2011年01月13日

「DZ 〜ディーズィー〜」小笠原慧

「DZ 〜ディーズィー〜」角川文庫


原題は「ホモ・スーピエンス」
(「ホモ・サピエンス」に対する「超人類」の意)
だったらしい。

それを「DZ」に改題。「DZ」の意味は
興味があれば調べてください。
(文庫版のあとがきにも載ってますが)
最初は非武装地帯かと思ったけど、
それは「DMZ」(demilitarized zone)でした。
思いつく言葉が非常にオレらしいが
この小説に38度線は全然関係ない。

あらすぢ
1980年、ベトナム。奇胎妊娠の恐れがあると
診断された女性が病院を脱出。翌年、沖縄近海で
発見された難民船には、1人の妊婦が乗っていた。
数年後、米ペンシルバニアの田舎で、冷凍庫の中
から夫婦の死体が発見され、5歳になる息子が
行方不明になる事件が起こる。
現代。アメリカに留学中の石橋は、天才研究者
グエンから共同研究の申し出を受けた。
グエンの研究は、霊長類の核移植による遺伝子
操作だった。夜を徹して研究を続ける石橋は、
グエンの研究対象、目的に違和感を覚え始める。
一方、石橋の恋人涼子は、重度心身障害者施設に
医師として勤め始め、そこで心を閉ざした1人の
少女に出会う。
第20回横溝正史賞を受賞。

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ちょっとね。最初のうちはキャラの周囲に関係する
面々の描写のために現在過去東西に話が飛びすぎで。
こういう物語スタート形式は読んでいて疲れるのだ。

種とはなんぞや
進化って何?

遺伝子工学についてちょっとだけ
解ったような気になれる
最近、マンガなんかでは流行の
情報もGETできるオトクな小説。
エンターテイメントでありながら
知的興奮wも得られるってやつ?
説明が若干クドイ気もするが。

更に「ちょっとそれは無いだろ」って設定が・・

傷心のヒロインはド田舎の精神患者治療施設へ赴任。
ひっそりと暮らすつもりでいた。
結局は、すべてソコで決着するんだけど
田舎の治療施設に、いかな変わり者の
所長のシュミとはいえ、最新ヘリポート施設や、
今すぐ生命工学の実験ができる施設が
整っているってのはどうか?
あまりにご都合主義的にスギる。

理由は様々なれど
「人の気持ちに拠った考えのできない」
≒「「仁」を理解できない」できないヤツには
医術や生命をもてあそばせてはならんってことで。

それと、このヒロインの女医に対しても
お気の毒だとは思うが、なんの思い入れも
持てなかった。
女性のもつ「さが」なのか、何なのか。
彼女に想いを寄せた男ドモがまるでかわいそう。

話の要諦は、染色体がもたらす生物の進化にあり
「染色体のロバートソン型転座」
(2本の染色体が偶然くっつくこと)
によって、ある種の中に静かに「別の種」が生まれる。
これが進化なんだそうだ。

「チンパンジーと人類のDNAは98%以上同じなんだ。
 たった1%余りの違いが人間を人間たらしめている。
 ・・しかも500万年前に両者が枝分かれしたとき
 表現系の違いではほとんど区別できないくらい
 似ていたはずだ。でも二つは別々のものに分かれて
 いった。どうしてだと思う?」

「簡単だよ。チンパンジーと新しく生まれた
 人類との間には子供ができなかったからだよ・・」

ひょっとしたらアムロやシャアも
子供が残せないのではないか?



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posted by PON at 21:00| 神奈川 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書(SF) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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