2009年11月24日

仕分け人

「仕分け人」

「仕分け人」という奇妙な言葉が
急に騒がれ始めた。要するに、役人が作り出した
無理やりなリクツによる無理やりな仕事について
無駄か否かを判定する人間達と解釈する。
(簿記の世界では「仕分け」って言葉は基本だが)

だからといって「仕事人」じゃ死人が出そうだし
「判定人」というのもどうか、有用か有用ではないか
仕分けしてみよう・・出発はそんなところかな?

公的な業務に、こんな言葉を持ってくるあたりが
いかにもお役所らしい(あるいは民主党の政治家
あたりが考え出したのであろうか?)が

事業仕分け結果↓
ここ

【こども未来財団】企業の拠出金を財源とする特別会計
などから311億円の基金を設け、その運用益や国の
補助金で、授乳室の整備助成などの子育て支援事業を
行っている。人件費など財団の管理費が約5億円に上り、
厚労省OBの役員が高額報酬を得ていることが批判された。
判定では管理費を見直し、基金を国庫に全額返納すること
などが求められた。

→人件費など財団の管理費が約5億円
 基金を国庫に全額返納
理念は間違っていないのかも知れんが、馬鹿に金持たせると
ロクなことがない。こういうのはホッとするね。正直。

【農産物の流通・加工】大都市の中心部で農産物を直売する
「マルシェ・ジャポン」の事業(要求額6億円)は廃止と判定。
フランスのマルシェ(朝市)をモデルにした事業で、仮設
直売所を設ける事業者に補助金を出す。仕分け人からは
「国があえてやる必要はない」「民業圧迫だ」といった厳しい
指摘が出た。

→役人がやることって、民間企業がとても入居できないような
 都内の一等地にビルを借りたり、場合によっては
 建てちゃったり。珍妙な条件がつきすぎて、結局だれも
 借りたり、助成を受けられない基金を形だけは作って
 仕事した気になる。判っていることといえば
 トップは天下り。非常勤で数年勤めただけで退職金はン千万。

「GXロケットは「廃止」=新エンジンも見直し−刷新会議」
これなんかどうなんだろ。

中には、それを切ってしまってはいくらなんでも・・
というような分野でも、知らない素人のオソロシサ
というか、バッサバッサのイキオイで仕分けしている。
あえて言葉を選ばずゆーと、いっそ清々しいくらい。

とはいえ、科学技術分野ってのは一番難しい。
正直、まず素人には中身がなんだか解らんし
説明してくれてもわからん。
理解できて、説明してくれる学者に、
毒まんじゅうが仕込まれていたらそれまでだし。
我々は、本当に日本の将来に必要な芽を、今この瞬間
摘んでしまったという愚行を犯しているのかもしれない。

確かに怖い面がある。
凡人に理解できないできないが、日本の将来に
必ず貢献するはずのお役所主導仕事も、
100件にひとつくらいは混ざっているかもしれない。

仕分け人の奮戦を見ていて
コメディ映画「デーヴ」を思い出してしまった。
確かエイリアンのシガニーウィーバーがヒロイン!を
やっていたと思う。要は政治コメディなのだが

強欲で悪徳な某米国大統領が心臓発作で突然死去する。
国内・海外ともに非常にビミョウな政局であったため、
政府は極秘裏に死んだ大統領にそっくりな影武者で
当座をしのぐことにする。それが主人公デーヴ。

シガニーは死んだ大統領のファーストレディーだが、
あんな政治家だったんで夫婦仲は冷え切っていた。
最初は戸惑うデーヴだが、そのうち自意識に目覚め
周囲の側近(悪徳政治家の側近だからやっぱ悪徳)
に逆らい、夫人などの助けも受け、独自の政策を
打ち出すようになる。その政治姿勢が国民に大ウケ。
ホワイトハウスの重鎮は苦々しい・・。

長々と書いたけど、この映画で、デーヴはまさに
仕分け」を一人で行うのだ。
行政のプロを名乗る、各セクションのお偉方が、
自部署の権益だけを主張する、いつもの長い長い会議。
そこでスクっと立ち上がったデーヴ大統領は
「この仕事とこの仕事は同じもの。一緒にして
 合理化を。これ予算集中、これ廃止、これも廃止」
皆が唖然とする中、あれほど赤字で悩んでいた
国家が次の瞬間黒字になるのである。



いかにも「映画」で作り話なんだけど。
「実際の政治もこんなすっきりすればなァ」
なんて思いながら映画を観たもんだが、
実際にそれに近いことが実現しつつあると、
それはそれでチト不安。

民主主義の根幹は、時間がかかろうとも
凡人が知恵を出し合って、ベターの選択を
積み重ねることで前進する・・だと思ってるが
万人が賢人政治(問答無用なドラスティック改革)
を求めてしまうとき、民主主義の存在意義は
消滅してしまうんだよな。

要はね、仕分け人の暴走を誰が止められるのか?って。
もし止められる人がいるとしたら(一人いいるけどw)
そういう人のコトを「独裁者」って呼ぶんだと思う。



とはいえ、今のところ「仕分け人」の業務結果には
溜飲を下げているのも事実ですけど。
これまでの政治家は、「ムダをなくします」とか
「行政改革」とか、選挙のときは威勢がいいけど
永田町に戻った瞬間、何やってんのかわからん連中
ばっかりだったしね。
しばらくは荒療治として見守ることにします。

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posted by PON at 21:00| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 記事(喜) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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