡理事官)
榊英雄 (小野沢警部補)
井上肇 (加々見警部)
李鐘浩 (伊東警部補)
眞島秀和 (淡路巡査)
野村貴志 (別当巡査)
重松収 (富沢警備局長)
深水三章 (鈴木警備課長)
村田則男 (ホトケのトミさん)
木村栄 (小林特科車輌隊長)
加藤満 (高見警部)
古本恭一 (石原警部)
長森雅人 (片山第二機動隊副隊長)
工藤俊作 (上原第二機動隊中隊長)
山崎清介 (山根長野県警警備部長)
螢雪次朗 (吉井長野県軽井沢警察署長)
大森博 (反後長野県警警備第二隊長)
田中要次 (柳木長野県警警備第一隊長)
山田明郷 (萩長野県警機動隊長)
黒沼弘己 (皆川次長)
豊川栄順 (尚子)
田嶋基吉 (満願)
飯田孝男 (千石)
荒川良々 (木戸長野県警機動隊長)
石丸謙二郎 (長野県警機動隊分隊長)
甲本雅裕 (石野巡査)
八嶋智人 (亀島アナ)
上地雄輔 (警視庁第九機動隊)

佐々淳行 (映画館の客)
宇田川信一 (映画館の客)
後田成美 (映画館の客)

※田中哲司氏演じる「国松広報課長」って、あの
 狙撃された国松さん?と思ったら、あの国松元長官
 でした。人に歴史あり。

スタッフ
監督 原田眞人
脚色 原田眞人
原作 佐々淳行
音楽 村松崇継
SFX/VFXスーパーバイザー 根岸誠

ジャンル ドラマ
製作年 2002年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 133分
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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(タ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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