「クヒオ大佐」なのです。うん。
BSかCSでやってたんで観ました。
堺雅人さん、自分は結構応援している
役者さんなのだ。最近思う時があるのだが
彼、実はダイコ・・こほん。
<あらすぢ>
米特殊部隊ジェットパイロットの
ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐。
華麗なる経歴と流暢な日本語で次々と女性を
おとす彼は、実は名前も経歴もでっちあげの
稀代の日本人詐欺師だ。今は弁当屋の
女社長・しのぶを夢中にさせているにも係わらず、
博物館のエリート学芸員の春や銀座のホステス
・未知子もその毒牙にかけようとしていた。
しかしそんな中、しのぶの弟・達也に、クヒオが
詐欺師だと見抜かれてしまい……。
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実際にこういう詐欺師がいたらしいけど
詐欺師なんて輩は、たいていの場合
「まさか、あんなアヤシイ奴が?」
なんて奴であったりする。
クヒオ大佐は、実は生粋の日本人で北海道出身。
幼少時代に貧乏で家庭内暴力の中で過ごした男。
だからといって大佐の免罪符には全然ならんけど
彼はそもそも人を騙そうなんて思っていない。
「こうだったらいいなあ」と、
普通の人間であれば単に妄想で終わるところを
大佐は本気で熱演してるのだ。
単に努力の方向が違うだけなのである。
実社会において生活までコスプレ。
自分で自分のことすら騙しているんだから
そこには「演じる」という意識はない。
きわめて自然体である。
自分はおお真面目に「クヒオ大佐」であって
そんな設定についてこない実社会が悪いんだからね。
無意識に詐欺をしてしまう男が一番始末が悪い。
反省なんて視点がないし。
クヒオ大佐に騙される女性も
実は彼を真っ向から信じるほどバカじゃない。
親から継いだ経営不振の弁当屋を
切り盛りする行き遅れの女性(松雪泰子)。
大佐のエキセントリックでミエミエの嘘や
子供のようにウソをつきまくる彼をみているのに
「ああワタシ今、すっごいバカなことしているな・・」
なんて思いながら、結局、彼の意に従ってしまう。
八百屋に大根を買いにいった帰り、
ハクバの王子様が私をサラっていってくれないかしら?
彼氏1人いない乾いた日常生活から
(一瞬でもいいから)抜け出したいって。
大佐のことを「信じたのではなく信じたかった」んだ。
(大佐、大佐と連呼していると
実はクヒオじゃなくって「キャスバル兄さん」に
ついて語っているような気もする。
この場合、弁当屋のオールドミスは、
そうねえ、逆シャアの
「ナナイ・ミゲル」あたり?)
クヒオ大佐は、詐欺師として決して一流じゃない。
「この名刺、スペル三つも間違えてる」
有象無象を相手にしている百戦錬磨の
「銀座のママさん」には、すぐ見透かされるし
ちょっとした失恋に少しだけ気落ちしていた内は
迷うところがあっても、すぐ立ち直った
「いつかちゃん」(満島ひかり)にも、
完全に論破される始末。
弁当屋の姉は騙せても、その弟(放蕩者)には
完敗するところなんかも、非常に笑えた。
クヒオ大佐の熱演に、夢を見せてもらう観劇料だと
思って、周囲に迷惑をかけない程度で
お金を払う分にはいいのかもしれない。
なにより彼、練炭で婚約者殺したりしないしね。
「いい夢みさせてもらったよ・・」って
柳沢慎吾じゃないけど、つまりはそういうことかな。
大佐は詐欺師じゃない。単に夢見てる人だ。
デイドリームビリーバーって奴。
だから最後には高空から米軍ヘリが降下してきて
「サーイエッサー!大佐。
特殊任務お疲れさまでした!」
となるわけです。
・・あの鼻、作りモンだよな。
コメディーとして良品。
キャスト
堺雅人 (クヒオ大佐)
松雪泰子 (永野しのぶ)
満島ひかり (浅岡春)
中村優子 (須藤未知子)
新井浩文 (永野達也)
児嶋一哉 (高橋幸一)
安藤サクラ (木下理香)
内野聖陽 (藤原)
スタッフ
監督 吉田大八
脚本 香川まさひと/吉田大八
原作 吉田和正
主題曲/主題歌 クレイジーケンバンド
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