2014年03月29日

ももへの手紙

「ももへの手紙」

CSチャンネルNECOで放映。
ジブリの流れに乗れなかった企業が
俺らも負けずにジブリ利権を造り出すぜっ!
とばかりに作ったようなアニメ。
(あるいは細田守系でも可)

全体に冗長で
面白くなるまで時間がかかる。
話の盛り上げ方もかなり無理くりだ。
観終わった後、もう一度くらいは
見返してもいいかな・・というレベルでした。

あらすぢ
父を事故で亡くしたももは母親のいく子と共に、
いく子が嘗て住んでいた瀬戸内の港町『汐島』に
移り住む。ももは生前の父と喧嘩して仲直りが
できないまま死に別れた。彼女に父が残した
ものは、「ももへ」とだけ書かれた、書きかけの手紙。
最後に心ない言葉をぶつけてしまった事を
悔やむももは、父が急死した現実を受け
入れられず、島の生活にも慣れず、周りの人
ともなかなか打ち解けられずにいた。
そんなももの元に、イワ・カワ・マメという
3匹の妖怪が現れ、半ば強引に家に居着いてしまう。
食欲旺盛でなぜか家から出て行かない彼らに
困惑するももだが、彼らには「見守り組」と
いう大切な使命があった……

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まず、絵はきれい。
さすがはI.Gタツノコだ。

訳ありで田舎に引っ越してきた
子供がモノノケと交流する話。
どうしてもトトロと比べてしまう。

ジブリ作品同様、絵はち密なんだけど
この映画の致命的な点は、キャラデザイン
(人間も妖怪にも)に魅力を感じられないとこ。
PONの好みもあるかと思うけど
一番よいと感じたキャラデザインは
”もも”の母親(39歳)だったから。

別にプリキュアみたいにアニメ絵である
必要もないけれど。
やはりジブリの”おもいでぽろぽろ”みたいに
リアル追求デザイン顔のヒロインが
ほうれい線ばっちりで”ニコッ”とかされても
なんか気味が悪いだけ。

トトロがトトロのデザインで落ち着いたことに
ミヤザキ監督のあざとさ、というか
したたかさが感じられる。

トトロの正体がトロールモンスターなら
もののけ姫に出てくる連中みたいに
もっと醜悪なデザインであってもいいはずなのに
そのままぬいぐるみ化できるデザインとする。
あの監督は、ほんと子供の嗜好というか
世のB層の好みというものが解っている。

監督にとってトトロは、
話の通り、子供の味方でありさえすれば
デザインなんかそれほど
こだわりがないんだと思う。

一方、この映画の妖怪3人組は
間違っても子供ウケするデザインじゃない。
変なとこ真面目にリアル狙いだ。



もものお母さん(39歳)役の優香。
意外に、演技がうまかった。
一方、主人公”もも”のほうはダメダメ。
ジブリアニメも生粋の”声優”じゃなくって
俳優を起用するようになってずいぶん経つが
それにしたって”もも”の声は酷かった。
(サマーウォーズの主人公&ヒロインも酷かったが)

子役は(一応18歳未満としておこう)
プロの声優に任せた方がいい、と改めて感じた。
プロの声優の子供は、リアルな子供の声ではなく
どこまでも”つくられた”子供の声であることは
もちろんだが、それでも安心して観ていられる。

話に戻るけれど、
気弱な郵便局員。単なる脇役かと思いきや
意外に話に貢献する。
でもな・・愛車のスーパーカブじゃなくって
一度、郵便局に戻ってミニバンくらいに
乗り換えてから行けよ。
チキンなれば普通そこはそうするだろ。

帰路は結局どうしたんだろうか?
今治のお医者を無理やり
島へ連れてきちゃったんだろうか?

最後に、前も書いたが
チャンネルNECOでの放映作品は
”字幕”が出ないものが大半で
この映画も一部演技が下手(声量が小さい)と
何言ってんだか聞き取れないところがあった。
ここはぜひ”字幕”対応にしてほしい。
視覚障碍者のためにも。



なお、監督・脚本・原案の沖浦啓之氏とは
Wiki先生によれば
「AKIRA」や「老人Z」の原画をはじめ
ダグラム、ウラシマン、ボトムズ、ガリアン
エルガイム、モスピーダ、ビスマルク
レイズナー、ジリオン、シティーハンター2
シティーハンター3、Vガンダム、Gガンダム
の動画や原画を描いてきている。
PONもお世話になった
業界の苦労人のようだ。

ももへの手紙

監督:沖浦啓之
脚本:沖浦啓之
原案:沖浦啓之

出演者
宮浦もも(みやうら もも)声 - 美山加恋
宮浦いく子(いくこ)声 - 優香
宮浦カズオ(かずお)声 - 荒川大三郎
大おじ 声 - 坂口芳貞
大おば 声 - 谷育子
イワ 声 - 西田敏行
カワ 声 - 山寺宏一
マメ 声 - チョー
幸市(こういち)声 - 小川剛
陽太(ようた)声 - 藤井皓太
海美(うみ)声 - 橋本佳月

音楽:窪田ミナ

主題歌
原由子「ウルワシマホロバ 〜美しき場所〜」

撮影:田中宏待
編集:植松淳一
製作会社
「ももへの手紙」製作委員会
配給:角川映画
公開: 2012年4月21日
上映時間:120分
製作国:日本

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(マ行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする