日曜の夕方、5時くらい?
(ガンダムとかごちゃごちゃやってたあの時間)
テレビで放映中。
第9話「時計仕掛けの虜囚」
捕獲したガミラスの機械化兵・オルタを分析し
ガミラスの情報を引き出す任務につく
AU09(アナライザー)。
ふたつの機械に友情に似た関係が生まれる。
不可解な行動をとり始めたオルタを保安部長の
伊東は破壊しようとするが・・果たして機械に
心はあるのだろうか?
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今回の話は、旧作にはなかった(と思われる)話で
ヤマトの長い航海におけるインターミッション。
この先、ヤマト2199が例えばガンダムのように
三部作なんかに再構成して映画化したとしても
決して組み込まれないであろう、
そんなポエッティな佳作。
「時間よとまれ」「ククルスドアンの島」みたいな感。
今日のヤマト主要メンバーは
差し迫った脅威がないので
ラウンジでお茶会。
時間があるときにアナライザーに
任せていたらしい。4話で古代が撃破した
敵戦闘ロボット(通称ガミロイド)解析の
経過報告から話が始まる。
真田副長とその部下のメガネっ娘
(娘にしては若干トウが立っているが)が
報告するに、ガミロイドの解析結果として
敵のロボットは同じ数学、同じ物理学内で
制作されており、AI(人工知能)も
多重文書処理による論理で動くと推測できたらしい。
沖田艦長は視聴者に解りやすく言う。
「同じルールで将棋が指せる・・ということだ」
宇宙人と異文明間戦争を行っているときに
敵の文化が自分たちと同じリクツで形成されている・・
つまり発想が似ているということで
これはかなりラッキーな部類に入る。
つまり、地球人と同じ感覚で敵を出し抜いたり
敵の戦略を読むことが可能ということだ。
そりゃそうだ。敵がトップをねらえの宇宙怪獣、
アラクニド種、あるいはエイリアンだったりしたら、
理屈も何もない。ただ殲滅あるのみである。
理解できない敵ほど恐ろしいものはない。
アメリカ軍が日本軍の特攻に恐怖したのも当然。
ヤマト首脳部はアナライザーにガミロイドと
友人となってもらい、敵情報を自発的に
話してもらうことにした。その方がラクだし。
アナライザーの教育法なんか
SF「未来の二つの顔」を思い浮かべるが
実際、もっと時間があればガミロイドと
アナライザーはもっと仲良くなれたに違いない。
解析・教育を任されたアナライザーは
ガミロイドと将棋を指すまでに仲が良くなり、
その姿は図らずも沖田艦長の指摘を証明している。
(ロボットなんだから、それぞれ
「外部出力デバイス=手」なんか使わず
メモリ空間でそれこそ瞬時に結果が
出そうなものでありますが、その辺は言うまい)
真田副長はロボットとかアンドロイドとは言わず
オートマータと表現。
オートマータといえばやっぱ「からくりサーカス」だが。
<Wiki先生>オートマータ・・
オートマタ(Automata 、複数形)、
オートマトン(Automaton、単数形)は
主に18世紀から19世紀にかけて
ヨーロッパで作られた機械人形ないしは自動人形のこと。
だそうだ。
表題の「時計仕掛け」といえば
すぐに思いつくのはキューブリック監督の映画
「時計仕掛けのオレンジ」だ。
外見がいくらオレンジでも
機械仕掛けじゃなあ・・
でも、見た目は機械の塊でも
中身はミズミズしいオレンジって存在もありえる。
どちらが高等な存在といえるのか?
敵陣営のロボットなのに、
ついにはアナライザーとの間に
ほのかな友情を見出すまでに至る「オルタ」
人間であるが、人間のふりを演じているだけの
冷酷野郎「保安部長の伊東」
その対比。
ともすれば真田副長も「保安部長の伊東」と
同類項でまとめられてもおかしくない人種に
見えてしまうが、
ご存じのとおり、旧作にて真田さんは
エアカーの大事故により、唯一の肉親である姉と
身体の大部分を失った過去を持つ。
そんな彼が、ヤマト船内ラジオにせっせと投稿し
(「シロシンタ」なるラジオネームを持つ
実名のアナグラムらしい)
数少ないオフには「詩集」を嗜むなど
超理系人間とは思えない私生活をおくる。
ひょっとしたら、真田副長
旧作以上に、物理的には「生命体」の部分を
持ち合わせていないのかもしれない。
仮面ライダーゼクロスみたく、身体の99%が
サイボーグ化、あるいは攻殻機動隊の少佐
みたいに、もう自己と他者の境界がわからず
常に「自分て何?」
「もはや自分は自分といえるのか?」と
己のゴーストに問いかけ、苦悩している存在なのかも。
だとしたら真田さん自身は
オルタ側なのか、保安部長・伊東側なのか。
表面上は保安部長・伊東に皮肉を言ってるから
自分はそうじゃない、と思っているようだけど
果たしてそう言い切れるのか?
一方、ヤマト艦内ネットワークに
勝手にアクセスしてしまう
「ガミロイド・オルタ」
保安科は何やってんだ?という気もする。
「ガミロイド」のコンピュータアクセスが
なにかヤマト機能に悪影響を及ぼしたらしく
艦内では偵察機が帰還するのに、
重大事故寸前となったり、なんかいろいろ大変。
最後、抹殺命令が出たオルタは
「保安科」に甲板上に追い詰められ
自殺に近い形で破壊される。
最後にメモリーチップみたいな奴をオルタから
引き抜くアナライザー。
オルタの返り血(油?)を顔面に受けた
アナライザーは泣いているように見える。
自分なんか「ガミロイド・オルタ」が
ヤマトコンピュータにワルさをしたのかなと
思ってしまったのだが
最後に真田さんが
「分析の結果、オルタのタスクレコードの中に
ブービートラップの発動した形跡はなかった」
と言う。
つまり、彼(オルタ)はヤマト内に
「敵じゃない=友人」を認識していたので、
コンピュータハッキングといった
「悪さ」はしなかったらしい。
彼がヤマトネットワークに見つけた「女神」とは
いったい誰なのか
自分にはよく解らなかったが
今後、話が更に進めば何か解るかもしれない。
(追記:ヤマトの自動航法装置は立ち入り禁止になってて
その中にはどうもイスカンダル3姉妹の(多分2番目)
残留思念がプリインストールされているみたい。
オルタはその「残留思念」とコンタクトしたらしい)
こういう話がドラマに深みを与える。
90分から120分で話にケリをつけないといけない
映画にはできない芸当であるな。
第10話に続きます。
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