ミュージカルって、要所要所を歌うものかと
思っていたら、この映画はセリフ全部が歌。
冒頭で、主人公ギイの職場のなんてことない
仕事上の会話すら歌ってるから面白い。
<あらすぢ>
1957年11月。ジェヌビエーブはシェルブールの
雨傘屋の娘で、近くのガレージに勤める恋人ギイを、
深く愛していた。ある日ギイに召集令状が来て、
二年間の義務兵役に発つことになった。その夜、
二人は求めあった。
57年12月。雨傘屋の不況で、エムリー夫人は
自分の宝石を売ることにした。高級宝石商
カサール氏がそれを買いとったのは娘の
ジェヌビエーブの美しさに魅せられたからだった。
58年1月。ギイからの便りはなかった。そして
ジェヌビエーブの体には愛の果実が宿るが…。
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スタートからあの有名な曲
「シェルブールの雨傘」
この曲が映画のために降臨しただけで
(カトリーヌ・ドヌーヴのキャスティングも
もちろんある)
映画として成功を約束されたような物だ。
そしてOP画像。雨でぬれそぼる石畳の上を
カラフルな傘を差して行き交う人々。
それを真上から撮る構図。
俗な言い方だと東京ドームの天井カメラ構図w
当時のフランスは徴兵制で20歳になったら
2年間は軍務につかねばいけない。
(2001年に廃止され現在は志願制)
ギイがなんか某宗教組織のジョーユー氏に
見えてしまう時があった。
ドヌーヴも時々「いしだあゆみ」に見えてしまったり。
「モーナムゥ!(ぼくの恋人!)」
(おもいっきり余談であるが昔
遠足のしおりに好きな歌を各自一曲だけ
アップせよと指令があり、さる女子は
「夏色のナンシー」を引っさげてきた。
「恋かな Yes! 恋じゃない Yes!
愛かな Yes! 愛じゃない
風が吹くたび 気分も揺れる〜」のアレだが
「恋」が全部「変」になってて可哀相でした)
雨降る街なかを、自転車を引きつつ
寄り添いながら歌う二人。
下半身は画面から見切れて映っていないが
どう見ても歩いているようには見えない。
ドムかあんたら。
そして出陣。ギイは戦地アルジェリアへ。
嘆き悲しむ娘にドヌーヴの母は言う。
「恋で死ぬのは映画の中だけよ」
傘屋の経営がうまく行かないため
みんな貧乏がいけないんだ、ということで
秘蔵の宝石を街に売りに行く母娘。
それすらゴージャスで全然悲壮感がない。
口ひげ野郎(居合わせた金持ち)は
見かねて、母娘から宝石を実際に
買ってくれたワケだが、ママじゃなくって
最初から「ドヌーヴ 」狙いだった様子。
ママにしてみれば、あの金持ち
ひょっとして私に気があるのかしら?
と思うフシがあったようなので
こちらも可哀相といえば可哀相。
ま、いろいろあってギイがお役御免で
故郷に戻ってみると、ドヌーヴは逃走、
思い出の店舗は売却され、ついでに仕事もクビ。
結局ギイは育ててくれた叔母さんの娘
つまり従姉妹のマドレーヌと結婚することになる。
いいじゃないの。名前も美味しそうだし。
ドヌーヴほど美人ではないが地味にキレイだし。
そしてGASスタンドで再会シーン。
雪がちゃちい。まんま「粉」
(ギイ、タバコ吸いすぎだろーよ。
なんてとこでタバコ吸ってんのさ)
「(子供の)名前は?」
「フランソワっていうの」
「ギイ、あなたは幸せ?」
「ウィ トレビアーン・・」
走り去る「ドヌーヴ」の車。
ギイがこの十数年をかみしめるかのように背を向けると
画面が徐々にロングになって
お約束の曲「シェルブールの雨傘」が。
そこへ(タイミングよく)帰ってくる奥さんと子供。
必要以上にはしゃぐギイ。
奥さんの顔は見えないが
ひょっとしてなにか感づくところがあったかも知れない。
それにしても音楽の力は偉大。
口ひげ金持ち野郎もドヌーヴと結婚後
イロイロあるとは思うけど、結果的に
いいヤツでよかった。
そうでないとギイの恋は悲恋だけでなく
悲劇になってしまうとこだった。
当時のフランス文化が垣間見えていいねぇ。
提供はESSOでした(うそ)
キャスト・スタッフ - シェルブールの雨傘
監督 ジャック・ドゥミ
出演 カトリーヌ・ドヌーヴ
ニーノ・カステルヌオーボ
マルク・ミシェル
作品情報 - シェルブールの雨傘
ジャンル Music/ミュージカル
製作年 1964年
製作国 フランス
配給 東和
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ラベル:カトリーヌ・ドヌーヴ シェルブールの雨傘