2013年07月19日

スプライス

スプライスとは「結合」の意。
昔、映画秘宝か何かの紹介で
一瞬この映画のことが気になったが
また瞬時に忘れてしまった、そんな映画。

映画冒頭に出てくるジンジャーと
ブレッドなる人工生命体。
見た目はまんま、生きている男○器。
新鮮な「移植臓器」生産と
「食糧事情向上」のために作られたもの。
シュミ悪。
こんなものを作り出している時点で、
すでにこやつら主人公科学者カップルも
バイオ会社も「倫理観」と「芸術性」を欠く
人間的にもまったく心情を寄せることが
できないキャラが確定する。

なもんで終始、ああん?勝手にすれば?
という気持ちがぬぐえなかった。

あらすぢ
科学者であるクライブ(エイドリアン・ブロディ)
とエルザ(サラ・ポーリー)夫婦の2人は
法と倫理を無視して禁断の領域に踏み込み、
人間と動物のDNAを配合し、新種の生命体を
創造するという実験を行う。実験は成功し、
新生命体が誕生する。.

クライヴとエルザはその生命体にドレンという
名前をつけ、誰にもこのことが知られないよう、
秘密裏に育てていく。
ドレン(デルフィーヌ・シャネアック)は、
急速に美しい女性に成長する。.

しかし彼女の成長は止まらず、2人の想像を
はるかに凌ぐ、得体の知れないモンスターへ
と変貌を遂げる。クライヴとエルザは
ドレンを抹殺しようと考えるが――。

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ネタバレで行きます。

古典映画「フランケンシュタイン」を
ベースに
昔のイタリア映画「エンブリヨ」
「スピーシーズ」・・
まあ、あの辺が混ざった映画といったところか。
見世物小屋映画だ。

映画は、子供を育てる覚悟も資格もない
科学者カップルの間に、
いわゆる「障害」をもつ子供が
生まれてしまったときの
観察映画的側面を持つ。
ただ、このプロップをそのまま
映画にしてしまうと、自由な映画作りができないし
なにより、この監督が目指す先は
そんな人権教育お涙頂戴映画なんかじゃなく
「エログロ」モンスター映画なのでして
このような映画となってしまったようです。

「たまには僕の言うことを聞いてくれよ!」
とカップル男性側の声が切ない。
そんな声を聞く耳持つはずもなく
サラ・ポーリーは最後まで大暴走します。
ええ、期待を裏切りませんよ。この辺。

娘「ドレン」の名の由来。
「ドレン」の知能実験中、サラ・ポーリーの
来ていたTシャツの柄に
「NERD」(英語でオタクの意)と。
それを見た「ドレン」が文字カードを使って再現。
「DREN」となったもの。
これが日本語だったら「オタク」の反対で
「タク夫」といったところかな。

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ここでCS番組ムービープラスよりCM。
「オブザデッド」シリーズ4作一挙放送!とのこと。

「オブザデッド」シリーズとはゾンビ映画の巨匠
ロメロ監督のゾンビ映画
「ナイト」「ドーン」
「ダイアリー」「サバイバル」の4作品。

CS系統が我が家で観られるようになってから
全部観たや、これら。
いい時代になったのかどうなのか。

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ドレンは、1日が1ヵ月程度に相当するとのことで
最初は陸上を這うオタマジャクシみたいだったのに
やがてマクロスの「リガード」みたいになり
そのうち手が生え、首から上に頭もできて・・
デビルマンかシレーヌか
背中には収納自在の羽根があり
(興奮すると背中から生えてくる)
更にシッポの先には毒バリ。
足はダチョウのような逆間接だが
ボディーは成人女性。
顔は「田中麗奈」に「研ナオコ」を足した感じ。
なお、髪は最後まで生えてきません。

作り物かCGだろうと思ってたら
さすがにシッポや羽根なんかはCGだけども
ボデーや頭は女優が演じたみたい。
まったくもってスゴイ、その女優魂。

デルフィーヌ・シャネアック:Delphine Chaneac

女科学者役のサラポーリー。
昔より全体的に劣化しているのは否めない。

彼女にも問題の過去があり
実の親にさんざん折檻を受けた
アダルトチルドレン。
だもんで、周囲が意のままにならないと
(含む男性科学者)とにかくキレるし

だんだん言うこと聞かなくなるドレンに対しても
昔親から受けたとおり手ひどく折檻だ。
ドレンをセッカンするシーン、
その時のサラポーリーの眼は、
まんま「ドーン・オブザ〜」で
ゾンビとバトルしているときの彼女のそれだ。

自分を一瞬殺そうとした「ドレン」に怒り狂い
サラ・ポーリーは「ドレン」を拘束。
麻酔なしでシッポ切りを敢行する。
中途半端なしっぽ切りをするんじゃない。
やるなら全部切れよ。
(多分すげー生命力なんで、切っても
 スグ復活したでしょうが)

「二人とも混同してる、善と悪を」

倫理観の欠如している科学者夫婦の
これまたその背中を見て育つ子供。
元々モンスターなんだから、
(面白いから)猫は殺すは、性にタブーはないわ・・。

お父さんも、娘(ドレン)に誘惑されるや
すぐパンツ脱いじゃうし、ダメダメじゃんこいつら。

そこをサラ・ポーリーが目撃する。
状況破綻に見事なダメ押し。
あれじゃあ「誤解も六階」もあったもんじゃない。

ドレンは動物とサラポーリーの遺伝子から生まれ、
まあ娘みたいなもんだな。
その娘と科学者男はあろうことか・・
スプライス!
おそらくその影響もあってドレンは男性化、
今度は母親に胎内回帰・・そして妊娠。
まったく書いていてウツになるが
そういう筋書きだもの。

ロリコン、ファザコン、マザコン、近親相姦、
父親殺し、母殺し、アダルトチルドレン、
エディプスコンプレックス等々うんぬん、
心理学とかに出てきそうな
ヤバ目のケーススタディ博覧会。

社会の「ゆがみ」を構成する人間関係は
だいたいこのお三方が持ってます。
それほどこの三者(科学者カップルとドレン)の
関係は複雑怪奇となってしまいました。
ちゃんちゃん。

公式ホラー
「エロスとタブー」を交配した”至高の美女”
禁断のサイエンスホラー〜なのだそうな。
↓   ↓
http://www.splice-movie.jp/

撮影が何気に「日本人」。
頑張っていらっしゃいます。

原題 SPLICE
製作年 2010年
製作国 カナダ=フランス=アメリカ
配給 クロックワークス
上映時間 104分

スタッフ
監督 ヴィンチェンゾ・ナタリ
脚本 ヴィンチェンゾ・ナタリ 、
   アントワネット・テリー・ブライアント 、
   ダグ・テイラー
原案 ヴィンチェンゾ・ナタリ 、
   アントワネット・テリー・ブライアント
撮影 永田鉄男
音楽 シリル・オーフォール
編集 ミシェル・コンロイ

キャスト
クライヴ・ニコリ/エイドリアン・ブロディ
エルサ・カスト/サラ・ポーリー
ドレン/デルフィーヌ・シャネアック
ジョアン/シモーナ・メカネスキュ
ウィリアム・バーロウ/デイヴィッド・ヒューレット
ギャビン・ニコリ/ブランドン・マクギボン
ドレン(子供)/アビゲイル・チュ

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(サ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする