うーーん。
高校生の頃のジブンだったら
面白い、と思ったんだろうが・・。
少なくとも万人向けじゃない。
押井監督なんかが散々遊んできた
パトレイバーという作品を
一度、細かい部品に展開。
その部品を、現代(2016年)という
ワクの中でとにかく再構成してみた、
という感じ。
今回の映画での”テロ”のお題目
「他国の戦争の上に成り立つ平和の上で惰眠を貪り
あまつさえ利益を上げている日本に現実を示す」
⇒うるせえよwまったく。そんなんで人殺しすんな!
(一市民代表、PONより)
<あらすぢ>
20世紀末、レイバーと呼ばれる人間型ロボットの
急速な普及に伴う犯罪に備え、警視庁は、警察用
レイバーを擁する特車二課パトレイバー中隊を
設立した。そして現在、レイバー衰退と共に解隊に
瀕した特車二課の面前に、最新鋭の戦闘ヘリを
自衛隊から強奪して、首都1,000万人を人質にした
テロリスト集団が現れる。機関砲、対地ロケット、
ミサイルで完全武装をした上に、 最新の熱光学迷彩を
身にまとった“見えない戦闘ヘリ"グレイゴーストは、
レインボーブリッジへの攻撃を皮切りに、上空
500メートルに潜み、 首都を蹂躙していく。
警察最後の砦となった特車二課は、テロリストの暴挙を
止めることができるのか!?
そして、テロリストの目的とは?
いま、それぞれの守るべきものを賭けて、旧型警察ロボと
最新鋭自衛隊ヘリの戦いの火蓋が切って落とされる―。
未曽有の大惨事となった柘植行人よる
テロ事件から11年後の2013年、
レインボーブリッジが突如爆破された。
犯人グループは柘植の元シンパで、使用された
機体は自衛隊から強奪した最高機密の
光学迷彩を備えた戦闘ヘリ
「AH-88J2改 グレイゴースト」だった。
捜査にあたった警視庁公安部の高畑警部は、
以前柘植事件を解決に導いた特車二課に協力を
要請した。奇しくも特車二課は上層部の
人事により廃止寸前の状態にあり、
後藤田隊長は、特車二課の存続理由である
「前任者が仕掛けた時限爆弾(遺産)」の
正体を知るべく、南雲しのぶにコンタクトを
とっていた・・
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アニメ映画版では爆破されたのが”ベイブリッジ”
だったが今度は”レインボーブリッジ”。
オシイ監督にとっては、よくワカラン
コムツカシイリクツを並べながら
都会で戦争が起こるというお話を
商業作品上で展開することが可能であれば
他はてんでコダワリの無い些細な事なんでしょう。
ファンサービスの発露なんだか知らないが
前半は、これまでパトレイバーを見てきた人には
思わずニヤリとしてしまいそうな
どこかで見た光景、セリフ回しが続く。
でもあれだけ続くとさすがに辟易する。
中二病の思想を
小難しげなコトバで包みつつ
やりたかったことといえば
一見、リアルっぽい
サバイバルゲーム、と。
何かが起きないと
動く事が出来ない(らしい)
警察公安に代わって、
しかたなく、犯人たちを刺激するため
”状況を作り出す≒ドンパチ”
を開始する三代目特車二課の面々たち。
別にヒト死にのシーンを積極的に
見たいわけじゃないけども
仮にも”戦争”なんでしょ。
プロ対プロの。
人死にがまったくないってのは
あり得ない話。
あれだけ撃ちあってんのに。
特車二課中、最も(というか唯一の)
白兵戦戦力であるカーシャ。
そんな彼女からして、銃撃は
敵への威嚇手段に過ぎず
出会った敵はみな、長々とした
近接戦闘で気絶させるだけなのだ。
あのね〜君の(君たちの)持っているモノは
人殺しの道具なんだってば。
なんかその辺でシラケてしまった。
昔、どこかのアニメ評論家が言ってたけど
同じサヨク出身の某ミヤザキ監督と
押井守監督。
実は意外に人死にシーンを
オノレの作品に出すのは、ヒューマニズムの
権化みたいに思われてるミヤザキ某監督の方
なんだって。
案外、押井監督は作品で(メインキャラが)
人を殺さないのだ。
パトレイバーの隊長は昼あんどんだが
有能でなければならない
(≒ガンダムパイロットであるからには全員
名パイロットで、正義の権化であるべき)
という根拠レスの刷り込みがなされてしまっていた
自分にとって、今回の実写版の隊長
”後藤田”(演:筧 利夫)も、一見のらりくらり
しているが、後藤元隊長とおなじくらい
やるときはやる男だと、すっと期待していた。
彼のことを”後藤先輩”と呼んでいたくらいだから
面識もあるし、人生のある時代も一緒にいたようだけど
別に後藤隊長の薫陶を受けていたわけでもなく
どうも彼は、どこまで行ってもフツーの公務員で
自分はとても後藤先輩の様にはなれない・・と
自覚しつつ、ただボーっとしていただけの男だったようだ。
ちとガッカリ。
それだけに、後藤田はかくの非常時に際し
警察内部でずっとささやかれていた
特車二課が「大いなる遺産」を隠し持っているという
噂をなかばホンキで信じ、頼ろうとする。
そのためなんとか連絡のついた
レジェンドの片割れにして第一小隊の元隊長
南雲元警部にアクセスを試みる。
そんなわけで、南雲元警部
(別の女優が演じた背後シルエットのみ
声は榊原さんの吹き替えらしい)
が出てきたのは嬉しかった。
映画のパンフに押井監督の言葉で
出ていたらしいのだけども・・
そもそもガンダムタイプの
ロボットが暴れまわるという
パトレイバーの根幹世界観すら嫌っていた
押井監督は、映画版第一作で
暴走するパトレイバーゼロと格闘するシーンすら、
苦々しく思いつつも、ただひたすら
仕事と割り切って映像化したらしい。
そこへラスト、ゼロを仕留めた主人公たちが
がれきの山の上で抱き合って
大喜びするシーンまで作ってしまい
試写で通しまで観てしまった後
「あちゃー、やっちまったな〜」と
思ったらしい。
んなら、もうやらなきゃいいのに。
今作のラストでも主人公の男女は抱き合って
喜んでいる。
カントク、何やってんのさ。
そこまでトレースしなくてもよかったんじゃない。
喜んだのはヒロイン役の真野恵里菜を
抱きしめる事が出来た男たちくらいじゃないか?
ご参考に
「「パトレイバー首都決戦」を観る7つのポイント 」
口のキタナイ一部の人の間では
押井監督のことを”原作レ〇パー”と
罵るムキもあるようだけどね。
”うる星”しかり、”攻殻”しかり・・。
でもさ、ここまで一般ウケしない体裁で
”商業映画”として出してしまうと
ジブンなんか比べ物にならない
世のうるさ方−主にネットだけど−が
黙っていないと思うなあ。
(実際黙っていなかったようだ)
【キャスト】
筧 利夫:後藤田 継次(ごとうだ けいじ)
真野恵里菜:泉野 明(いずみの あきら)
福士誠治:塩原 佑馬(しおばら ゆうま)
太田莉菜:カーシャ
堀本能礼:太田原 勇(おおたわら いさむ)
田尻茂一:山崎 弘道(やまざき ひろみち)
しおつかこうへい:御酒屋 慎司(みきや しんじ)
藤木義勝:淵山 義勝(ぶちやま よしかつ)
千葉 繁:シバシゲオ
森カンナ:灰原 零(はいばら れい)
吉田鋼太郎:小野寺(テロの首謀者)
高島礼子:警視庁公安部外事三課 警部・高畑 慧
【スタッフ】
監督・脚本:押井 守
音楽:川井憲次
原作:ヘッドギア
制作:東北新社
VFX制作:オムニバス・ジャパン
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