2009年04月20日

イル・ポスティーノ

本日、20日は「逓信記念日、郵政記念日」
だそうです。郵便つながりで・・

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「イル・ポスティーノ」

嫁が借りてきたDVDを横ちょで鑑賞。
ワインとオリーブオイルをたっぷりと使った
海鮮料理が食べたくなりました。

<あらすぢ>
1950年代南イタリア、ナポリ沖合の小島が舞台。
ある日、チリの偉大な詩人で外交官のパブロ・ネルーダ
(フィリップ・ノワレ)が祖国を追放されて
イタリアに亡命、この島に滞在することになった。
世界中から届くファンレターを配達するため、
青年マリオ(マッシモ・トロイージ)は臨時の
配達人として採用された・・。
貧しい純朴な青年が、島を訪れた詩人との友情を
通して次第に自己に目覚め、愛を知り、人間として
成長していく姿を温かくユーモラスに描く。

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貧しい漁民の子として生まれた主人公マリオは
自分の生活(人生)をどうにか変えたいと
いつも願っていたが、
どうすれば変えられるのか?
そもそもどう変えたいのか?
そのために情報を得る手段もわからず
今日を悶々と生きている青年。
貧困や学がないのは悲しい。

そんな青年が、ひょんな事から我が島に
やってきた詩人と交流することで
人生を切り開いてゆく。
当初はメタファー(隠喩)ってなに?
なんて詩人を呆れさせるほどしか、
知識を持ち合わせなかった彼だったが

想い人を口説くのにネルーダの詩を借用した
マリオに対し、人の詩を使うことは
感心しないと言うと
「詩は書いた人間のものではなく、
 必要としている人間のものだ」
と詩の本質を突くまでに成長する。

インテリにありがちな、無知を馬鹿にするような
態度をとることもなく、穏やかに、恩着せがましく
せず淡々と主人公を受け入れる詩人、パブロ・ネルーダ
(フィリップ・ノワレ)と彼の優しい眼もグウ。

また、島の風景がいちいち素晴らしい。

島の酒場の巨乳娘ベアトリーチェ
(マリア・グラッツィア・クチノッタ)
いかにも、イタリア南部っぽい女性。
胸元がいちいちステキすぎる!

イタリアのあんな娘(田舎娘という設定だが)を
剽窃した詩と熱い情熱をもってすれば
簡単に口説き落とせるものなのかっ??(笑)

イタリアという国は戦争に弱いというのが
世界的な定説wになっているようだが
実は違う。国家の大儀とか言うあいまいな
論拠では戦わないというだけなのだ。
自分の行為に「ステキな女性」と「ロマン」が
懸かったときイタリアの男性は、地球上で
一番勇敢なのだ、と
どこぞの戦争評論家が唱えていたけれど
なるほど、もっともだと思う。

宇宙人も怪獣も殺人もない。
FBIも軍隊も出てこない。
そういうのを期待している子供さんは
(↑ほぼオレのことだが)
大人にならないとツマラナイかもしれない。

理屈じゃなくって、感じる映画。
基本的にとんでもない「どんでん返し」は
ないので安心して映画の流れに身をゆだねる事が出来ます。
ワインとオリーブで鑑賞しましょう。



パブロ・ネルーダ(1904〜73)ってヒトは
実在したチリの詩人らしい。
彼を演じたフィリップ・ノワレって
どこかで観たな〜と思ってたら
「ニュー・シネマ・パラダイス」に出ていたんだね。
浦沢作品で気のいいイタリアのオッサンとして
登場しそうなキャラ。

音楽もステキだった。
(ルイス・エンリケ・バカロフ)

キャスト・スタッフ

キャスト(役名)
マッシモ・トロイージ (マリオ)
フィリップ・ノワレ (パブロ・ネルーダ)
マリア・グラッツィア・クチノッタ (ベアトリーチェ)
リンダ・モレッティ (ローザ)

監督
Michael Radford マイケル・ラドフォード

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パブロ・ネルーダが偉いのは・・

ドラマとはいえ、パブロ・ネルーダが
偉いとおもったトコロ。
弟子が急成長を遂げ、一瞬でも師匠を
越えてしまう時の悲劇ってやつは
古今東西、いろんなところにあって

戦国時代、豊臣秀吉は古今伝授(和歌の奥義)を
授かった武将「細川幽斎」から和歌を
習っていた。民百姓から出た無教養な成り上がり男
と内心みくびっていたフシのある細川幽斎も
秀吉が最後には自分の世界を作り上げるに
至り、舌を巻いていたらしい話や
同じ茶の湯では、師匠の利休と価値観の決定的な
亀裂が生じてああなってしまった例もある。
(細川幽斎は如才ないので喧嘩しなかったが)

パブロ・ネルーダは主人公を友としては
充分意識していたけど、詩人としては最初から
気にしていなかったから・・とも取れるんだけどね。
まあ、それこそ理屈はどうでもいいや。
「ニューシネマパラダイス」も再見したくなったよ。
posted by PON at 21:00| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(ア行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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