キャッチコピー
「その出会いは偶然なんかじゃ……ない」
「『終着駅は、きっと笑顔。』」
久々TSUTAYAんで妻がレンタル。
「人は皆、言ってもしかたない
思いを持って生きてる」
メインキャラである中谷美紀のセリフ。
つまり”A.Tフィールド”と思えばよい。
一人一人が壁を溶かして話し合えれば
かなりハッピーに近づく、という理想。
だからといって電車内で
たまたま行き逢った人たちと
深く人生相談できるかといえば
どこまでいってもそれはファンタジーだ。
<あらすぢ>
始点から終点まで片道15分のローカル線、
阪急今津線の電車内を舞台にした、有川浩の
小説を映画化した群像ドラマ。乗客たちの
目を通して、偶然同じ車両に乗り合わせた
人々の人生を映し出していく。婚約中の
恋人を後輩寝取られたOLと、DV恋人に
振り回される女子大生を演じるのは、
中谷美紀と戸田恵梨香。そんな不幸な
彼女たちにもたらされる奇跡と、
ハートフルなストーリー。
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セガサターンの名作ゲーム
「街」 みたいな映画にして
阪急電鉄のPR映画。
RAILWAYSシリーズ
(第一弾:一畑電鉄
第二弾:富山地方鉄道)
に含めてしまってもいいような、そんな感。
ベースは中谷美紀演じる、後輩に彼氏を寝盗られた
OLのエピソード。
これにタマタマ阪急今津線沿線住民の
細かなエピソードが絡む。
仕方ないのだが、人間関係が少々
定形的というかわかりやすい。
(デートDVに悩む女子大生であるとか・・)
残念ながら、自分は関西人ではないので
阪急電鉄そのものにはまったく思い入れがない。
いちいちキャラとキャラの持つエピソードを
頭に入れるまでが、難儀といえば難儀だけれど
やはり観はじめると引き込まれる。
「名前もしらない他人が人生に影響あるとは
思いもよらず」
中谷美紀、顔がますます怖い。
女というものの情念を感じる。
劇中でなつばっぱ(宮本信子)に救われ
途中で買った西友的服に着替えるんですが
あらいい女じゃないですか!
「歳と考え方は関係ない」と言う
”宮本信子=なつばっぱ”演じる老女が
結局だいたいの話を締めて終わる。
その彼女、映画とはいえ万事
ニュータイプ級に「ものわかり良すぎ」なのは
イナメナイヨネ。
そんな”なつばっぱ”の孫娘を演じるのが
あの芦田愛菜。
こういうところで”天才子役”として実績を
積み、世に名前を売るのだな。
勝地涼演じる地方出身大学生。
彼ここでもミリタリー系(笑)
ミリタリーオタクでメタルオタク。
大学デビューなんで恋人もいない。
そのミリタリー勝地と仲良くなる女子大生を
演じるのが谷村美月。彼女、何気に
いいスタイルなのだが、ひとまずこの映画には
関係ない。
あまちゃんでブレイクした有村架純。
受験を控える高校生なのに
社会人の男と付き合っている、という
ケシカラン女子高生を演じている。
(その恋の行方にも
一応しっかりとオチはあるのだが)
そして有村架純の友人。
どっかで見たなあ、と思えば
”拝啓 鉄道人”のすうちゃん、こと
森田涼花じゃないですか。
彼女、映画の撮影ということで
”拝啓 鉄道人”ロケを欠席したことが
何回かあったようだけれども
ひょっとしてこの映画の撮影だったのかも
しれない。どうでもいいことだけれどね。
それにしても”なつばっぱ”の
若い頃を演じる役者、よく見つけてくるなあ。
なるほど、というくらい似ている。
これも”なつばっぱ”のセリフ。
「泣くのはいい、でも自分の意志で
涙を止められる女になりなさい」
あるキャラが絡む”ストーカー騒ぎ”と
”電車内で騒ぐ大阪のおばはん”
に対する映画が出す行く末は
所詮”理想像”すぎない。
でもだからせめて映画の世界では
”理想像”を求めるのかもしれない。
てなわけでナニワのオバハン軍団を
映画内でどうケリをつけるのかと思えば
なつばっぱの超人性に任せて終了。
ストーカーといえばクローズ・ゴリラ
(演:高橋努)が出てる。
それも結構ステキな役で(笑)
戸田恵梨香のセリフ。
「価値観の違う人達とは辛いと思えるうちに
別れた方がいい。
そのうちそっちの価値観に慣れてしまうから」
またまた中谷美紀が言う。
「綺麗な女はねえ、損するようにできてんのよ」
ラスト。メインキャラ中谷美紀と
ツートップを張る戸田恵梨香。
あれ?この二人は電車内でクロスしたっけ?
おお、ババア軍団の席取り合戦に負けて
苦笑いした時だ。
まあ、いい映画でした。
阪急電車 片道15分の奇跡
監督:三宅喜重
脚本:岡田惠和
原作:有川浩
出演者
高瀬 翔子 - 中谷美紀
森岡 ミサ - 戸田恵梨香(兵庫県神戸市出身)
伊藤 康江 - 南果歩(兵庫県尼崎市出身)
権田原 美帆 - 谷村美月(大阪府出身)
門田 悦子 - 有村架純(兵庫県伊丹市出身)
萩原 亜美 - 芦田愛菜(兵庫県西宮市出身)
小坂 圭一 - 勝地涼
カツヤ - 小柳友
マユミ - 相武紗季(友情出演)
(兵庫県宝塚市出身)
羽田 健介 - 鈴木亮平(友情出演)
(兵庫県西宮市出身)
披露宴の会場係 - 大杉漣(特別出演)
小峰 比奈子 - 安めぐみ
小林駅の駅員 - 菊池均也
門田 悦子の友達 - 森田涼花(京都府出身)
樋口 翔子 - 高須瑠香(大阪府出身)
健吾 - 高橋努
遠山 竜太 - 玉山鉄二(京都府出身)
萩原 時江 - 宮本信子
(若い頃の時江 - 黒川芽以)
この他にも、宝塚歌劇団5代目
宙組トップ娘役の実咲凜音も出演。
音楽:吉俣良
主題歌:aiko「ホーム」
撮影:池田英孝
編集:普嶋信一
製作会社:「阪急電車」製作委員会
配給:東宝
公開:2011年4月29日
上映時間:120分
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