2006年06月01日

維新の嵐(光栄 PC8801版)

今回御紹介するのは
光栄(現コーエー)の意欲作
「維新の嵐」です。

この頃の光栄は、相変わらず
主軸はシミュレーションゲーム(SLG)
でしたが、次の可能性を
模索している時期でもありました。

極端なことを言えば、このメーカー、
「信長の野望」と「三国志」しかないので
ゲーム世界のすそ野を積極的に広げつつ、
(ゲーム対象が、水滸伝、ジンギスカン、ナポレオン、
 日本海軍、大航海時代、そして明治維新へ)

また「国家」という大きな単位で考える
ゲームばかりだったので
「個人」を単位にしたゲームが出て来ました。
それが「太閤立志伝」であり
この「維新の嵐」です。

維新1.gif

名前の通り「昭和維新」ではなくて
「明治維新」前夜の日本を舞台にしたSLG

「佐幕派」「倒幕派」「攘夷」「開国」
様々な思想を持った要人(キーパーソン)が
日本全国マップでうろついています。
彼らをいちいち説得することで
プレイヤーの目指す社会へ
日本の未来を導いてゆくというもの。

登場するキャラクターは
日本史に実在した人物のみであり
人によって能力差があるわけで
たとえば新撰組の「近藤勇」
選んでしまったあなたは、どんなに頑張っても
「坂本竜馬」を説得して
味方にしつづけることは大変難しく
いっそのこと切りかかって
暗殺してしまったほうが簡単
だったりします。

「近藤勇」でも説得出来なくはないが
他所の勢力も黙っていない訳で、
たとえば遠く土佐まで足を運んで
「竜馬」を説得、ようやく味方にしても
もっと弁の立つ、別の誰かの説得を受けて
そちら側になびいて
しまったり。

維新2.gif

また、簡単だからといって
雑魚ばっかり説得しまくっても
革命で最終的にモノを言うのは
残念ながら「軍事力」
ですから
「軍」を動かすことできる、雄藩の実力者を
味方にしなければどうしようもない訳です。

新幹線や飛行機があるわけではない、
この時代日本全国の移動はもちろん徒歩
移動すれば体力は消耗するし
交通費も必要だし、袖の下も必要だったり・・
そうなれば浪人よりも
経済力のある貴族のほうが・・
しかし貴族だと喧嘩はダメだし。
みたいなジレンマ。

結局、PONはこのゲームを
クリアできなかったんですが
後半は「自棄(ヤケ)」になりまして
個人としては、ほぼ最強の
「近藤勇」を選択、
道行く要人を「暗殺」しまくりました。

要人も殺されたくないから早足で逃げます。
追いかけて、追いかけて
気がつけば、津軽海峡を越えて北海道へ。
そこでなんと近藤の所持金が無くなり
渡し舟(要は青函連絡船)に乗ることも出来ず、
かといって北海道には要人が居ません。

結局、日本の地図がどんどん
「倒幕派」に変わっていくの見ながら
なーーんもできず、近藤勇は
北の大地で次の給料日(1年に1回なのです)
ほぼ一年間、無為に過ごしたことを
急に思い出しました。
テロは社会を変えません。
停滞させるだけと知り。
けど、

結局、何がしたかったんだ?近藤勇

考えたら、このゲーム
PONのやっている「営業」に似ている。
(営業=テロじゃないですよ?)

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e8c67347.gif

高校の3年間は我ながら
よくゲームをしたものだと思います。

ゲームという親しみやすいメディアを通して
その世界観に触れ、
知らない人間には読むのも苦痛で
まったく頭に入ってこないような文献すら
読み漁るようになり
そういったムダな情報が
更にその世界を好きにさせる。

勉強の基本ですね。

PONに取りまして、
当時のPC8801でゲーム化された
「綺羅星のごとき」ゲーム群は
何も知らない田舎高校生に
常に新しい世界を紹介してくれる
窓口でありました。
それは例え「エロゲー」ですら
例外ではありません。

極論を言えば、本来、子供達に新しい世界を
紹介する役目は、周囲の親や
特に学校の先生であるべきはずだったんですが。
教育は、まさに受験クイズのツールに
成り下がっていますからね。
そもそも先生方も生徒に
堂々と紹介できるような世界を
持ち合わせていませんし。
あ、「スケベ」だけは実地で教えてる
困った奴もいるな。たまに。

どうにもこうにも。
日本の夜明けは遠いですよ。
近藤さん。
posted by PON at 21:00| ☔| Comment(2) | TrackBack(0) | ゲーム | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>ゲーム、PS2か何かでも出てませんでしたっけ
光栄は貪欲ですから
ほとんどのSLGはPS2化してますね。

>近藤さんで暗殺しまくりというのは
>面白いですね(笑)
有難うございます。
これから書こうとしていたネタばらしを
してしまいますが
同じような例として「太閤立志伝」というSLGも
個人単位のゲームなんで木下藤吉郎を操れます。
農民出身の彼が剣豪なわけないんですが
ゲームなんで彼を鍛えると「一流の剣豪」に。
やっぱり他家の要人を暗殺しまくっていると、
そのうちご主人の「信長」が呆れて
「暗殺」を主任務にしてくれるのです。
さすがに自家の同僚を殺すと
信長も怒りますけど(苦笑)
Posted by PON at 2006年06月06日 12:55
近藤さん!北海道まで行きましたか?すげえ(笑)
いや〜このゲーム、PS2か何かでも出てませんでしたっけ?こんな昔からあったのですか〜知りませんでした。しかし近藤さんで暗殺しまくりというのは面白いですね(笑)読む方にしてみると、ホントに面白いです。
こういうの読むと、ゲームプレイ日記でもやりたくなりますが、時間が無いんだよなあ。いつかやりたいけど。。。
でも、後半のPONさんの書いていること、おっしゃる通りですね。遊びを通じて色々と学んでしまえるのはいいことです。はい。
Posted by REALLIFE at 2006年06月04日 21:53
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