「バチ?あたってみてぇなァ・・」
チャンネルNECOにて。
現在の世界のTAKESHI監督が、
少しずつ映画とか小説といった分野に
漕ぎ出していたころの作品。
そんで「へー、ビートたけしって単なるお笑い芸人」
って訳ではないんだな、と認識し始めたのも
ちょうどこの頃。
<あらすぢ>
高山和夫は帰省途中に、ある新興宗教団体
の布教活動を目撃し、そのインチキ臭さに
逆に興味を覚え、教団の主管である司馬大介の
口添えで一行に加わることになる。やがて
教団の中では、教祖を純粋に奉り、神への信仰を
全うしようとする青年部の駒村たちと、宗教活動を
金儲けの手段と考える司馬や経理担当の呉ら
二つの勢力があることが和夫にも分かってきた。
だんだん言うことを聞かなくなってきた初代教祖は
司馬に追放され、司馬は教祖など誰にもなれる
大事なのは教義だと、何と和夫を二代目の
教祖に仕立ててしまう・・。
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今でいうフリーター、いやプー太郎か。
気ままな自分探しの旅をつづける
「和夫」(演:萩原聖人)は、ひょんなことから
弱小(インチキ)教団についてゆくことになる。
洗脳されたから、とかそんなんじゃなく
雨風をしのげる、タダ飯、面白そう・・といった
これまた非常にイイカゲンな理由である。
司馬大介(演:ビートたけし)は典型的な
宗教ゴロ。この宗教団体を裏で仕切る。
徹底的な唯物論者で、金と女を手に入れる
ためだけに宗教業界にいる。
最近、元ホームレスの初代教祖
(演:下絛正巳・・下條アトムの親父さんにして
寅さんのおいちゃんですな)
が言うことを聞かなくなってきているので
そろそろ誰でもいいから、教祖を取り替えようと
考えている。
いわゆる「ミコシは軽くてパーがいい」ってやつ。
二代目教祖となった和夫。
はじめこそ、司馬の策略でソープにつれて行かれたり
俗社会の素晴らしさを満喫するものの
だんだんとその気になってきた和夫は
真摯に神に仕える青年部長
(ジブン、この映画の影響もあって青年部って存在がキライ)
「駒村」(演:玉置浩二)の薦めもあって、
荒行に挑戦する。
司馬はどうせ形だけだろうと思っていたが
思いのほか本気度の高い和夫に戸惑う。
「どうして、みんな教祖なんかになりたがるかなァ」
真剣に神で仕える駒村は、
俗の塊である司馬とことごとく対立する。
「バカヤロウ、コノウ
断食で神になれるならなぁ
その辺のホームレスは皆、神だ!」
そしてその対立はついに・・
「ははは・・オレ、駒村殺しちゃったよ」
「やっと神の影がみえたってことなのかな・・」
宗教が組織として、世の中に存在してゆく
要がある限り、世俗に通じている人間は必要になる。
それがいわゆる「宗教ゴロ」であり
この手の輩は基本的に金の臭いがするところ
ならばどこでも出没するし、どこにでも存在する。
「和夫。司馬もいなくなったことだし
誰かが金の面倒を見なければならない訳で・・
俺がやるってことでいいかな?」
司馬=ビートたけしが刑務所へ退場した後
黒幕No2にいた「呉」(演:岸部一徳)が
のっそりと本性を現す。
「信者1000名までが大変でしたよ。
ここまでくれば後は・・」
多分、今はメジャーのキリスト教にも仏教にも、
ここまで人口に膾炙する前段階では
信念なぞまるでない、有象無象たちも
いっぱい混ざってきたんだろうな(あるいは今も)
オチがいい。
転んでもただでは起きない。
宗教にすがる弱さを持つのもヒトならば
俗への飽くなき執着もまたヒト。
光と影は表裏一体。
その両方合わさって「人」なんだろうて。
初見の当時、四国とかあっちの方のでの
ロケかと思ってたけど、茨城の方だったみたい。
キャスト(役名) - 教祖誕生
出演
萩原聖人 (高山和夫)
玉置浩二 (駒村哲治)
岸部一徳 (呉)
北野武 (司馬大介)
下絛正巳 (初代教祖)
山口美也子 (洋子)
もたいまさこ (政子)
国舞亜矢 (朋子)
南美江 (久栄)
スタッフ - 教祖誕生
監督 天間敏広
脚本 加藤祐司/中田秀子
原作 北野武
撮影 川上皓市
美術 磯田典宏
音楽 藤井尚之
歌 桃姫BAND
録音 宮本久幸
照明 磯崎英範
編集 荒川鎮雄
助監督 北浜雅弘
スチール 笹田和俊
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