時空のクロス・ロード―ピクニックは終末に
鷹見 一幸 / メディアワークス (電撃文庫)
「でたまか」シリーズの作者が書いた本。
北斗殿よりお借りして読みました。
「我々は衣食住を保障された、このサバイバルを生き抜き
かつていかなる先達も実現し得なかった地上の楽園を、
あの永遠のシャングリラを創り上げるのだァ!」
(うる星やつら2ビューティフルドリーマー
メガネ著 友引全史第一巻終末を越えて 序説第三章より)
<あらすぢ>
「それにしても、平和だよな」気が置けない仲間達に
囲まれ、平凡だが平和な日々を過ごしていた富子市の
高校生・木梨幸水。そんなある日、
「お前さんには才能があるようじゃ―」
彼は不思議な爺さんと出会い、時空転移装置なるものを
手渡される。スイッチを入れた彼が辿り着いた先、
そこは、「この世界は、地獄だ…」崩壊した富子市だった。
そして、困難な状況の中で必死に生き延びてきた仲間達が
彼を待っていた。「よかった…生きてたんだ…」生還を
喜ぶ幼なじみの香織。だが幸水は戸惑いを隠せなかった。
「ここは、僕の世界じゃない…」電撃hpに一挙掲載され、
読者人気第1位を獲得した注目作、待望の文庫化。
内容(「BOOK」データベースより)
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平々凡々な生活に飽き飽きするというような
フザケた思想の持ち主(スネかじりの若者ありがち)に
「飽き飽き」することのありがたみを知れ!
という小説。
主人公の世界観を根底から変えるため、引き合いに
登場させられる世界からすればタマッタもんではない。
その引き合いにされた世界とは、いわゆるパラレルワールド
で、たまたまその世界の人類は三日熱(水疱瘡)の耐性を
持たず、20歳以上はほぼ死滅、荒廃しきった日本。
不思議ジジイに見込まれた主人公は、彼よりさずかった
時空転移装置(見た目はほとんどDS)を使って
好きなときに元の世界と行き来ができる。このあたり
なんともシステマチックでゲーム感覚。さすが秋葉系
サブカル雑誌出身小説だけのことはある。
この不思議ジジイはことある毎に「因果律」を口にする。
ジジイの言うところでは「因果律」とやらは「運命」で
あり、この世界に「神」は居ないが「運命」は決まっている
のだそう。主人公はその「因果律」を変える運を持つ
オトコとして選出されたらしい。ほう。
なんせ主人公が行うことは週末(終末)だけの
救世主活動なのだ。
ただもとの世界とおんなじペースで時が流れるため
一介の高校生が、無法世界でたまたま一夜を
過ごしたものなら、元の世界の親御さんに
大目玉!となるわけである。
この本を読んでいると「小説って、横からごちゃごちゃ
言うのは簡単だけど、いざ書こうとなるとやっぱ
むずかしいんだなあ」と思わせる。
小説を書いたことのない人間が四苦八苦しながら
書いている様を、追体験しているような・・
残念ながら小説とは呼べない内容。
でもラノベ分野「エンターテイメント」としては
よろしいと思います。二度読みは不要ですが。
お好み焼きは美味しそうではあるものの、
ほとんど伏線にもなっていない。
だいたい数十ページにわたって書くようなコトだろうか?
そもそも、あんな高校生ドモいないよ。
あだち充作品に出てくる高校生ドモもそうだが。
すべて「・・・・・」で以心伝心。友人達は
頼まれもしないのに主人公の為、見えないところで
イキな計らいをする・・みたいな。
理系の天才、サバイバルバカにツンデレ幼馴染
加えて、天然美少女後輩。
自身が何かに応募して落選した作品をリライトして
形にした様子。なるほどね。
ところどころ、切り貼りしたような印象を受けたのは
そのせいか・・。
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