上司からもらいました小説。
博多殺人事件 (講談社文庫)
内田 康夫 (著) です。
2時間ちょっとで読破。
<あらすぢ>
出版社/著者からの内容紹介
浅見光彦、デパート業界の連続殺人に挑む!
史跡調査で浅見光彦が見つけた白骨は、博多進出を狙う
新興流通グループ幹部だった。一方、地元デパートの
案内嬢が殺され、不倫相手と噂の敏腕広報室長に容疑が
かかるが、彼は殺された幹部の最後の目撃者だという。
「容疑者を救え」兄の刑事局長・陽一郎から
意外な命を受け、浅見はデパート戦争連続殺人に挑む。
博多といえば
・新幹線の終点
・ラーメン
・武田鉄矢
・博多華丸・大吉
・ガメラが来たとこ
・ダイエーの拠点
そんなとこですかね。
ことの起こりは、地元の経済界のやり方を
完全に無視して殴り込んできた
新興勢力VS九州経済界という構図から。
だれも何も書いていないけれど
だれがどう読んでも、ここでいう新興勢力ってのは
「ダイエー」のことです。
小さい会社の下っ端営業として、細々と営業活動
しているに過ぎないPONにとりまして、劇中に
出てくる「新興流通グループ幹部」の営業手法
新天地への浸透手口には、小説であることを
差し引いても素直に感心。
あれこそがやり手「ビジネスマン」の「営業」
なんだろうな。
電話で営業して、繋がった窓口の方とだけ会話して
営業した気になっていては、いつまでたっても
大きな仕事はできないようだ。
会長とか社長しか出入りできないような会員制クラブに
足繁く通い、キーパーソンがゴルフ好きならば
誘われなくてもゴルフ場に出向き、自らの出身学校閥を
最大限に利用、必要ならば愛していなくても
女性をものにして情報源とする。・・俺にはとても
できないけれど。
さすがご当地ミステリーの大御所、内田先生。
ミステリーの書き方のうまさは相変わらずです。
前にも書いたけれど、いつでもドラマ化
できるような小説。
美人は美人、おしゃべりな女性はおしゃべり、としか
形容していないから、役に誰を当てはめてもかまわない。
博多だって、ホテルも百貨店もどこでロケしてもOK。
ステレオタイプすぎる面もあるけれど、ほとんどの
役柄は期待を裏切らない。怪しいヒトは結局怪しいし
基本的に美人は被害者にはなるが悪いことはしない。
この小説の場合、犯人の動機はともかく
彼らの犯罪ネットワークにはちょっと無理がある
気もしたけれど、まあいいです。
それからこの小説は1990年初頭に書かれたので
今となっては陳腐化してしまった設定もあります。
電話なんかその例。携帯電話の出現と普及というのは
世のミステリー作家にとって非常に脅威だったんだなあ。
主人公、浅見光彦は水戸黄門みたいだ。
いざとなったら、お兄さんがいるしね。
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