2010年10月18日

「漂白の牙」熊谷達也

以前、職場で「人食熊さんブーム」(←嫌なブーム)
が発生、「シャトゥーン ヒグマの森」や
吉村昭さんの「羆嵐」などがまわし読みされた。
おなじ「熊」つながりではないと思うが
次はコレだよ、そういって上司が貸してくれた本が

「漂白の牙」(集英社文庫) 熊谷達也(著)

あらすぢ
雪深い東北の山奥で、主婦が野犬とおぼしき野獣に
喰い殺されるという凄惨な事件が起きた。現場付近では、
絶滅したはずのオオカミを目撃したという噂が流れる。
果たして「犯人」は生きのびたニホンオオカミなのか?
やがて、次次と血に飢えた謎の獣による犠牲者が…。
愛妻を殺された動物学者・城島の必死の追跡が始まる。
獣と人間の壮絶な闘いを描き、第19回新田次郎
文学賞を受賞した傑作冒険小説。

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「人間が獣によって喰われた。
 単に殺されただけでなく、喰われて獣の腹に
 収まってしまったという恐怖〜
 そこには耐え難いおぞましさがあった」

「シャトゥーン ヒグマの森」敵が「熊」だったが
こっちでは「オオカミ」。パワーでは熊さんに
劣るものの、スピード、そしてなにより「組織力」では
オオカミさんの方がダントツ。
いずれにせよ
「生きたまま動物に捕食される」なんて光景は
小説の世界だけに閉じ込めて置いてください。

「シャトゥーン ヒグマの森」を読んだときは
もうひとりの主人公(女主人公の兄・土佐昭)の
あまりにヘタレぶりが嫌だったところだったんで
この本の主人公「城島郁夫」氏のカッコよさと
いったらなかった。

その点、シャトゥーンの主人公が「フィールドワークを
主としながらも基本は大学の先生であり、
結局スーパーマンなぞではなく、単に
「ウンチク垂れのインテリ」に過ぎなかった」
というのは、まあリアルといえば
リアルなのかもしれない。

ちなみにこちらの主人公、城島氏は
孤児院育ちで元環境庁のスーパーレンジャー。
野生動物の追跡術にかけては世界第一級。
現場主義を貫き、退職後もWWFの依頼で
世界中を飛び回る。野性味の中にも優しさを
持ち合わせた男。

小説だからこそ、ツウカイな活躍を期待したいもの。
マスターキートンあたりが居てくれたらなあ(苦笑)

この小説で学んだこと。
犬系の動物に襲われることがあったら
オノレの喉元を防御せよ!です。

マスターキートン(正確にはキートンの親父さん)でも
本気になった犬に人間はかなわないけど
もしどうしても犬と戦わなければならなくなった時の
戦い方が描かれていた。
併せて参考にされたい。

「誰かが言った。「奥さんにとってせめてもの救いは
 苦痛を感じるまもなく亡くなられたことです−」
 しかしそれがまったくデタラメであることを彼は知っていた。
 〜捕食者としての動物に捕らえられ、殺される時に
 即死ということはありえない」



やっぱ一番可哀想だったのは主人公の奥さんです。
いろんな意味で。

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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(ミステリ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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