2017年08月13日

思い出のマーニー

「思い出のマーニー」

宮崎監督が引退表明してから
仕事が無くなってしまったからか
スタジオジブリは
もうとっくに製作を止めてしまって
今は権利管理会社になったと聞く。
(未確認情報ですが)

ジブリのそもそもは宮崎監督たちが
いいアニメを作るには
いい職場環境のアニメーターが必要。
使い捨てじゃなくて
生活を保障された中で
存分に腕を振るって欲しい、
そんな願いから設立したんじゃ
なかったっけ?

・・なのに解散。実にあっけない。

このマーニーを作った
米林監督の新作「メアリと魔法の花」は
ジブリ遺伝子を受け継いじゃいるが
ジブリ作品じゃない。

たしかこのマーニーまでは
ジブリ作品のはずだが。

あらすぢ
札幌に住む12歳の少女佐々木杏奈は、実の両親と
祖父母を幼少期に失い、里親である佐々木頼子に
育てられているが、ある出来事から頼子のことを
「おばちゃん」と呼び、感情を表に出さなく
なっている。公園でひとりスケッチ中の杏奈は、
持病である喘息の発作を起こし、主治医の
山下医師に診断してもらう。そこへ鞄を届けに
来た同級生達の態度から、頼子は杏奈が学校で
孤立していることを察する。そんな頼子に
山下医師は、杏奈を環境の良い所でしばらく
療養をさせることを提案する。

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ジブリ至上主義者に怒られそうだけども、
絵は変わらずきれいだが
自分には最後の最後まで
”違和感”がぬぐえず
これといった感動も無かった。

原作は岩波少年少女文庫から
出ている子供向け外国文学だった様子。
イギリス特有のどんよりとした空の下
(湖水地方?)で広がるお話。
それを日本風にアレンジしたものらしい・・。

以下、違和感を書き連ねてみる。
ネタバレあり。

なにかにつけて接近してくる
近所の女ガキ大将(信子)に
いきなり暴言をはく杏奈。
悪気は無いが、無遠慮で、確かに彼女は、
うざったさとか、暑苦しさとか・・
そういった暗黒面をもつキャラだけど
杏奈のほうがよっぽど
タチの悪い人間に感じられて。
思いあまってにしても
あまりに言葉が汚い。

主人公の女の子、杏奈が
育ての親であるおばさんを避ける
理由も、俺にはさっぱりよく解からない。
育ててもらっているんだし
養育には金がかかるものだ。
公的な補助金をもらって何が悪いのか。
東北の震災でも似たような事件があったが
おばさんが使い込んでいるなら解かる。
でも違うんでしょ?

ああいう、危うい年頃ならではの子が持つ
”潔癖症”とでもいうのかね・・。

完全ネタバレだけど 
マーニーは杏奈のそういった感性とか性格を
見ていられなくって、現れたのかもしれない。
このまま成長したらこの子は
トンでもなく性根の悪い女性になっちゃう、
今度は絶対最後まで面倒見るんだって。

東京から引っ越してきた
眼鏡の女の子。彩香(さやか)。
嫌なヤツと思えば、さにあらず。
むしろ物語を解決に導く存在だった。
マーニーと杏奈だけだったら
あそこまでスピーディーに
解決しなかったでしょうな。

最近の風潮では引っ越すにしても
わざわざ田舎の廃屋をリフォームして
住もうなんて発想する人は限られる。
どうも彩香一家は金持ちのようだが
東京から引っ越してくるとは、
彩香一家の身に何があったのか。
そっちのほうが興味あったり。

大嵐のなか運命の場所、サイロに
彩香も向かわねばならなくなる。
でも彼女の年齢でサイロに
向かうには、独りじゃ無理がある。
アニメにはムチャで
ときどき暴走キャラもいるけど
(おそらく観ている子供達が
 真似して夜間単独徘徊したら危ない、
 といった社内意見でもあったんじゃ
 なかろうか、推測だけど)

そこで登場、彩香のお兄さん。
彼女の行動力増強のために
登場させられた、いかにも
とってつけたようなキャラで
少々かわいそうな気がした。

それと「あたしあなたの事が大好き〜」
とか・・かなり少女趣味に
走りすぎなところもウンザリ。

杏奈が子供のころに抱えて離さなかった
人形。マーニーの着ていた服と
似ているけど、マーニーって存在は
果たして幽霊なのか、杏奈が自分を
奮い立たせるために作り出した妄想なのか。

舞台は北海道の釧路湿原とか厚岸とか
あの辺のイメージなのかな。
絵ではよさそうだけど
沼地とか湿地って
蚊が多そうで俺は嫌だ。

名前からして外国人なんだけど
無理くり”マーニー”を日本を舞台とする
物語に組み込もうと奮闘された
米林監督と脚本家にお疲れ様と言いたい。



やっぱミヤザキ監督じゃないと
駄目だとまでいうつもりは無い。
あの監督作品でもつまらないものはあるし。
ジブリの一番濃いエッセンスを伝授されたのなら
この調子で作り続ければ
いずれ名作も生まれるのでは?
(でも息子さんの再登板はいらない)


つまらないもの1


つまらないもの2(息子版)

あくまで絵の引き立て役に
徹している感の音楽もなかなか素敵。

ところで、ハリーポッター、古くは
ドラえもん「のび太の・・」もそうだが
そろそろ「主人公と魔法の○○」とかいった
題名手法にも飽きが来ている時期。

「思い出のマーニー」という題は、
月並みではあるがよかったと思う。

思い出のマーニー
When Marnie Was There

監督:米林宏昌
脚本:丹羽圭子/安藤雅司/米林宏昌

原作:ジョーン・G・ロビンソン
製作:西村義明

出演者:
高月彩良
有村架純
松嶋菜々子
寺島進
根岸季衣
森山良子
吉行和子
黒木瞳

音楽:村松崇継
主題歌:プリシラ・アーン
「Fine On The Outside」

撮影:薮田順二/田村淳/芝原秀典
編集:松原理恵

制作会社:スタジオジブリ

製作会社:日本テレビ/電通/博報堂DYMP/
ディズニー/ディーライツ/東宝/KDDI

配給:東宝
公開:日本 2014年7月19日
上映時間:103分
製作国:日本

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(ア行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする