BS6CHでなにげに放送していたので
録画観賞。もちろん独りで。
同シリーズを何作かを観て
それなりに楽しんでいた小学時代があった。
そこから何かこじらせてしまうと
こーんな物に手を出そうとしちゃったりするが
さすがに購入する資金もなかった。
ちなみにこーんな物
大概は、模型屋の棚の上で
埃をかぶったまま閉店セールまで
残っていたりしまして・・
たいへん趣深いです。
<あらすぢ>
銚子市場から次の荷を高知へ運ぶことになった
桃次郎とジョナサンは、カーフェリーで高知に
むかった。同じ船に乗り合せた地方廻りの歌手、
小野川結花(演:石川さゆり)が
楽譜を海に落としてしまい、桃次郎は海に投び
込んでかき集める。高知についたところ、
ジョナサンは急に目がくらんで蛇行運転、
診断を受けると、脳血栓の疑いが。
悲観したジョナサン、足摺岬で自殺を企るも、
そこへドライブインの店員、風美子(演:森下愛子)
が現れ、助けられる・・。
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オープニングでは山口線のSLやまぐち号と
一番星桃次郎号が爆走共演。
トラック業界はよく判りませんが
鉄道はそれなりにウルサイので書いておきますと
やまぐち号の客車は国鉄色、無改造の12系。
JRマークも無く、まだ国鉄時代なのでした。
桃次郎らが銚子から土佐にむかうため
乗り込むフェリーが”さんふらわあ8号”
(なんかフィリピンに売られていって
現在も頑張っているようです)
自分のような古い人間には
たまらなく懐かしいCMソングだ。
そんな”さんふらわあ8号”のデッキにて
石川さゆりがいきなり歌ってる。
「私の生業は歌手です!
ここから物語に参戦いたしますよ」
と言わんばかり。
そしてダブルヒロインのもう片方に森下愛子。
幸薄そうではあるが、なかなか色っぽい。
数年前の朝ドラでは
武田鉄矢の妻で若年性健忘症という
不思議な設定の役を演じられてたけど
月日は移ろうものだなあ。
忘れてましたゴメン。
主人公、星桃次郎こと菅原文太氏。
先日、健さんに続いてお亡くなりになりました。
以前、ご本人が話していたことですけど
結局このトラック野郎ってのは
松竹のドル箱「寅さん」に対抗して作られた
東映版「男はつらいよ」だったようで。
でも桃次郎、寅さんよりも
かなり女性に積極的で、仲良くなるためなら
ゴリ押しするし、後さき考えず底の浅いウソを
つきまくります。
(本作の桃次郎は国立音楽学校演歌部卒らしい。
代表作は「結花に笹げるバーラド」)
デコトラ、一番星マーク、腹巻にセッタ。
そこに品格とか知性はみじんもありませんが
いいのです。
これは大衆娯楽映画だからです。
桃次郎の舎弟のトラッカー。
”やもめのジョナサン”に愛川欽也。
この方も先日「あなたの町の宣伝部長」を
退任されたようですね。
シリーズ全盛のころには、ジョナサンと
桃次郎は公私ともに仲が良い、と
盛んに喧伝されてましたが
そんなハナシも実は東映の宣伝の一環にすぎず
かなり疎遠だったことが
先日の菅原文太氏の訃報でバレてしまいました。
キンキン、文太氏の近況を
なーんも知らなかったもの。
恋敵役の土佐犬連れまわすトラッカーに、
原田大二郎。
若いな。それに結構カッコいい。
いつか横綱に!と一目ぼれした
土佐犬をトラックに乗せて全国を飛び回っている男。
せっかくの素質があっても、
犬にそんな生活させちゃあなあ。
勝てるモノも勝てないと思うが。
そうそう、昭和時代のハンサムって
あんなだった。
現在のように性別不明のイケメンとかじゃない。
今も昔も大根なのは変わらずだけれど。
桃次郎がヤクザの事務所に乗り込み
キャバレーで大乱闘が始まっちゃうんだが
いいなあキャバレー。まさに昭和のリーマン文化。
鼻メガネにサンタの扮装(コスプレじゃない扮装)。
ドサ周りの歌手が聴かれることのない歌を歌う。
二人そろってサンタの扮装をして
ソリに乗るシーンなんか皆目意味不明。
いろいろあって愛子ちゃんは
土佐犬野郎とくっつくのだけど
ドサ周りに疲れてしまった石川さゆりは
気の迷いからか「桃次郎さんと結婚してもいい」と
謎のサプライズ宣言。
でも、そうなると急に背中を向けちゃうのが
トラック野郎と寅さんのオヤクソク。
ところがそんな石川さゆり、
急に大舞台デビューが決定する。
大阪行きのフェリーに間に合わせるため
南国土佐を爆走する桃次郎!
トラックは意味もなく未舗装でぬかるんだ道路に
さしかかるも、タイヤが空転!
石川さゆりに一番星号のハンドルを任せ
桃次郎は車体を肩で押して泥だらけ。
なんて意味のない奮闘なんだか。
ファイトォー イッパーツ!
(言わんけど)
爆走を続ける一番星号に
またまたお約束が。
高知県警パトカー軍団の皆さんです。
トラック野郎とパトカーは水と油。
一番星号は右に左にと蛇行運転を繰り返し
パトカーは都度戦線離脱してゆく・・が
多勢に無勢、桃次郎危うし!
そんな時、颯爽と登場
あれこそは原田大二郎の南国土佐犬号だッw
大二郎のトラックが文字通り
カラダを張ってパトカーを阻止している間に
一番星号は港へと急ぐ。
こういった毎度毎度、警察をコケにするシーンが
あるためか、警察からいい顔されず
シリーズが短命に終わったって話もあります。
やっと到着、高知港。
「桃次郎さん、ワタシ、本当に
あなたのお嫁さんになりたいんです!」
女性にここまで言わせておきながら
惚れた女にやっと掴んだ夢を追ってもらうため
「迷惑だぜ」
と素気無い態度を選択する桃次郎。
いやいやいや、お約束でもダサカッコいい。
ラスト、いつの間にか増殖したデコトラが
大行進を空撮。先頭はもちろん一番星号。
決してうまいとは言えない
桃次郎の「一番星ブルース」が流れて幕。
あの榊原良子がドライブインのウェイトレス役
として出演。きちんと出演者として名前が
出てきますが、言われないと解からないかな。
榊原さんといえばハマーン様とか
南雲隊長とかですね。人に歴史あり。
なお、ご存知かと思いますが
良子は「よしこ」と読みますので
よろしくお願いします。
トラックはドサ周りに(宣伝)さんざん
使われた後、東映の倉庫だかで
ずっと眠っていたらしいのだが
先日、デコトラック協会(哥麿会・うたまろ会)
が譲り受け、腐っていた電飾なんかをリメイク
現代に再生したらしいです。
素晴らしいね。
アオシマも少しは協力したのかなぁ。
まあ主人公の桃次郎みずから
「ご意見無用」と
唱えておりますんで。
このあたりでお開きに。
トラック野郎・故郷特急便
監督:鈴木則文
脚本:中島丈博、松島利昭
出演者
菅原文太
愛川欽也
春川ますみ
石川さゆり
森下愛子
原田大二郎
大坂志郎
玉置宏
大月ウルフ
音楽:木下忠司
主題歌 - 菅原文太、愛川欽也(東芝EMI/東芝レコード)
一番星ブルース
(作詞:阿木燿子/作曲:宇崎竜童/
編曲:ダウン・タウン・ブギウギ・バンド)
挿入歌 - 石川さゆり(コロムビアレコード)
傷だらけの恋
(作詞:川内康範/作曲:北原じゅん/編曲:高田弘)
→この作詞作曲の組み合わせは
まんま「まんが日本昔ばなし」のOPですね。
撮影:出先哲也
製作会社:東映
配給:東映
公開:1979年12月22日
上映時間:110分
製作国:日本
協力 日本高速フェリー(株)東京-高知“さんふらわあ”
関西汽船(株)
土佐闘犬センター
椎名急送
哥麿会
全国平和会
はなぶさ会
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