2013年08月13日

学校の怪談

「学校の怪談」

おなじみ日本映画専門チャンネルから。
東宝特撮王国の一環として放映。

キャッチコピー
「こんどの夏休みに、出ます」
「ウワサがホントになりました」


4月に小学校に入学したばかりの息子が
「ボクの学校には「トイレの花子」さんが
 いるんだって。
 ○○ちゃんが見たっていってたもん」と報告。

ほうほう、ついに息子にもそんな話が
流布する社会に突入したか、と軽く苦笑。

ジブンは1971年生まれであるが
小学一年生の5月の中休み(3時限目の前)に
○○くんがクラスで披露したのが
恐怖の始まりだった。そう「口裂け女

で、息子は「トイレの花子さん」を
詳しくは知らない
って事だったので、
そういえば近日中に
この映画が放送されるなあ、と
思い出して一家で録画鑑賞した次第。

あらすぢ
夏休みを翌日に控えた、一学期終業式の日の
夕方。小学2年生の美夏は、忘れた絵の具を
探しに学校に戻っていた。するとそこで美夏は、
サッカーボールが自分を導くように旧校舎へと
転がっていく不思議な光景を目撃する。
旧校舎は取り壊しが決まって立ち入り禁止に
なっていたが、お化けが出ると子供たちの間で
噂になっていた。しかし、美夏はボールに
つられて中へと入ってしまい、そして
トイレの中で何者かに襲われてしまう……
美香を心配した、5年生で姉の亜樹は、一人
学校を訪れ、何者かに吸い寄せられるように
やはり旧校舎へと入っていく。そこにいたのは、
イタズラしようと忍び込んでいた同級生の
研輔と将太、4年生で双子の兄の均、
そして6年生の香織だった。
転校してきたばかりで、同級生となじめて
いなかった亜樹は、研輔達と衝突し、単独で
妹を探しにいく。しかしやがて、5人は自分たちが
旧校舎から出られなくなっていることに気づく。
そして・・

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KAIDANではなく
小泉八雲氏から続く伝統?の表記
KWAIDAN
であるあたり、ニッポンの言葉というものを
解っていますねぇスタッフのひと。



当時の映画ポスターがなんか印象に残ってる。
ブキミな夜の校舎を背景に
黄色文字で「うひひひひひ・・・」のキャッチー。
たしかに「ひ」の字には
ブキミさが漂う。ジブンだけかな?

1995年、今から18年前の映画。
その月日の経過の速さにこそ
正直恐怖を感じるが、
さすがに映画公開時はもちろん
今もコワいと思うような年齢じゃあない。
でもそのころ、この映画の恐怖感を
心身で感じることのできる世代だった
小学生低学年だとして、その彼らは
現在27〜29歳?
その世代にはトラウマになったかも。

演じている役者が若い。
(冒頭で当直の先生を演じた
 笹野高史さんだけは
 全然変わっていないのが笑える)
てんで使えない教師を演じる野村宏伸
田原俊彦の弟分という印象が今も消えない。
最近ではドラマ「とんび」にでてきた坊主
照雲役が印象的。

あっちもそうだったが、
頼りになりそうでならず、
話を聞いていないのかと思えば、
それなりに聞いている、という
天然ボケキャラがぴったりだ。今も昔も。

話はジュブナイルホラーというか
命は保証されているお化け屋敷探検。
保証されているといっても結果論で、
子供たちは上へ下への大騒ぎ。
昔から各地で伝承してきた
学校の怪談(7不思議とか)を
並べてビジュアル化、
それだけじゃ映画として成り立たないので
ジュブナイル風味に味付け、そんな感じ。

ジブンは案外、楽しんで観ることができた。
楽しみの多くは、息子が怖がる様を
興味深く観察できる面白さだったけれど。

サバイバル小学生連のひとりで
ある意味、キーマンであった
赤いチェックシャツの女の子役。
出てくる女性陣のなかでは
唯一将来を感じさせる子役
だと思ったら
演ずるは「岡本綾
ジブンとの縁は、映画
「地下鉄(メトロ)に乗って」の
ヒロイン役でした。
PONが注目するまでもなく、この映画で
脚光を浴びた彼女は、NHK朝ドラ主演したり
中村獅童と不倫したりと
いろいろあったようですが、30歳になった
現在、女優を引退したとのことです。
以上はWiki情報。

自分がこの映画で一番ビックリしたのは
妹を探しに来た「亜樹」のこと。
初登場から、ワンパクな二人と盛んに
口げんかしているが、ちょっとナヨッた口調の
「男子」だとばっかり
思いこんでいた。
そしたら最初から「女の子」だったようで
・・ポリポリ。

舞台は学校であるから
それぞれの教室に見せ場がある。
テッパンの「トイレ」をはじめ「教室」
「理科室」「理科準備室」「音楽室」
「保健室」「図工室」「鏡のある階段」に
「倉庫」・・
学校から足が遠のいて久しいが
学校って確かに「実用的なモノ」が
不足している場だよな〜。
(サバイバルに役に経ちそうなものが
 全然ない、つまり武器とかお守りとか
 食料とか・・)

・冒頭、うろつくメリーさん「職員室」
・トイレの花子さん「トイレ三番目のドア」
・ふらつく人体解剖人形、ガイコツ
 動く標本「理科室」
・(唐突に)口裂け女:「保健室」
・巨大小学生:「廊下」「物置」
・(お約束の)誰もいないのに奏でるピアノ
 「音楽室」
・動いて巨大化するマドハンド粘土細工「図工室」
・テケテケ「廊下」
・13段ある階段とあやしい「鏡」


やっぱ一番ブキミな要素を持つのは「理科室」。
最初のころ子供らは
(行きがかり上ではあるけど)
「理科室」を拠点にする。
そんな、解りやすいところを
集合地点にしてはいけない。

息子はすっかり「志村うしろーッ!」状態で
なにかってーと単独行動や
てんでバラバラに逃げ回る映画の子供らに
さかんに、それこそ本気で文句を言ってました。
懐かしいな。あの年の自分を思い出す。

あらかた「物の怪」が登場したころ
「クマひげ」(演:佐藤正宏)なる
見た目普通の用務員さんが
ブツブツ言いながら掃除を始める。
さんざん化け物に脅されて
やっと出会ったマトモそうな人に
「この際、俺たちにはこういう人が必要だよ」
とのたまう子供が、いかにも現代っ子でよい。

このクマひげ用務員。
「廊下を走るな」「物を散らかすな」
「こんなところに小便スンな」
「最近の教師はいったいどんな教育してんだ」
等々、よく愚痴をこぼしている。
校内美化や公序良俗に厳しい男。
あまりに泰然自若すぎて少々アヤシイ。

なお、この「用務員」という職制に
ついては、取り上げ方に注意
したいものである。場合によっては
発禁処分になりかねません。

「子供が隠れるところなんて
 だいたい見当がつきますわな・・」

ってセリフが楽しい。

クマひげ用務員は、実は野村宏伸先生が
小学生だった頃と同じ姿をしていることが
判明し、こりゃどう考えても
この世のモノじゃないと誰もが思う。
その正体は…。

クリーチャー(寺田克也氏デザイン)が
出てきたあたりから
妖怪映画じゃない、なんかもう違う映画と
化してしまうが、そんなことはいい。

正体が「怪奇クモ男」だったクマひげ用務員。
子供らを追いかけているうちに
彼の黒縁メガネが床に落ちてしまう。
メガネにはブキミな目玉付きだ。

野村宏伸先生が、これまた根拠不明ながら
クマひげモンスターの「弱点」だと
看破したようで、生徒に向かって
「踏めー、踏むんだ!」

・・無茶言うなよ(笑)先生。

実はクマひげ用務員は二段変形する。
完成形「インフェルノ
ザ・フライとかで見たことがあるような
キメラ型モンスター。
こいつだけは今までの生ぬるい
脅かし攻撃ではなく、本気モード。
どうもクマひげさん自身は悪い幽霊じゃなく
気がよすぎて
第一段階では「巨大クモ」に
第二段階では「なんかの化け物」に
憑りつかれてしまっただけのようです。



息子(6歳)はもうめちゃめちゃ怖がって
ジブンから離れようとしません。
かく言うPONもてめー6歳のキオクが
蘇えった次第。
東京タワーの蝋人形館で
ドラキュラおよびフランケンシュタインの
出来栄えが凄くて、オヤジから
離れようとしなかったからな。
未だに東京タワーには「化け物屋敷」の
印象をもち続けるPONなのでした。

スタッフ
監督:平山秀幸
企画:サンダンス・カンパニー
製作:藤峰貞利、高井英幸
プロデューサー:酒井良雄、藤田義則、瀬田一彦
原作:常光徹、日本民話の会
脚色:奥寺佐渡子
撮影:柴崎幸三
SFX:中子真治
美術:中澤克己
編集:川島章正
音楽:Fuji-Yama(諸藤彰彦、山崎茂之)
音楽プロデューサー:高桑忠男(東映音楽出版)
助監督:蝶野博
クリーチャーデザイン:寺田克也
製作:東宝
東宝=サンダンス・カンパニー提携作品

キャスト
小向伸一:野村宏伸
篠田亜樹:遠山真澄
篠田美夏:米澤史織
中村研輔:熱田一
瀬川将太:塚田純一郎
千葉均:町田耕平
千葉一:町田昇平
小室香織:岡本綾
中村由美子:杉山亜矢子

クマヒゲ:佐藤正宏

口裂け女:佐藤勝栄
花子さん:小西杏奈
校長先生:久保晶
均・一の母:広岡由里子
湯川先生:余貴美子

当直の先生:笹野高史

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(カ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする