昔のアニメなんだけど「ふしぎの海のナディア」に
出てきた水兵フェイトンさんのエピソードを
ご紹介しる。個人の命と公的任務について
考えることができるんで。
「ふしぎの海のナディア」とは、1990年に
NHKで放送したアニメで、ジュブナイル小説
「海底20000マイル」を換骨奪胎、後に
エヴァンゲリオンで有名になる庵野監督が
好き勝手につくったもの。それなりに面白い。
NHKもお母様も安心してお子様に見させられる、
少年海洋冒険アニメを望んだはずなんだけれど
(だもんで、おなじSFものをアニメ化するにしても、
わざわざ「ジューンベルヌ」作品を原作に指定
している。非常に権威主義のNHKらしい選択。
これが「スティーブンキング」あたりをチョイス
していたら、非常に笑えたんだが)
まさか、結果としてこんなアニメになってしまう
とは夢にも思わなかったようだ。
発注した先が悪かったです。
後に「エヴァ」を生む、あのガイナックスだし。
主人公たちが乗り込むことになる「ノーチラス号」
(船長はネモ)は、19世紀にはオーバーテクノロジー
にも程があるような潜水艦で、謎の組織の潜水艦と
海底で死闘を繰り広げている。
主人公一行は、そこでフェイトンって水兵と仲良くなる。
ネモ船長の真意がどうであれ「戦闘艦」なんで、
戦いの中で被害を受けることもある。
万能潜水艦ノーチラス号
(画像は拾い物)
ある日、エンジン区画に直撃をくらったノーチラス号。
エンジンからの放射能に汚染されるってんで区画を
緊急封鎖。ぎりぎりまで復旧作業におわれていた
ノーチラス号水兵のフェイトンさんは封鎖区画に
取り残されます。
以下は封鎖区画のドア越しの会話(かなり意訳)
ナディア 「ネモ船長!開けてください!
フェイトンさんがッ」
ネモ船長 「・・・」
フェイトン「いいんだよ。ナディア。ネモ船長の
判断はいつも正しい。こうしないと
皆助からないもんな」
ナ 「ネモ船長の馬鹿!○×△!!!!(罵詈雑言の嵐)」
ネ 「・・・」
フ 「うれしいけど、船長の悪口言わないでくれよ。
俺はいつもあの人の言うことを信じて戦ってきたんだ」
ナ 「けど、それじゃあフェイトンさんが」
フ 「俺一人の命で、君たちが救われるなら・・・」
・・・とここまではありがちな感動秘話です。
かのスタートレックUでもミスタースポックがまったく
同じことしてますし。
ここで終わらないのが「ガイナックス」≒庵野流
しばらくのやり取りの後、主人公一同がグッと
「さよならフェイトンさん」と、涙を堪えようとした、
まさにその時、フェイトンさんは
突然、タガが外れて叫び始めるのです。
封鎖された防水ドアを叩きながら・・
「嫌だーッ!!」
「俺は死にたくない!!」
「ここから出してくれッ!」
「俺にはまだやりたい事がたくさんあるんだァッッ!!」
彼は、叫ぶだけ叫び、言いたいだけ言って死んでゆきます。
間違いなくフェイトンさんは、この後「化けて」
出るだろうな的、恨み節全開で。
凄い。エヴァンゲリオンの予兆がもうこんなところに。
でも人ってそうなんだと思う。
フツーに生きている人々が、悟りきったかのように
キレイに死ねるはずも無いです。
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