いきなりであるが、幼少PONが衝撃を受けた
ドラえもんの道具をご紹介する。
【どくさいスイッチ】
どくさい=独裁である。こども向けなので
難しい漢字はなるたけ「ひらがな」で処理。
こども向けマンガなればこそ「漢字」で
オッケーだと思うのだが。
ともかく「独裁スイッチ」である。
スイッチというからには「押下」機能がある
わけだが、手のひらに乗るサイズのスイッチ
台には、ボタンがひとつだけ。
このボタンを人物に向けながら「カチッ」と
押すとあら不思議。その人物が消える。
正確に言うと「消える」ではなくって
歴史上存在しなかった者になる。
初めからいないのだから、殺人でもなく
良心も痛まない。
イジメっ子(ジャイアン)
お小言の絶えない母親
宿題を出すうるさい教師
これらに向かって「カチッ」と押せば自分に
たてつく輩は片っ端からいなくなるしくみ。
理屈は不明。
ドラえもんの便利な道具にはだいたい副作用があり
この「スイッチ」も、ジャイアンを消したはイイが
かならず別の誰かがジャイアンの地位に取って代わる。
合法的処刑に終わりは無いというわけ。
この悪魔の発明の存在理由をドラえもんは
のび太に説明するが
そんなんで「ポルポト」や「ヒトラー」や
「スターリン」もしくはその予備軍ドモが
安易に心を入れ替えるとは思えないのだが。
未来児童の情操教育用か。
【ヘソリンスタンド】
ヘソリンスタンドとは、ヘソリンガスというガスを
「ヘソ」から人体に送り込む機器。
ヘソリン=ガソリンというシャレ。
このヘソリンガス、物理的な痛み
恐怖、不安などを「一定期間」、
瞬時に取り去ってくれるガスなのである。
要は「麻薬」だ!
ジャイアンにボコられたのび太を一時的に
慰めるため、ドラえもんが出したもので
こんなスバラシイものは皆で共有すべきだ!
(毎度ながらのび太もよけいなことを・・)と
みんなの集ういつもの空き地に設置。
子供たちの間で大流行になる。
ヘソリンガス中毒になった子供たちの目は
白目で、完全にどっかイッちゃってる。
ヘソに給ガスするには下腹部をさらけ出さねば
ならんが、ガス中毒のスネ夫がおなじく女の子に
給ガスするシーンがおマヌケで不気味。
スネ夫「やあ、パンツが見えた」
女の子「見えたからなによw」
こんなスバラシイ人助けは無いだろ?と
(ガスのせいもあって)威張るのび太に
ドラえもんが言う。
「何いってんだ!「痛み」ってね重要なんだよ。
怪我をしても痛くなければ、人は怪我した
部分に気がつかず、悪化したり、用心しなく
なるだろ!!」(意訳)
「痛み」の重要さとクスリの怖さを学びました。
ドラッグ追放・薬害啓蒙用マンガとしてオススメ。
【Yロウ】
ネーミングの通り、Yの字の形の「ロウソク」?で
あり、このYロウを受け取ったが最後、送った側
(贈ワイ側)のゴリ押しが全面的に受け入れられて
しまうのである。道具の効果なのだろうが、
Yロウを受け取るや誰もが猫にマタタビ状態。
「まあ、こんなにいいモノをもらってもいいの?」
なってしまう。
言うまでもなくYロウ=ワイロのシャレである。
この話が描かれた頃は、ちょうどロッキード事件
とかが社会で大騒ぎだった頃に違いない。
要はY字の「ろうそく」らしい・・
のび太はジャイアン率いる草野球チーム
「ジャイアンズ」のライパチ(ライトの八番)
である。
野球は9人以上いないといけない。
ジャイアンのいる町内では「野球をやってもいい」と
同意する少年が9名ギリギリであるに違いない。
存外、ジャイアンも人望というか影響力がないと
思うが、ジャイアンが下手くそながらも
「のび太」を使い続けなければならぬ最大の理由だ。
のび太も話の内容によって、ジャイアンズで野球を
やることを、好んだり忌避したりする。
どうせ殴られるから、野球なんかやりたくないのに
毎度ジャイアンズに召喚され、抵抗する
「どたばた」話があるかと思えばその逆も。
この話ではめずらしくのび太が野球に執着する。
あるとき、あまりのジャイアンズの不甲斐なさに
リストラの嵐が。誰が仲間ハズレにされるか
疑心暗鬼な空気のなか、スネ夫は野球上手の
従兄弟を紹介、自らも一軍残留を確約させる。
タダでさえ+1名の上、スネ夫も残留決定となれば
もう2軍=仲間ハズレは決定である。
「そこが情けないんだよ。なんで自分だと
決め付けるんだ!練習するなりしてさ・・」(意訳)
実に気持ちのいい正論を吐くドラえもんであったが
のび太がそんな説教聞く訳がない、
そこで仕方なく出した秘密道具が「Yロウ」
のび太は、ジャイアンズオーナー兼監督兼フロント
であるジャイアンに、この「Yロウ」と引き換えに
一軍のベンチを確約させる。
この「Yロウ」を受け取った後の、ジャイアンの
トンチンカンな行動と、周囲の突き上げ
(収賄事件の渦中にある人物への
マスコミの猛烈な対応のような・・)
描写がまた秀逸。
自分が好きなのは、ジャイアンに渡す前
のび太のママで試したシーン。
さんざん「Yロウ」にスリスリして
のび太の要求を受け入れるママは
立ち去るのび太にニコニコしながら言うのである。
「ところでこれ、何に使うの?」
この自虐ギャグこそは藤子マンガの王道といえよう。
Yロウによる自らのメチャクチャな行動を
必死でフォローする痛々しいジャイアンをみるにつけ
子供心にも「収賄」はやっちゃいけないんだな〜と
学びました。
もっともホンモノのオトナが「Yロウ」に代わって
授受するものがなんであるのか、気がつくまでには
もう少し歳月がかかりましたけども。
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ヘンサムリン氏の名前を聞くと
なぜかヘソリンガスを思い出す私。