PONは怪獣映画の影響大で、もともと不思議な
ものが大好きでしたが、学校というのものは
そういった「エンタ−テイメント」とは無縁の
無機質で朴念仁な世界。自分の家を出たらそういう
サブカルとは切り離して考えるものなのだと勝手に
思ってました。
それだけに、当時図書館でみつけた
あかね書房刊「少年少女世界SF文学全集」の存在には
衝撃を受けました。こんなところ(無機質な学校)
にも面白いもんがあるじゃん。しかも学校公認で、
無論ロハで借りていいの?ヤリーィってな感じでした。
「少年少女世界SF文学全集」は名前のとおり
古今東西のSF文学全集ですが、若干低年齢向けに
書きなおしてあり、低年齢者にはいささかまずい描写
もザックリカットしてある親切編集。挿絵なども、
1973年頃に出版された全集なんで、劇画レトロ
フューチャー的でありながらどこか突き放した
不気味さが存在し、それがこのシリーズの怖さに
拍車をかけておりました。
PONが最初に手にしてしまったのがコレ
「怪奇植物トリフィドの侵略」
ジョン・ウィンダム作 中尾明訳
誰が作者かとか翻訳者は何者か?なんて豆知識は
後日知ったもので、当時はこの題名に既に
やられてしまいました。なにせ「怪奇」で「侵略」
ですから。
<あらすぢ>
ある夜、緑色の流星雨が流れ、世界中の人々がその
天体ショーを目撃する。歩行する食用植物トリフィドの
栽培場で働いていた主人公は、トリフィドの毒を持った
鞭で目をやられ、治療のために入院し目を包帯で覆って
いたために流星雨を目撃しなかった。その天体ショーの
翌日は主人公の包帯を取る日であったが、朝起きて周囲の
様子が違うことに気が付き自力で包帯を取る。流星雨を
見た人々は皆盲目となっていたのだった。主人公は、
誰も目が見えず絶望に覆われたロンドンの街の中を歩き
始める。ところが・・
もともとは、「トリフィド時代」とか「トリフィドの日」
とか呼ばれる小説で、SF映画として「人類SOS」
という題で1960年代にイギリスで映画化もしています。
いいなあ。題名がストレートで。
PON@小学5年生はマジにぶるるでした。
読後、人のぬくもりwを求めて、いつもなら
飯の時以外はあまり近寄らない我が家の「居間」へ
思わず行ってしまいましたもん。当然ながら
オヤジも、おふくろもいつものごとくだったんで
自分が生きている実世界は、まだ安心なんだなと
胸を撫で下ろしたものです。
獅子座流星群とか、○○年に一度きりの
天体ショーなんてときどき新聞とかで騒がれますが
とりあえず、この小説の影響がありまして
PONはそういう時、絶対にブームに乗らないように
しようと心に誓ったのであります。
具体的にいえば、皆が騒いでいても空を見上げるのは
やめよーってコトです。だって、流星群を見ちゃうと
失明しちゃうんですよ?リスクは最小限にしたい
じゃないですかw
後ですね、この小説の背表紙とかの表題は
カラフルに使い分けがなされているのですが
この「怪奇植物トリフィドの侵略」、色は
緑です。それも「ふかみどり」系。緑という色は
人の緊張感をほぐすのだとか、よく言われたり
しますがPONには通じません。
(ふか)緑=トリフィド のイメージが刷り込まれて
しまいましたんで。新緑の「緑」は大好きですがね。
このトリフィドって奴は、ソ連が遺伝子操作で作り出した
もので、こいつから良質の「食物油」が取れます。
そのために、牧場(トリフィドは動き回れる!)で
人類の管理下のもと家畜化していたんだけれども、実は
こいつは肉食。毒の鞭を持っていて、生物をしびれさせて
動物を捕食するというとんでもない奴。
こういう設定も大人になってから知ったんで、
このあかね書房版では、結構省略されてます。
何かの事故で目の手術をした主人公が、いよいよ
包帯を取る日に悲劇(流星雨を市民が皆見て、皆盲目に
なってしまった)が起こり、あたふたしている間に
なぜか、地下!から怪奇植物群が出現、人類ピンチ。
「生き残りVS無限増殖の植物群」だったと記憶します。
本当の原作では、生き残りが結成するコミューンにも
様々な考えを持つ組織があり、弱者は生存の邪魔と
盲目市民は排除するタイプから、しっかり受け入れる派
まで、人のエゴとか、いざとなったら人はどう動くのか
のシミュレーション的描写もあったようです。
怖い植物と言えば、「マンドラゴラ」でも
「ワイアール星人」「ケロニア」「スフラン」でもなく
こいつにとどめを刺しますよ。今でも。
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