(電撃文庫): 鷹見 一幸
これも、当ブログのご意見番
北斗氏から貸与されたものです。
「俺は花美を助ける事が出来なかった。
そして父は僕を助けてくれなかった」
<あらすぢ>
小学校4年生の夏、幼なじみの少女・花美を
助けようとして一緒に川に落ちた楠本樟。だが
濁流に飛び込んだ父が助けようとしたのは花美
だった。しかも生還できたのは、樟ひとりだけ
であった。
「父さん…俺は、いらなかったのかい?」
19歳になった今でも、樟はその答えを見つけ
られずにいた。そんなある日「答えが欲しいかね」
樟の前に謎の爺さんが現れる。渡された不思議な
装置。そのスイッチを入れた樟は、崩壊した
浅羽野市に転移していた。そしてそこには、
死んだはずの花美の姿があった…。遂に動き出す
“選ばれし者”。その総攻撃から、樟は花美を
守る事が出来るのか。
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実の息子と幼馴染の女の子(花美)が同時に川に転落。
親父が助けようとしたのは幼馴染の女の子の方だった。
親父と女の子は死亡、結果的に、息子は生き残り
その息子の心に強烈に残った思いが残る。
「父さん…俺は、いらなかったのかい?」
主人公、楠本樟はそのトラウマから、こっちの世界
(普通の世界)では世捨て人のように人生を
ただ生きていた・・というのだが
「実の父親が選択してくれなかった」事は
「自分はいらない人間」こととイコールに
なるんだろうか?
主人公のトラウマ発生要因には一抹の違和感が
残った。まあ中にはそう感じる人もいるのかも
しれない。
実際、今後自分が生きてゆくうえで、普通は
そんなシチュエーションにならんと思うので、
正確にはなんとも・・ではあるが、自分の
想像力が足らんのかな?
(確かにそういう場合、俺なら何があっても
自分の息子の救助を選択するけれども)
以下若干ネタバレ。
この3作目からは若干趣向が変わり1作、2作共、
主人公は迷いつつも、結局は異世界ではなく
自分が生きてきた世で生きてゆく道を選択してきたが
この主人公は荒廃した世界で生きてゆく決断をする。
どうせ向こう(荒廃していない方)の世界には
何にもないし、なによりこっちは自分が死んでて
彼女が生きている世界であるから。
今作の主人公の年齢も、前作たちとくらべると
ちょっとオトナ。なんか雰囲気的に
仮面ライダーにでも変身しそうなヤツだった。
相模原薬科大(だったっけ?)での前主人公との邂逅は
なかなか面白かった。シリーズ小説ならではです。
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