−私に言わせれば
英語で一番危険な言葉は
「Good Job」だ。
私の相方は、人に教える事を
仕事にしているので
コーチィングなども勉強しているのだが
そも先生とコーチは違うものなんだそうだ。
<あらすぢ>
名門音楽大学に入学したニーマン(マイルズ・テラー)
はフレッチャー(J・K・シモンズ)のバンドにスカウト
される。ここで成功すれば偉大な音楽家になるという
野心は叶ったも同然。
だが、待ち受けていたのは、天才を生み出すことに
取りつかれたフレッチャーの常人には理解できない
〈完璧〉を求める狂気のレッスンだった。
浴びせられる罵声、仕掛けられる罠…。
ニーマンの精神はじりじりと追い詰められていく。
恋人、家族、人生さえも投げ打ち、フレッチャーが
目指す極みへと這い上がろうともがくニーマン。
しかし…。
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この映画は名門音楽大学の教師
フレッチャー(=ハゲ)と
主人公の音楽を通した”激突”
−そう、激突という表現がぴったり
するお話。
ハゲは、音楽を次のステージに引き上げる
めったに現れない”天才”を
世に送り出すことに文字通り
命を懸けている男。
ホントならジブンが
その”天才”になりたかったのだろうが
自分の限界を知ってるから
外にその素材を求めている。という
ハゲの教育信条は
冒頭に書き出したとおり。
人とは、たとえ才能があっても
「Good Job」と教える側が
口にした瞬間、”天才”側に
突き抜ける努力をやめてしまう存在、
ということらしい。
そんなところに
家庭でもまあいろいろあって
命を懸けミュージシャンとして
世界のトップにたちたい!というまでの
覚悟は無いが、
音楽で有名になりたいな〜とくらいは
獏に思う主人公が入学してくる。
ここで、主人公は有能なコーチにしか
見出せないような”資質”を見出され・・
なんて事は全然無かった。
ハゲは取り急ぎ誰にでもツバをつける。
駄目なら消えてゆけ
別に死んでもかまわん
てか無能は死ね
俺の知ったこっちゃ無い
というスタンスなのだった。
このハゲーーーッと思うこと必至です。
そりゃ指導じゃなくて虐めだろう。
コーチの理不尽なシゴキといえば
「エースをねらえ!」もそうだけど
あれはコーチに見出された
普通の高校生、岡ひろみが
脚本どおり、トッププレイヤーに
成長してゆく話で、観客もそれを期待して
うんざりする成長プロセスに
付き合うわけだ。
「愛と青春の旅立ち」だとか
「スターシップトゥルーパーズ」だったりしても
(引き合いに出す作品がショボイのはご勘弁)
鬼軍曹、鬼教師の理不尽な仕打ちにも
一分の理があるもんで、
最後は、業を通して心が通じ合い
なんだあのひと、
結構いいやつだったジャン!
優しいのに心を鬼にしていただけだった!
なーーんて余韻を残して終わったりするもの。
この映画でもそんなことを期待しながら
エンディングまでの壮絶なプロセスを
頑張って観ていたんだけども・・。
はたして勝者はどっちだったのか。
主人公はハゲの目指すところの
めったに現れない”天才”の片鱗でも
見せ付けたのか?
単に志の低い”意趣返し”で
終わってしまったのか?
ハゲはそれで満足だったのか?
最後まで、ものすごーく底辺レベルの感情で
主人公のことを憎しみまくって終わるのか?
人が、ある世界を”突き抜ける”には
なりふりかまってはいられない。
時に人は気軽に”鬼”になる、なんていうけど
鬼とは、感情を捨て、
人としての道は捨てる。
それくらいでないと
道なんて究められないのでは。
また、道を究めた人間が
必ずしも人格者であるとは限らない。
(そりゃ人格者ならスバらしいことですが)
とにかく・・
このハゲーーーッと思います。かなり。
セッション
Whiplash
監督:デミアン・チャゼル
脚本:デミアン・チャゼル
製作:
ジェイソン・ブラム
ヘレン・エスタブルック
ミシェル・リトヴァク
デヴィッド・ランカスター
製作総指揮:
ジェイソン・ライトマン
コウパー・サミュエルソン
ゲイリー・マイケル・ウォルターズ
出演者:
アンドリュー・ニーマン
/マイルズ・テラー(内田夕夜)
テレンス・フレッチャー
/J・K・シモンズ(壤晴彦)
ジム・ニーマン
/ポール・ライザー(佐々木敏)
ニコル
/メリッサ・ブノワ(横山友香)
ライアン・コノリー
/オースティン・ストウェル(赤坂柾之)
カール・タナー
/ネイト・ラング(須藤翔)
音楽:ジャスティン・ハーウィッツ
撮影:シャロン・メール
編集:トム・クロス
製作会社
ボールド・フィルムズ
ライト・オブ・ウェイ・フィルムズ
ブラムハウス・プロダクションズ
配給:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
ギャガ
公開:2014年10月10日
製作国 アメリカ合衆国
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