2013年09月27日

サバイバル・オブ・ザ・デッド

「サバイバル・オブ・ザ・デッド」

CSのムービーアルファにて放映。
なんだろ?ロメロ映画特集だったんかな。
この頃やたらとゾンビ映画ばっかり放映してた。

「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」の
姉妹映画。
てなわけでコレもジョージ・A・ロメロ監督作品。

あらすぢ
世界で死者がよみがえるようになって6日後。
デラウェア州沖、大西洋に浮かぶプラム島では、
死者は眠らせるべきと考えるオフリン一族と、
死者は生かしておくべきと考えるマルドゥーン
一族が対立していたが、数で勝るマルドゥーン側が
相手側リーダーのパトリック・オフリンら数名を
島外へ追放した。

それから3週間後のペンシルベニア州
フィラデルフィア。軍から脱走した元州兵の
サージたちは、とある集団を襲った際、
生き残った若者のボーイから「安全な島」の
情報を知らされる。

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うーん。
それなりに面白かった・・が
二度見するほどではない。
ロメロ氏が監督でなかったら
B級にしちゃそれなりによく出来た
ビデオ映画として上映もされず埋もれてゆきそう。

あらすぢにもある通り、追放された側の
オフリン一派は、外部から助勢を引き連れ
故郷の小さな島へ舞い戻ってくるわけだが・・
プラム島が舞台になった瞬間
めちゃくちゃ規模が小さいお話になってしまう。

今回、ロメロ先生がソンビ映画を通して
語りたかったのは・・おそらく

こんな状況になってもやっぱ人間はバカです
ってことと
ゾンビを飼い馴らすことは可能か?
という実験視線。

この二点。

地獄が現実世界になってしまうと
皆ただ生き残るのに必死で、
ヒーローになる余力のある奴などいるはずもなく。

この映画の主人公がかろうじて主人公なのは、
ここまで、必要以上には殺人をしてこなかった
という、ただそれだけ。それも「たまたま」

前作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」の記事でも
書いたけれど、この映画の主人公ドモは
道中、通りかかった学生のバスから
生活物資を巻き上げるている。
その被害者の学生たちが、前作の主人公たちだったり。

シーンが唐突に浮いているのですぐ解るし
どちらかの映画しか見ていない人には
なに?今のシーン?で終了するあっさり感だ。
彼らにとって「日常」だからな。

脱走州兵たちが最終的に目指すことになる
デラウェア州沖の大西洋に浮かぶ「プラム島」。

島では大陸から移住してきた2つの家系が
勢力を持っていて
死者は眠らせるべき」=射殺しろと考える
オフリン家
死者は生かしておくべき」=病気の一種だから
いつか治る、と考えるマルドゥーン家

はっきり言って、両家の殺し合いに
発展するほど対立しなきゃならない話じゃないし
話がオフリン家側から描かれているのも
主人公とたまたま最初に接触したからにすぎず、
ゾンビ射殺論にしたって、仮にマルドゥーン家が
先に言い出していたら、じゃあ俺ら(オフリン家)は
反対、とゾンビ擁護派に回っていたと思われる。
そんな程度なのだ。どっちもアホ。

んで、監督はこの期に及んでも喧嘩をやめない
人間のアホさを描きたかった様子。
もはや趣味の”ゾンビ映画”を作りながら・・。

んで、趣味の方。
「ゾンビを飼い馴らすことは可能か?」
という実験視線。

島を追い出されたオフリン家リーダー老人に
連れてこられる形で主人公達が上陸する。
かつてのオフリン家の農場には
使用人たちがゾンビとなって
生前の仕事をただひたすらトレース動作している。
某TDLアトラクションの人形のようだ。

オフリン家リーダー老人はつぶやく。
「くそ、アイツらめ!
 ワシの農場をこんなにしやがって」


そこへいきなり馬が視界を横切る。
馬上には女性が乗っているようだが
様子がヘン。周囲には無反応で
ただひたすら馬に乗っているよう。
よく見れば、目が死んでいる。
ああ、娘だ

そう。本邦初公開。

騎乗するゾンビ!

ここ笑うとこ?

あにはからんや、実は物語の動向を
少しだけ左右する重要なシーンのようでした。
といいますのも・・

◆世のゾンビは人を見ると襲うバカばっか
 ↓
◆なのにオフリン家の娘(現ゾンビ)は馬に乗ってる
 ↓
◆彼女は乗馬が大好きだったな
 ↓
◆ってことは・・ゾンビに食欲以外の「趣味」
 (興味の対象)を与えれば
 人間を襲わなくなるのではないだろうか?
 ↓
◆ええっもしかして人類の未来に光明が?

不思議な観点もあったものであるが
脱走兵の立場なぞどこかへ
映画はいつの間にか
そんな話が焦点になってきました。

てなわけで選択肢は二つ。

if 娘ゾンビが馬を襲わない
⇒ゾンビを飼い馴らせる可能性あり

if 娘ゾンビが馬を襲う
⇒やっぱゾンビはバカ

以後、映画の人たちは、ゾンビの行動を注視しつつも
西部劇のように、島の牧場で意味不明な
射撃戦を繰り広げるのでした。

「お前らそんなことやっている
 バアイじゃないだろう?」

ひとことでいえばそうなりますかね。

ネタバレしますと、ラスト、ゾンビの皆さんは
「馬」を襲撃、生きたまま食べちゃいます。
・・なんと、ゾンビは人しか襲わないというのは
間違いでした。かつて、ゾンビは「犬」に
興味を示さない・・って設定の映画がありましたが、
アレ嘘だったんですね。

ダメじゃん。ゾンビ。やっぱ底なしのバカでした。

「”敵か味方か”の世界では−」
「どちらが正しいかは 水掛け論になる」


「戦いの原因は忘れ去られ
 最後は意地の張り合いだ」


・・ところがどっこい、島の有力者二人は
死んでもなお互いをやっつけることにしか
興味がないようで、フルムーンの下
弾の入っていない拳銃をカチカチ向け合う。

皮肉にも、強烈な思念を残してゾンビになった奴は
食欲よりも生前の行動を優先する傾向がある
ことも
また解ってまいりました。
ということは、ゾンビ娘は、死後に執着するほど
馬術が好きじゃなかったってことなのかも。

主人公はどうしたかと申しますと
生き残った少数で島を脱出、
また地獄へ戻って行きました
・・島でゾンビを掃討したほうが
まだ生き残る率が高いのでは?



サバイバル・オブ・ザ・デッド
Survival of the Dead
監督 ジョージ・A・ロメロ
脚本 ジョージ・A・ロメロ
製作 ポーラ・デヴォンシャイア
製作総指揮 D・J・カーソン
マイケル・ドハティ
ダン・ファイアマン
ピーター・グルンウォルド
アラ・カッツ
アート・スピゲル
ジョージ・A・ロメロ
パトリス・セロー

出演者
アラン・ヴァン・スプラング
ケネス・ウェルシュ
デヴォン・ボスティック
リチャード・フィッツパトリック

音楽 ロバート・カールリ
撮影 アダム・スウィカ
編集 マイケル・ドハーティ
配給 マグノリア・ピクチャーズ
   プレシディオ
公開 2010年5月28日
上映時間 90分
製作国 アメリカ合衆国
言語 英語

前作 ダイアリー・オブ・ザ・デッド

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(サ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする