2017年11月25日

「インテリジェンス人間論」 佐藤優

インテリジェンス人間論 
佐藤優 著 新潮文庫

某中古本屋で格安だったんで。

あらすぢっつーか内容
1997年クラスノヤルスクで
橋本龍太郎総理と
エリツィン大統領の首脳会談があった。
会談のために鈴木宗男と佐藤優が
橋本総理にエリツィンとの
付き合い方を講義したが・・。
インテリジェンス=情報を取り扱う事とは?

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こないだ落選したけど、鈴木宗男氏が
ホントにアクが強くて嫌なヒトだとしても
厳密に法を適用したら
なるほどなんかしら違反していたとしても
魑魅魍魎の跋扈する外国を相手にするに
こういう妖怪みたいな人を使いこなすのも
ニッポンという国の
度量だったんじゃないのかなと感じた、
一瞬だけ。

ロシアの流儀にはまったく疎い
時の総理、橋龍。
自分は亡くなった竹下元総理の
晩年の講演を聴いたことがあって、
橋龍はとにかくすぐふて腐れたり、
不機嫌になるので人望が少なく、
あの癖がなければ、もう少し
ニッポンのリーダーとして
活躍できるだろうになあ、とこぼしていた。

とにかくここでも、橋龍は
なぜか嫌な顔をしながら
対ロシア対応について
鈴木宗男&佐藤優からレクチャーを受ける。 
その時のやり取りがおもろい。

・クラスノヤルスクでも急遽、パーティー用に
 サウナが増設されることになったとの
 情報が入ってきた。私はロシア流サウナの
 入り方について説明する。
【佐藤優】  
 サウナでは白樺の枝で背中を叩きます。
 ロシア人は男同士でキスをします。
 キスは3回します。
 右頬、左頬、最後は唇です。
【鈴木宗男】  
 総理、ここは国益です。それにロシア人は、
 本当の同士だということになると
 アソコを握ってきます・・(略)
【橋龍】
 ほんとうにオレがそんなことをしなけれ(以下略)

ほかにもおもしろいエピソードが。
著者は米原万里ととても親しかったみたいで。

・エリツィン大統領は米原万里さんを
 とても信頼していた。
 実は、ごく限られた人々に
 しか知られていないが、ソ連崩壊前、
 ロシア共和国最高会議議長時代の
 エリツィンの対日政策には
 米原万里さんの意見が
 かなり反映されているのである。

米原万里のような方が
今もニッポン外交ルートの要所要所に
いると良いのだけどなあ。
(え?まさか某北の国とAイノキとか?
 あれは駄目だろ。どっちも基地外だし)

・あるとき著者は故小渕元首相に報告をした。
「ロシア側の検討状況には
 過去2週間変化がありません」
「あんた、変化がないというのも重要な情報だ。
 明日、またモスクワに行って
 様子を探ってきてくれ」
 小渕氏が述べた、
「変化がないというのも重要な情報だ」
 というのは、まさにインテリジェンスの
 プロの発想
なのである。

何気に一瞬だけかっこいいじゃない。
冷めたピザのおぶっちゃん。

別に鈴木宗男氏や佐藤優氏の
肩を持つつもりは無いけど
「ムネオハウス」とか
当時のマスコミに面白おかしく
叩かれまくったあの人たち。
この国が共産政権だったりしたら
抹殺されてるレベルでしょう。
過去の写真からも
突然消去されていると思うよ。

北方領土返還交渉は、橋龍の頃が一番
話しやすい時期だったらしい。
あのころのロシアは民主化がなったとはいえ
エリツィン以外に強力な政治ライバルもいない。
今でこそ天然ガスや石油で小金持ちになって
自信を取り戻してきたけど、まだ経済ガタガタ。
日本も世界からまだ”経済大国”として
見なされたいたし、中国も北の国もまだ雌伏の時を
決め込んでいた。
相手に何かを要求するための外交をするならば
相手に自信がなく自分がまだ強気に出られた
あの頃がベストだったのだ。

インテリジェンス人間論 (新潮文庫)
インテリジェンス人間論 (新潮文庫)

やっぱロシアとの関係正常化を
よく思わない勢力(どこかは知らんけど)が、
ネガティブキャンペーン張ったのかも
しれないなあ、と、ひとりガクブル。

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☁| Comment(0) | 読書(社会) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする