2010年04月22日

アイ・アム・レジェンド(地上波)

「アイ・アム・レジェンド(地上波)」

先日、地上波で放映していたんで観る。
何度もレンタルしようかと思っていたんだけど
なぜか食指が動かず、ここまできてしまった。

日曜の夜、嫁はパソコン、息子は
こどもちゃれんじのビデオでテレビ占領。
仕方ないので嫁の携帯を借りましての
ワンセグ鑑賞であります。可哀想なオレ(涙)

あらすぢ
2012年。廃墟と化したマンハッタンを、
赤いムスタングが駆け抜けてゆく。
運転しているのはロバート・ネビル博士
(ウィル・スミス)、助手席には愛犬サムがいる。
…3年前、ガン細胞を撲滅するため開発された
ウイルスの暴走によって人類は滅亡の危機に
瀕していた。

※ダークストーカー:ウィルスによって別種に
 変化してしまったかつての人類達のこと。
 紫外線に激ヨワなので夜間しか行動できない。
 超人的身体能力を持つ反面、文明退化してしまった
 シロ剥けおサルさん。彼らに噛まれると
 普通人類はウィルスに感染、同類になってしまう。
 博士はなぜか耐性があり、空気接触感染ともに
 ならない。動物は接触感染はする。

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携帯ワンセグといっても、良いところもありまして
やはりなんつっても「字幕スーパー」表示可能。
演出か、演技者のせいか、更に(我が家の場合)
周囲がうるさいく・・大事な会話が聞こえないことも多く。
(普通、劇中で事の真相を告白するときは
 音量控えめで会話するものですし)

会話がクリアに伝わってくるから、話がすいすいと
入ってきまして「え?え?今なんて言ったの?」と
もどかしい思いをせずにすみますし・・。
その点は非常に楽。
しかーし!ビデオに飽きた息子が、
隙を見計らってはオレの視聴ワンセグを奪取

どこかに隠してしまうという重大な欠点がありまつた!

前半は面白かった。絶望的な孤独。その寂寥感。
広大な街に一人ぼっち。マネキンに話しかけ、
唯一の哺乳類仲間である愛犬サムをことのほか
可愛がる。

男の子は、秘密基地(要塞)が大好きなんだよね。
実はライフラインと食が確保さえできれば
孤独などサバイバルの程よいスパイス。
さあドンとこいサバイバルってなもんなのです。

ネタばれ全開で行きますけど「絶望的な孤独」とか
言っても実は、主人公ネビル博士の思い込みに過ぎず
世界各地では結構生き残っています。

しかも、彼は最初からダークストーカーをケモノ扱い。
集団的活動も知性も見られないとか発表してたけど
博士は1000日もの間、彼らのいったいドコを
観察してきたんだろう?

映画を鑑賞していたPONですら、
ダークストーカーを生け捕りにした罠の構造を
完全には飲み込めなかったというのに
(息子を追い掛け回していたから!)
ダークストーカー(のボス)は、罠を完璧に再現して
逆に主人公を追い詰めてしまう。
いったい、どこをつつけば彼らに「知性がない」と
断定できてしまうのか?

そもそも、そら不気味だとは思うけれども
博士が逆上してマネキンに乱射しなければ
こういった事態にはならんかったでしょうに。

ま、われらがネビル博士が、それほどパーフェクトな
人間ではなかったあたりは逆に良かったのかもしれない。
むしろ一番の問題は「ウィル・スミス」が「博士」には
まったく見えない
ところにあったりする。
(白衣 着たって見えないぞ、あれは)

それと、いきなりの救世主「アナ」と男児一名。
割とアホっぽいが、サバイバル経験者だから
生き残ってきたのは伊達じゃないのかも。
ネビル博士よりも更に壮絶な血と死を
見てきたに違いない。

そんなこんなで助けられた博士だが
我が家で勝手に貴重な食料を消費された挙句
飯をすすめるばかりで何も語ろうとしないアナ一行。
耐え切れなくなった博士は逆上する。

あの場面は、博士も観劇者も
「飯はいいから、さっさと真相を教えろよ!」
声を大にしていいたかった筈。
(博士がキレるや、アナ付録の男児が
 とっさにナイフを構え、警戒体制にはいった
 あたりはさすが、生き残りだけのことはある)
多分、目的と手段がいれかわった瞬間。

博士としては、我が家で悲劇に浸りながら
今後もずっと衣食住を保証されたサバイバル生活を
送っていきたかったんだと思うな。

そして、運命の夜。
ダークストーカーの集団がこぞって来襲。激戦になる。
(これまで博士はダークストーカーに探知されないよう
 注意を払い、我が家の場所を隠し続けてきたようだが
 あんな重武装な住宅じゃ、いずれバレるって)
あーこほん。そういうことは言うまい。

最後になって、ダークストーカーボスが
なぜ執拗に博士を付け狙う様になったのか
博士は理解する。
その絶望?と共に、ハリウッド的解決策
「ここは俺に任せろ!みんな逃げるんだ!
 生き延びろよ」→自爆。そして彼は伝説になった。



DVDの特典だかについていたようだが、
もうひとつのエンディングのほうがいい。
圧倒的によい。
なんであんなハリウッド的結末にしちゃったんだろ。
もったいないなあ。

【アイ・アム・レジェンド】
I Am Legend
監督 フランシス・ローレンス
脚本 マーク・プロトセヴィッチ
  アキヴァ・ゴールズマン
出演者 ウィル・スミス
   サリ・リチャードソン
   アリシー・ブラガ
   ダッシュ・ミホク
   チャリー・ターハーン

公開 2007年12月14日
上映時間 100分

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藤子先生の漫画で・・

SF短編集がある。ドラえもんに代表される
子供向け漫画ばかりであきあきしたのか、
まったく違う毛色の漫画を描きまくった一群だ。

その中に「流血鬼」(1978年)ってのがある。
当時の子供PONが非常に衝撃を受けた話だ。
これが結局この「アイアムレジェンド」
更に言うなら「オメガマン〜地球最後の男」など
と非常によく似ている。

これらの映画の原作は
「激突!」の原作者としても知られる
リチャード・マシスンが54年に発表した同名小説で
今回が3度目の映画化なのだそう。
端的に言えば「バケモノ群と戦っている筈の
自分が、いつのまにかバケモノどもにとって
最凶のバケモンになっていた」という
価値観の逆転を見事に描かれている。

価値観の逆転がより濃厚に出ているマシスンの原作が
1954年。一方の「流血鬼」は1978年作なんで
盗作というつもりはないけれども
残念ながら否定する材料もない。
漫画の面白さはまったく損なうことがないので
機会があったら是非いただきたい。

ちなみに、同じSF短編集に
「休日のガンマン」(1973年)ってのもある。
ロボットが演する「アメリカ西部開拓時代」の
テーマパークで、なけなしの金をはたいて庶民が
ガンマン体験をするという話。

ロボットの暴走こそしないが
ユルブリナーの「ウェストワールド」に似ている。
こちらの方は、藤子先生が自らあとがきで
否定していたけれど。
posted by PON at 23:54| ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 映画(ア行) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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