2018年03月27日

「影武者 徳川家康」 隆慶一郎

「影武者 徳川家康」

PONが尊敬してやまない作家。
隆慶一郎先生の代表作。
先日、久々に読み直したのだが
やはり何度読んでも面白い。

影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)
影武者徳川家康〈上〉 (新潮文庫)

司馬遼太郎が、あんた彼から
どんな酷い仕打ちを受けたの?と
小一時間問い詰めたくなっちゃうくらい
自作中で乃木将軍をめちゃめちゃに
コキ下ろしていたけれども

隆慶一郎先生にとっての
乃木将軍にあたるらしいのが徳川秀忠。
一般的な彼の評価は
戦争が下手(関が原で天下の大遅刻)。
常に家康をたてる孝行者。
奥さんの尻に敷かれており
天下の将軍なのに愛人も持てない
平時にはぴったりな治世者。
人畜無害無味無臭絶対安全の二代目と
いった感じであるが
隆慶一郎先生の眼には
ぜんぜんそのようには思えなかったみたいだ。

これは作品に出てくるキャラ、本多正信に
言わせているのだが、
”若い男(→当時の秀忠のこと)で
 そんな絵に描いたような孝行息子なぞいる
 はずがない。若いうちは馬鹿をやって
 当然で、もしそのような出来た若者と
 評価される奴がいるとすれば、
 そいつは恐ろしく抑制の効く奴で
 非常に性根が冷酷に違いない”
と秀忠をディスりまくってる。

世間的には、偉大な親と孝行息子が
手に手を携え江戸幕府を支えているように
見えるが、実は空いているもう一方の手で
背中越しに双方ともドツキ合いしており

柳生裏忍軍(秀忠)VS
甲斐の六郎(影武者家康)
という図式で
次から次へ闇の死闘が続く。

影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫)
影武者徳川家康〈中〉 (新潮文庫)

キホン、血なまぐさい話が
ずっと続くんだけど
ジブンの大好きなエピがある。

甲斐の六郎の妻で”おふう”という
スゴウデ”くのいち”がいる。
ある日、夫婦で城下にささやかな
我が家を構えて引っ越すこととなった。
無論、これは敵、柳生忍軍の目を欺く
擬態で、果てしない血で血を洗う
暗闘の一環だったのだが・・

おふうも女性。これまでシゴトオンリー
だった彼女が、鍋釜から箸、茶碗まで
丁寧に吟味し、自分たちの新居の準備を
行うという、あたりまえで平穏な喜び
このとき初めて知ってしまったのである。

旦那の六郎と共に、嬉々として
ひたすら買い物を続ける、おふう。

これには旦那の六郎はもちろん、
彼女らをつけねらい監視する
影の柳生者のみなさん、
さらには護衛の風魔衆まで
バトルに関係する男衆は
みなそろってウンザリするのだった。

使命のため、たいていのことは
ガマンできるプロの男衆。
出会ったら殺しあうしかないが
敵味方を越え、たぶんその瞬間だけは
皆で、苦笑しあえるに違いない。

この小説でかなり残念な扱いを
受けてるキャラ。徳川四天王の皆さん。

まずは徳川四天王の筆頭、本多忠勝
最初に影武者、世良田二郎三郎の
能力に気づき、この日本史上で
類を見ない大芝居を、徳川家のために
続ける下地を作ったのは彼だったのだが
物語の中盤には、領地桑名に引きこもり
ぜんぜん出てこなくなっちゃう。

次に榊原康政
最後まで秀忠の肩を持ったり
場の空気を読もうともしない
変な武将として描かれ、
いつの間にか小説から居なくなる。

大河でちょっとだけ話題になった
井伊直政。猛烈な出世欲が仇に。
本物の家康の息子(忠吉)を
義理の息子にもらった彼は
関が原の戦いで息子を活躍させ
それを手土産に息子を
秀忠に代わる次の将軍にしようと
もくろんだ・・が終わってみれば
自分は鉄砲傷で重体に。
己が親子の戦いぶりを
見ていて欲しかった本物の
家康は刺客の手にかかり死亡。
なんかもームチャクチャな
心理状態になった井伊直政は
大局とマッタク関係ないタイミングで
影武者とはいえ家康の暗殺を試みたり
とにかく空気読まなさ杉な武者として
書かれ、悔し涙と失意のうちに
関が原の鉄砲傷が致命傷で死去。

酒井忠次は出てこなかった。
というか関が原の前に亡くなってたような。

影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫)
影武者徳川家康〈下〉 (新潮文庫)

こんな風に書き始めますと
この先も延々と続きそうですので
ひとまずこの辺りで止めておき
再読したらまた続けます。

影武者 徳川家康 完全版 コミック 1-4巻セット (トクマコミックス)
影武者 徳川家康 完全版 コミック 1-4巻セット (トクマコミックス)
漫画はねぇ・・。特にSAK〇Nとかどうなのアレ。

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☔| Comment(0) | 読書(歴史) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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